※『コンサルタント紹介業』という少し変わったビジネスの話を毎月1回 お届けしていきます
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《今回のテーマ》 『良い研修講師を選ぶために』
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コンサルジェント代表の樋笠です。先日、ある企業のご担当者から、こんな話を聞きました。
『この前、A社に若手社員の研修、B社に管理職の研修を別々に提案してもらったんだけどね。ふたを開けてみると、両方ともまったく同じ講師が提案されてて。
本当にビックリしたよ・・・』
聞けば、研修内容はもちろんですが、値段も全然違ったそうです。
この話、業界のプロが聞けば「ありそう」と思っていただけるはずでしょうね。
もちろん実話です。
優秀な講師は、さまざまな研修会社の契約講師として活躍している場合が多いのです。
ですから、別々の研修会社から提案を受けて「まったく同じ講師」ということも十分有り得るのです(それだけその講師が優秀だったことは間違いありませんね)。
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■研修で社員は変わるのか |
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良い研修は、良い本(ビジネス書)と似ていると思います。
もちろんその内容(コンテンツ)は、講師の力量次第です。
本を読んだからといって、すぐ、劇的な効果が現れることは確かに少ないでしょうが、良書には、なるほど!という気づきや、やはりそうだったか・・・という再認識や、こんな考え方もあるのか、という新しい発見や、ぜひ自分も実行してみたい!と思わせるものがあると思います。
良い研修も、同じような効果があると思います。
また良い研修を受けると、良い本と読んだ時のようにワクワク興奮しますね。
「1日くらいの研修で社員が変われば苦労しないよ」という意見も確かにもっともでしょう。ありきたりの研修では、社員はそう簡単に影響されないでしょうし、やらされ感が先立つかもしれません。
しかし良い本に考え方が影響されて、新しい行動のきっかけになるように、良い研修には十分社員を変える可能性があります。
ですから、良い本に出会うように、自社の事情に合った優秀な講師を、なるべく多くの情報の中から探す努力を惜しむべきではないと感じます。
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■良い研修講師と出会うために |
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例えば大手企業にはいろんな研修会社の営業が入っており、提案されるメニューに困ることはないようです。
また、対応がしっかりしている研修会社の担当者に任せてしまえば、段取りを含めてスムーズに進むという事実もあります。ただ、以下のような困りごとも時々あると聞きます。
(1)予算が限られている場合、価格の合う講師を探すのが難しい。とくに相場(1日20〜30万円)以下では人選が困難 |
(2)急な依頼をせざるを得ない場合、なかなか探すのが難しい |
(3)新入社員研修など、ピーク時に、日程の合う良い講師を探すのが難しい |
(4)一般的な階層別研修などでなく、特殊な業界テーマの講師を探すのが難しい |
(5)同じ研修会社と付き合っているが、新しい情報も欲しい |
良い研修講師は、当然、大手企業の契約講師にもいますが、小さな会社にも優れた講師がいます。
本当に、いま行っている研修がこれで良いのか?いつも自問自答をされているかと思いますが、新しい講師を積極的に探してみることも必要かもしれません。一方で、中小企業にとっては、事情は大手とかなり違います。
(1)教育研修の必要性は感じるが、やっていない
(2)集合型研修に社員を参加させているが、効果がわからない
(3)研修会社が営業に来ないので、選べるだけの情報や選択基準がない
(4)予算の制約があり、できれば可能な限りコストを抑えたい
こういった会社が多いように実感します。ただし、研修テーマと予算さえ見合えば、自社の事情に合った優秀な研修講師に頼みたいというのが本音でしょう。
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■講師も、良い会社と出会いたいのが本音 |
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一方で、講師側は、なるべく自分が必要とされる会社に、継続してお付き合いをしていき、着実に人材育成の効果を上げたいという思いを常に持っています。
例えば研修講師として独立開業した場合、なかなかそんな企業を簡単に探すことはできません。企業との出会いの接点をつくることは、開業したての講師ばかりでなく、ベテラン講師にも共通する永遠のテーマです。
そのため、冒頭のように、大手の研修会社に登録したり、商工会議所や大手新聞社などが主催のセミナー講師として売り込んだり、さまざまな努力を行っています。
また当然、研修の内容をレベルアップしていくために、自己投資をして勉強したり、効果測定をしっかり行ったり、とプロとしての取り組みを行っているはずです。
講師選びは、ブランドや看板やキャリアだけでなく、どれだけ熱心に対応してくれるかが、どれだけプロとしての姿勢を備えているかが、大きなポイントになるものです。
たとえベテランでも手抜きをしたり、自分の持ち芸のワンパターンで押し通す成長意欲のない講師よりも、キャリアは浅くとも熱心に企業側の事情や要望を汲み取ってプログラムを考えて、実施し、フォローしてくれる講師のほうが、企業にとって何倍も価値があるはずです。
そんなやる気のある研修講師と、講師を探す企業や研修会社が、もっと簡単に、スグに、ダイレクトにやりとりができれば、というのがいまの私の最大の関心事です。
今月は、このへんで。また次回お会いしましょう。
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《今日のつぶやき》
当社にとって約3年ぶりに企画した新サイト「研修堂」がこの8月お盆明けにオープンしました。
研修現場の実務に役立つように考えて設計しましたが、まだまだ改善すべき点が多いと思います。ぜひそういったご意見をお寄せいただけると非常にありがたいです。また、ぜひユーザー登録(無料)、よろしくお願いします!(樋笠)
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■関連情報
コンサルジェントが書籍で紹介されました!
『起業家を続々と輩出するリクルート式仕事術』
著者:荒井 裕之 出版社:ぱる出版(2005/12発行)
過去にコンサルタントに関するコラムを寄稿しています。よろしかったらこちらもご覧下さい。
「失敗しないコンサルタント利用の秘訣」@IT
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