※『コンサルタント紹介業』という少し変わったビジネスの話を毎月1回 お届けしていきます |
《今回のテーマ》 『コンサルタントの最新動向』
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「コンサルタント」と呼ばれることに抵抗感のあるコンサルタントが少なからずいます(あっ、こう呼んでごめんなさい)。そのココロは、
『自分は従来のセンセイと呼ばれるような経営コンサルタントとは違うのだ。能書きばかりで実務ができない人と一緒にしてもらっては困るぞ。私は実務ノウハウがあり、それを提供して実績を上げる自信があるのだ。だからそう呼ばないで欲しい』
といったような意味合いがあるようです。
私はコンサルタント紹介業を4年やっていますので、おそらく普通の人よりは、かなりの数のコンサルタント(またはビジネスプロデュースをされる方)とお会いする機会があります。その中で、上記のような方々は増えたなぁ・・・と実感します。また、下記のように、けっこう顕著に見られる傾向があります。
1.若年化傾向(人生のベテラン経験者から、若い世代へ)
2.実務者傾向(マネジメント知識の指導から、実務の支援へ)
3.価格変化傾向(権威ある名声価格から、市場サービス価格へ)
誤解があってはいけませんので強調しておきますが、年齢が高い方が考えが古く、若い方のほうが考えが新しい、という意味ではありません。年齢が高くとも、フレッシュで柔軟な考え方の人は多数いらっしゃいますし、年齢が若くても凝り固まっているような人もいます。
まぁ、私が日々感じていることを、分かりやすく一般化したとしてお聞きください。
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■若年化傾向:実力コンサルタントは必ずしもお年寄りでない |
コンサルティング業は、人生経験が豊富でなければならない、というのは一面の真理ですが、必ずしも全てに当てはまりません。例えば、20代〜30代で株式公開を達成する経営者もいれば、ビジネス経験50年でも、ビジネスの基本がよく分かっていない人もいます。
コンサルタントでも、びっくりする位、若くても、優秀な方はたくさんいます。これまでは、何となく「コンサルタントはそれなりの年齢で見識がないと」と考えられがちでしたが、そういった先入観が徐々になくなってきたと感じます。
コンサル業界でよく聞く話では、例えば日本LCA、ベンチャーリンク、船井総研、アクセンチュアのような若手が活躍できる会社で経験を積み、勘所をつかんで、自らのノウハウでコンサル起業をする人材が、かなり増えていると想像しています。この業界には、日々、フレッシュな人材が輩出されています。
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■実務者傾向:経営学を知らなくても実績をたたき出す |
マネジメントという技法を、マネジメント不在の中小企業へ伝道し、有り難いお話をして指導料をいただく、という古き時代は過ぎ去ったように思います。こういった技法の伝授は、当然、いまの時代にも通用することが多いのはもちろんですが、企業側のニーズは減少傾向にあると考えてよいと思います。
コンサルタントを依頼する企業側の人材を見ると、経営者、マネージャーをはじめ、優良企業ほどかなりの勉強(読書)をしていると思って間違いありません。つまり、ドラッカーや、ポーターや、コトラーの理論はいちおう理解して、日々、試行錯誤しながら、いかに自社のマネジメントに応用できるか考えているのが普通です。
ですから、コンサルタントを呼んで、延々とどこかで聞いた話をもっともらしくされても、閉口されるのが関の山です。こういった風潮を受けて、最近では、ベースとなる理論をふまえた上で、実行支援で結果をだす
「成功請負人」のようなスタンスのコンサルタントが増えています。
例えば、実際に会社の清算を実務で行い、何百億円の負債を処理した経験のある人、株式公開の実務責任者として辣腕をふるった人、急成長したベンチャー企業のマネジメントチームで経験を積んだ人、などが代表例です。この業界には、日々、腕に覚えのある実務家が増えているのです。
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■価格変化傾向:市場の求める価格で、市場価値で勝負する |
コンサルティング業界への、典型的な批判の多くが、『成果もだせないのに、高い金とりやがって・・・・!』という声に集約されると思います。ある意味、高学歴でびっくりするような高給の、特権階級のようなコンサルタントという極端なイメージが、コンサルタントを知らない人たちに広がった悲劇だと思います。
また一部の会社に見られるように、大企業向けに、トップ営業で、何千万円〜何億円という契約金額で戦略やソリューションを提供するという、派手な話が流布されるのも一因かと思います。
しかし現実的に、多くの中小企業向けのコンサルタントは、想像以上にタフな仕事であり、実際の成果と比較してみると、驚くほどリーズナブルな価格で導入されているケースがほとんどです。
つまり、自社の正社員でやるか、アウトソーシングを使うか、という合理的な経営判断の中で、費用対効果の高いオプションとして、コンサルタントの導入が選ばれることが多いと実感しています。この業界では、意外と「お徳な買い物」が多いのです。
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■コンサルタントは美味しい商売ではない?! |
以上のような傾向を見ると、次々と若くてフレッシュな人材がどんどん参入してきて、より実務的で成果のでるサービスが求められて、シビアな市場価格が要求されるわけですから、けっして楽な商売ではありません。
また、せっかく素晴らしいソリューションを生み出しても、そういったありがたいノウハウは、この超情報化社会においてはもの凄く早いスピードで伝播し、陳腐化していきます。また企業の学習意欲とスピードは決して衰えません。
それを覚悟で、この業界で勝負している訳ですから、きわめて個性的で、かつ、タフな人が多いのも、また事実です。
では、今回はこのへんで。また次回お会いしましょう!
《今日のつぶやき》
アップルシード・エージェンシーさんの「ザ・エージェント」、読みました。金森さんからもお噂は聞いていましたが、出版エージェントとしての鬼塚さんのポリシーが伝わってくる、素晴らしい内容でした。当社も出版フォーラムという、業界のインサイダー情報満載?のメルマガを発行していますので、ぜひ読んでください!とくにこれから自分をブランド化したい方は必見です(樋笠)。
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■関連情報
コンサルジェントが書籍で紹介されました!
『起業家を続々と輩出するリクルート式仕事術』
著者:荒井 裕之 出版社:ぱる出版(2005/12発行)
過去にコンサルタントに関するコラムを寄稿しています。よろしかったらこちらもご覧下さい。
「失敗しないコンサルタント利用の秘訣」@IT
情報マネジメント
「コンサルタント業を目指すには」All
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