※『コンサルタント紹介業』という少し変わったビジネスの話を毎月1回 お届けしていきます |
《今回のテーマ》 『コンサルタントのホームページを考える』
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こんにちは、コンサルジェント代表の樋笠です。
前回に引き続き、インターネットでコンサルティングを探す、という話題でお届けします。
今回はコンサルタントのホームページの条件を考えてみたいと思います。
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■ユーザーの視点で見ると・・・ |
インターネットでコンサルタントの引き合いを獲得する。これは、すでに常識です、と前回のコラムではお伝えしました。
ではもし、あなたがコンサルタントを依頼したい企業だったら、どうやってコンサルタントを探すでしょうか?例えば・・・
○知り合いの経営者等に聞いて紹介してもらう
○有名な会社やコンサルタントの業界団体に問合わせをしてみる
○ビジネス書を頼りに、コンサルタントを探す
などの方法があるでしょう。そして最近では、インターネットで探すという方法が一般化しつつあると思います。 インターネットで探す場合は、
◎yahooなどのディレクトリ(掲載ページ)から辿って探す
◎キーワード検索で探す
という方法が代表的でしょう。ディレクトリの場合は、分かるのはせいぜい「経営コンサルティング」とか「小規模企業のコンサルタント」という大分類と、都道府県です。
そのため、
「プライバシーマークの認証取得支援ができるコンサルタントを探て、まずは見積りを頼みたい」とか、「社員10名の工務店にとって役立つ、営業戦略や財務を全般的に指導してもらえる、住宅業界に詳しい首都圏在住のコンサルタントを探したい」とか、「福岡県で開催されるドラッグストアの経営者向けの勉強会で講師のできる流通業に強いベテランのコンサルタントに依頼したい」、など、要望が細かくなればなるほど、ディレクトリで探すのは難しくなります。
そこで『コンサルタント プライバシーマーク 見積り』などのキーワードでyahoo検索してみる、などの行動につながっていきます。つまりユーザー(探す側)の視点に立って、検索した結果、自社のホームページが容易に見られる状態であれば、合格点でしょう。
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■見られなければ、存在しないのと同じ |
ホームページのマーケティングで一番大事なこと。それは、『見られること』です。さらに正確に言うと、『見て欲しい人に、見られること』です。もっと的確に言うと、『見て欲しい人に、見られて、行動を起こしてもらうこと』です。
さきほどのキーワードでの検索例のように、コンサルタントを探している人に、確実に訪問してもらう必要があります。どんなに素晴らしいホームページであっても、増殖を続けるウェブの海の中では、見られていなければ、存在していないのと同じです。
私も偉そうに言っていますが、お恥ずかしながら、創業当初は全然、お客さんのアクセスが少なくて、かなり苦労しました。アクセス解析で集計を見ても、一番アクセスしているのは、何を隠そう、私自身だったのですから・・・(汗)。
拙い経験から言いますと、1日のページビューが100以下であれば、コンサルタント事務所として、とてもビジネスとは言えない状態です。500〜1000になって、そこそこ見られているかなぁ、という感じです。このラインを超えると、引き合いに繋がってくるかなぁ、と思います。
当社の場合は、現在1日2500〜3000ページビューで、月に引き合いが20件前後です。もちろん、すべての引き合いが100%商談・受注に繋がるわけではありませんが、十分ビジネスとしては成立するようになっています。
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■売れるコンサルタントのホームページとは? |
私は仕事柄、コンサルタント会社や事務所のホームページを数多く見ています。そんな中、これは素晴らしく良くできているな、とか、逆に、ご本人は素晴らしいのに、このホームページはもったいないな、と思うことがよくあります。
例えば、こんなホームページでは頼りないし、とても依頼する気になれないのでは、と感じる悪例を挙げてみますと、
×情報量が少なく、新しい情報もほとんど追加されていない |
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→誰も見ていない、忘れられた存在・・・
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×内容が一般的・教科書的で個性に乏しい |
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→よくあるフローチャート、よくある常套句・・・
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×顧客の期待感が起こらない |
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→いったい何を提供してくれるのか?
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×連絡を取る手段がわかりにくい |
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→いいんですか?お客様は移り気ですよ・・・
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×趣味で片手間で作ったような内容・デザイン |
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→ビジネスとして最低限の水準がなければ・・・
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などです。少なくとも法人相手のビジネスユースのページですから、あんまり趣味と混同したような拙いページ、素人丸出しのページでは、まずいと思います。
コンサルタントのホームページの“必要条件”を考えますと、以下のようなポイントが思い浮かびます。
1.提供するサービスと価格基準、例、が明確でわかりやすいこと
2.実績やイメージしやすい事例が、具体的に示されていること
3.コンサルタントのプロフィールやキャラクターが伝わること
4.第三者からの評価がしっかりと情報開示されていること
5.物理的・心理的に、顧客からのコンタクトが容易にできること
依頼する側は、常に「自社にぴったり」のサービスを探していらっしゃいます。極論すれば「自社が関心のある、知りたいことだけを知りたい」のです。余計な情報は見たくないのです。
ですので情報量が多ければ多いほど良いかというと、関係のないトピックスが多すぎて、本当に伝えたい情報に辿り付けない様では、本末転倒ではないでしょうか。
最近では「ブログ」をビジネスユースのホームページに代用する例も増えていますが、ビジネスに関係のないトピックスからのアクセスや、関係のない人からのトラックバックが増えても、単純には喜べないのでは、という気がします。(参考情報:ビジネスブログ入門)
コンサルタントを利用する側は、いかに自社に必要な情報が提供されているかという視点で、ホームページを評価すべきでしょう。またコンサルタントの側は、そのユーザーの探している視点で、自社のサイトを見直してみるのも一法かと思います。
このトピックスは、また改めて掘り下げていきたいと思っています。
では、今回はこのへんで。また次回お会いしましょう!
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《今日のつぶやき》
最近、知り合いの方に取材していただき、ビジネス書にご紹介して戴くことが決まったり、またビジネス系雑誌の取材をしていただいたり、ということが続きました。私はパブリシティは下手なほうで、もっぱらホームページへの誘導に注力してきましたが、一度きちんとメディアに取り上げてもらうノウハウについても勉強してみたいと思っています。タダで宣伝してもらって、しかも客観的な情報と受け取られるので、やっぱりそれなりに効果も高いんでしょうか? (ひがさ)
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著者:荒井 裕之 出版社:ぱる出版(2005/12発行)
過去にコンサルタントに関するコラムを寄稿しています。よろしかったらこちらもご覧下さい。
「失敗しないコンサルタント利用の秘訣」@IT
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