※『コンサルタント紹介業』という少し変わったビジネスの話を毎月1回 お届けしていきます |
《今回のテーマ》 『コンサルタントを選ぶかんたんな基準』
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当社でコンサルタントをご紹介するお客様から、ときどき、
「コンサルタントはどういう基準で選んだら良いのか?」
という質問を戴きます。
お客様やテーマによっても違ってくると思いますが、これだけは外せない、という必要条件があると、私は思っています。
今回は、基本に帰って、コンサルタントを選ぶ5つの基準についてかんたんに判断する方法をお話をしたいと思います。
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■第1条件 |
【人として好感がもてるか?相性はあうか?】
当たり前すぎて「なにそれ?」と思われたかもしれませんね。すみません。しかし現実には、こういった理屈を超えた「好き嫌い、相性」が、最も基本的な基準になります。
好き、相性がいい、と感じるコンサルタントには、
・何でも腹を割って相談できる
・信頼している、それが相手に伝わる
・コミュニケーションがスムーズ
・余計な時間をかけずに素早く課題に取り組める
という好循環のサイクルに進んできます。これが逆に嫌いなら、どういう結果になるかは・・・言うまでもありませんね。
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■第2条件 |
【びびっとひらめきがあるか?絵が見えてくるか?】
なんだか抽象的で、すみません。自分が求めているコンサルタントに出会うと、会話の中で、すでにどんどんヒントになるようなアイデアや事例がポンポンと出てくるものです。
こういったコミュニケーションの中で「なるほど!」と納得したり、「そうか!」と思い至ったり、「こうすれば良いのか!」と考えが整理されたりすることが非常に多い。
これが、自分にとって相性の良い、優秀なコンサルタントに出会ったときの感じです。
ビフォー・アフターでいう「アフターの絵」が鮮明に見えれば、素晴らしいですね。
1時間も会話していて、何のインスピレーションもヒントも得られないコンサルタントは、これを3時間、10時間と繰り返しても、ほぼ印象は変わらないと思います。
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■第3条件 |
【目的に合った能力・経験・スキル・情報があるか?】
コンサルタントを雇ってみようという動機には、これを解決したいという明確な経営課題が必ずあります。その目的に対して、役に立つかどうか、を冷静に、突き詰めて考えてみることは非常に本質的で大事なことです。
社員を雇うのとは違い、必要な部分だけを買う、という発想がコンサルタントでは大いに有り得るのです。ただ注意として、この部分で間違えることは少ない、と思ったら、実はそうでもないのです。
専門家と思って契約したら、大したことなかった。
ノウハウを持っていると思ったが、実際には役に立たなかった。
こういう間違いというか「思い違い」が、意外と多いのです。昔のようにコンサルタントが「先生」と呼ばれていたような時代と違い、いまや企業経営に関する情報が溢れ、また素早く流布していますので、くれぐれも「能力・経験・スキル・情報」のレベルを十分に吟味してください。
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■第4条件 |
【費用対効果(コストパフォーマンス)が高いか?】
当たり前の経済行為として、支払う金額と、得られる対価を、冷静に較べて下さい。
果たして「お買い得」なのか、「高い買い物」なのか。
世間相場はこうだから、他社はみなこうだから、という固定観念に惑わされないように、自社にとって費用に見合う価値があるかどうか、見極めてください。
残念ながらコンサルティング会社の中には、クライアントの事情や支払可能な予算には驚くほど無関心で、自社の利益にしか関心がない、というところもあります。
また注意が必要な点として、同じ費用なら時間が多いほうが得、と単純に「時間=費用」だけを尺度にすると、効率・パフォーマンスが悪くなる場合もあります。
時間は短くとも、的確で、仕事が早いところに頼んだほうが、会社にとってもプラスになることが多いと感じます。
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■第5条件 |
【プロとして誠実かつ、責任感、貢献意欲が高いか?】
お金を貰ってサービスを提供して価値を提供するプロとして、誠実な姿勢をもっているか。しっかりと責任感があるか。役に立とうという貢献意欲があるか。ここを外せば、大変なことになります。
・ビジネスマナーが欠落している。
・期待通りの仕事をしない。
・約束を守らない。
・何かにつけてお金を要求する。
・クレーム(要望)に対して、勝手な言い訳する。
・プライドが高く、批判に対してキレる。
・責任転嫁する。
・逃げる。
やっかいなことに、こういったひどい資質のコンサルタントも実際にいるものです。
また、こういったひどいコンサルタントの中には“世間にはインチキなコンサルタントが多い。私は本物”と堂々と宣伝している人もいます(腰がくだけそうになりました)。
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■まとめ |
コンサルタントを選ぶかんたんな5つの基準。
これに点数をつけて、判断してみてはいかがでしょうか?
1.非常にそう思う=20点
2.多少はそう思う=10点
3.全くそう思えない=0点
ざっくり言って70点以上ならGo!50点以下なら見送りです。
できれば20点の項目が3つ以上欲しいところですね。
さて、この5つの条件には「ドボン」があります。
つまり、他の点数がいくら良くても、これが0点なら絶対にダメという条件が・・・。 賢明な読者のみなさんなら、もうお分かりですね?
今回はこのへんで。
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■関連情報
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著者:荒井 裕之 出版社:ぱる出版(2005/12発行)
過去にコンサルタントに関するコラムを寄稿しています。よろしかったらこちらもご覧下さい。
「失敗しないコンサルタント利用の秘訣」@IT
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