※『コンサルタント紹介業』という少し変わったビジネスの話を毎月1回 お届けしていきます
|
《今回のテーマ》 『効果的な研修とは?』
|
コンサルジェント代表の樋笠です。数多くの企業が実施している「社内研修」。社員をいかに上手に育成し、戦力化していくか。人材育成に課題のない企業はありません。
スポーツの世界では、名コーチや名監督が無名選手の能力を大きく開花させた事例がよくありますね。会社という“チーム”でも同じかもしれません。
マネジメントのうまい会社は、社内での先輩によるOJTや、優秀な社外講師やコーチをうまく使って、社員の能力を開花させています。次々と新しいエースを生み出す土壌がある会社です。
逆に、人材育成の意識が低い会社は、社員が希望するような教育のチャンスを与えられません。すると人が伸びず、最悪、どんどん人が辞めていくという悪循環に陥っていることでしょう。
私は昔、求人関係の仕事をしてましたが、人材投資をしない会社は伸びない、というのが定説でした。
|
■会社によって最適な講師は違う |
|
当社は日頃、コンサルティング同様、研修講師のマッチングも行っていますが、最近とくに強く感じることがあります。
それは、企業それぞれが経営理念、事業内容、規模、歴史が違うように、必要最適な研修講師も、企業によって違うということです。例えば、同じ『営業研修』を行う場合でも、
○一般消費者が対象か、法人が対象か、
○業界知識や商品知識が求められるかどうか、
○受講対象である営業スタッフの年齢や経験は、
○メンタルやマインドを重視するか、スキル取得を重視するか、
○会社としての“目的”や“成果”をどこに置くか、
といった前提条件で、まったく講師選びの方向性が変わってくると思います。
講師が変われば、成果も変わります。また当然、人間が行うものですから、会社の社風・特徴と講師のキャラクターがうまく相性が合うかという側面も重要です。
流行のテーマだからといって、売り手側(研修会社)の一方的な研修メニューを、自社に合うかを見極めず導入するような愚は避けるべきだと思います。
|
■問われる研修の効果 |
|
もうひとつ強く感じるのは、研修がいったいどんな“効果”を生み出すのかを、企業側がますますシビアに考えているということです。時々、クライアント企業から、このような話をお聞きします。
『数多くの研修講師を使ってきたが、もうお仕着せの研修メニューでは、面白くないし、興味がわかない』
|
『自社の事情や置かれている状況を、事前によく理解してもらったうえで、研修内容を提案して欲しい。例えば事例などに現実とのズレが大きいと、受講者の気持ちにギャップが生まれて効果が期待できない』
|
『研修が本当に成果をあげたかどうか、効果測定を行うにはどうすればいいか』
|
ひと昔まえのように、恒例行事として“無難な研修”をこなすような会社は、どんどん減っているのでしょうね。正直な話、ワンパターンの研修を繰り返したほうが、講師にとってはラクです。手離れのよい仕事です。反面、企業ごとの特徴にあわせてカスタマイズするのは、難しく骨の折れる作業です。
しかし、万病に効く薬などないように、すべての企業にそのまま効果のある研修メニューなど私はありえないと思っています。研修講師にとっては受難の時代?かもしれませんが、事前準備に時間を惜しまず、高い評価を得ている実力ある講師にとっては、まさに真価が発揮できるチャンスではないでしょうか。
また効果測定をしっかり行ったり、受講者の評価にしっかりと向き合っている講師は、更にどんどん新しい気づきを得て、より優れた講師へと成長していっているはずです。
|
■よい研修講師の選び方 |
|
よい研修講師を選ぶことは、どんな研修講師が自社にとって良いのかを考えることです。
自社にとってよい研修とは?どんな成果を求めたいのか?現状と理想の姿の間には何が(マインド・スキル)必要なのか?持続的に効果を上げていくにはどうすれば良いのか?
基本的な講師としての話し方、コミュニケーション能力、研修内容はもちろん大事ですが、こういった自社の考え方を、しっかり研修講師に伝えて、提案をしてもらうことがきわめて大事だと思います。
たとえ優秀な研修講師であっても、使い方(依頼のしかた)が不十分なら、成果もやはり半減します。
みなさんが日頃、人材採用に力をいれていらっしゃるように、優秀な講師を探すことにも、今まで以上の時間と手間隙をかけてみてはいかがでしょうか。
最高のコーチによって、最高の人材、会社のエースが育つ。そんな理想のような夢物語を、大真面目に、真剣に考えてみる価値はあると思います。
今月は、このへんで。また次回お会いしましょう。
|
《今日のつぶやき》
ひどい大雨が続いていましたが、ようやく梅雨明けのきざしですね。昨日は海辺近くのクライアントへ訪問し、ヨットハーバーの砂浜でうごめくカニを眺めながら、少しだけ夏の気分を味わいました。(ひがさ)
|
■関連情報
コンサルジェントが書籍で紹介されました!
『起業家を続々と輩出するリクルート式仕事術』
著者:荒井 裕之 出版社:ぱる出版(2005/12発行)
過去にコンサルタントに関するコラムを寄稿しています。よろしかったらこちらもご覧下さい。
「失敗しないコンサルタント利用の秘訣」@IT
情報マネジメント
「コンサルタント業を目指すには」All
about Japan フリーランス
|
■バックナンバー 一覧に戻る |