※『コンサルタント紹介業』という少し変わったビジネスの話を毎月1回 お届けしていきます |
《今回のテーマ》 『事業計画は作ったあとが本当の勝負』
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■中途半端に終わる事業計画 |
年度のスタートに、多くの会社が事業計画(年度の経営計画)を発表します。私もコンサルタントだった時代に、多くの事業計画に携わってきました。
書店に行けば、事業計画の作り方といった指南書がたくさん並んでいますし、PLAN−DO−CHECK−ACTIONの最初にあたる事業計画づくりには、数ヶ月の期間と相当な人的パワーを注ぐ
会社が多いと感じています。
ところが残念ながら、せっかく様々なリサーチを行い、検討を重ねて完成した事業計画書が、実行段階で十二分に活用されるケースは、意外にも少ないと想像しています。
その理由として現実に見られるのが、
1.計画作りで満足してしまう、燃え尽き(?)症候群
2.気合いで立てた数値目標に、そもそも裏づけが乏しい
3.実行する現場の意識や行動が従来のまま変わっていない
4.テーマが実行段階のレベルまで具体的に落とし込まれていない
5.チェック機能の欠如、チェックのサイクルが守られていない
などが代表的だと思います。
その結果、あれほどまで熱くなって作り上げた事業計画が、半年も経たないうちに実質頓挫し、誰も振り返らなくなってしまう・・・といった悲劇が繰り返されるのです。
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■実行段階にこそ、コンサルタントの利用価値がある |
業計画の作成段階で、経営コンサルタントが関与するのは非常によくある一般的なケースです。
しかし、せっかくの事業計画がうまく活かせていない会社には、私はあえて、こう提案したいのです。
「実行段階、チェック段階で使ったほうが、数倍効果的です」と。
もちろん根拠があって申し上げているのです。
(根拠1)
実行段階のハードルが一番高い。難易度の高い部分にこそプロを使うべきである。
(根拠2)
実行段階では数字としての結果がリアルにでてくる。結果が問われるシビアな場面にこそプロを使うべきである。
(根拠3)
社員のメンバーは、高い目標を乗り越えていく経験を通じて最も成長する。その貴重な経験を積む現場にこそプロを使うべきである。
(根拠4)
新しい取り組み(新規事業・新分野)をスピーディーに効率よく展開するには、プロの知恵や経験を使うべきである。
(根拠5)
チェック機能は、内部に任せるよりは外部のプロから厳しく評価を受けるほうが緊張感があり、チェックの効果が高い。
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■少ない予算でもコンサルタントを使える方法がある |
プロジェクトを組んでしっかりと時間と予算を使える会社は、がっちりと実行段階でプロを活用すれば良いと思います。その一方、今までコンサルタントなんて高くて使えそうにないなぁ、と思い込んでいる方にも、少ない予算でも効果的にコンサルタントを使えるポイントをお話したいと思います。
◎時間をかけさせない |
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コンサルタントの価格設定は、成果ベースでなく時間ベースが、まだまだ主流です(成果の定義・測定が難しいこと、時間=報酬の意識が根強いため)。それを逆手にとって、コンサルタントに対面時間以外は極力時間を使わせないようコントロールできれば、けっこう非常識なレベルの金額での交渉・契約が可能です。
そのためには、移動時間の少ない近場のコンサルタントを選ぶ、会社側の資料に目を通してもらうだけで事前準備はOK、現場ではその場での判断・コメントやアドバイスができることに限定して密度を濃く時間を使うイメージです。例えば、「4時間しか使わない。残業一切なし」と決めれば良いのです。 |
◎チェックに使う |
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社外取締役が役員会で議論に参加したり意見を述べるように、事業計画の定期チェックの場に限定して使うという方法があります。またテーマによっては、例えば営業部門の外部マネージャーを雇っているような感覚で、月次ミーティングのみに参加を要請するという使い方もできます。とくに社内のマネージャークラスの人材がまだ十分に育っていない、という会社には効果抜群です。 |
◎社長のアドバイザーに使う |
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大勢のメンバーが関わる案件よりも、社長や役員のアドバイザーなどの役割に限定したほうが、時間がかかりません。また、そもそも従業員が少ない会社なら、そういった役割のほうがより現実的だという場合が多いでしょう。 |
◎長期・継続・安定取引 |
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仕事を受ける側にとっては、スポットの仕事よりも、たとえ小額でも長期に継続して安定的なクライアントは魅力的です。その心理をうまく引き出して、軌道に乗って効果的であれば2年、3年と依頼する意志があることを伝えます。また依頼の金額・領域も拡大していく可能性があれば、よりやる気になります。 |
◎適任者を選ぶ |
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これまで述べてきた全てに共通する前提条件は「適任者を選ぶ」ということに尽きます。間違った人選をすると、時間とお金の浪費になってしまいます。事情に通じており理解力の高い人ならすぐに答えがでることでも、使えない人が関わると時間がかかる、間違った方向に進んでしまう、他人の時間を奪う、といった弊害も出かねません。
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■使える経営資源は、社内だけに限らない |
私は仕事柄、いつもコンサルタントの導入を推進する立場でお話をしていますが、「コンサルタントは高くつく」といった誤解や先入観にとらわれている人も、まだまだいるなぁと感じています。
確かに、誤解を恐れずに言えば、コンサルタント会社の中には、
「取れるだけ取ってやろう」
「相手の懐具合を見て、値段を決めよう」
「何人も、何十時間分も投入して、チャージを上げよう」
という発想のところもあったかもしれません。
私は100社のうち1社だけがコンサルタントに1000万円使うような状況でなく、100社のうち20社がコンサルタントに50万円づつ使うほうが望ましい姿ではないかと思っています。
一部の企業しか使わない高額なサービスでなく、たとえ小額でも多くの企業が(とくに中小企業や成長途上のベンチャー企業などが)どんどん活用するほうが、企業活動全体に大きなプラスの影響を与
えるのではないでしょうか。
事業計画は、程度の差こそあれ、どんな会社にもあります。
これを実行していく段階では、想定外だった事が起こったり、急激な市場環境の変化にさらされたり、主力社員が退職したり、また、計画そのものが十分に機能しなかったり、チェックされなかったり、ということが起こりうるでしょう。
社内の手持ちのリソースだけでなく、社外にも使えるカードがあることを、ちょっとだけ覚えておいて戴ければ・・・と思います。
それでは、このへんで。また来月、お会いしましょう! |
■関連情報
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著者:荒井 裕之 出版社:ぱる出版(2005/12発行)
過去にコンサルタントに関するコラムを寄稿しています。よろしかったらこちらもご覧下さい。
「失敗しないコンサルタント利用の秘訣」@IT
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「コンサルタント業を目指すには」All
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