※『コンサルタント紹介業』という少し変わったビジネスの話を毎月1回 お届けしていきます |
《今回のテーマ》 『中小企業のコスト感』
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ご存じの通り、日本の会社の90%以上は中小零細企業ですので、弊社に相談をしてくるお客様も7割以上は中小零細企業になります。
お客様の企業名一覧を見ても、それまで名前も聞いたことがない会社が圧倒的に多いです。
我ながら「よくビジネスになっているなぁ」と感心したりしますが、まだまだ氷山の一角で、世の中にはもっと多く企業が様々な課題に直面し、その解決策を探していると思います。
そういった企業にとって、コンサルタントの活用はひとつの有力な手段であるのですが、浸透していないのも現実です。
その最大の理由は間違いなく「コスト」でしょう。
今回はそのコストについて書いてみたいと思います。
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■業界の相場 |
弊社にご登録いただいている方のコンサルティングフィーを見てみると、平均レンジは10〜30万/日くらいになります。中堅ファームだと20〜50万/日くらい。
IT業界などでは月200万くらいになりますが、日に直せば10万ですのでまぁ似たようのものです。
しかも、期間内はある程度の日数を当てるので総額は大きくなります。
ちなみに外資系ファームでは億単位の契約をするそうですが、日当換算すると一体どのくらいの額になるのでしょうか??
いずれにしてもサラリーマンの日当とは比べ物になりませんが、それくらいの報酬をもらうことがある種の常識というか基準になっています。
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■なぜ高いかというと(推測も含む) |
経営者でなくても1日15万と聞いたら「高い」と思うのが普通の感覚だと思います。
私なんかは日当1万円のバイトがあればよろこんでやりますね(笑)
話を戻して、コンサルタント側からの意見としては
・ノウハウへの対価
・社員雇用と比較した場合の手軽さ
・訪問以外の作業分
といった事項が「一般より高い報酬」の理由になります。
また、コンサルティング会社の経営という視点から見てみると
・月の平均稼働日数
・固定費や販促費
・値引きのバッファ
などから逆算すると、経営を維持するのにそのくらいの金額が必要になるのかもしれません。
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■一方、雇う側からすると |
仮に10万円でも20日勤務だと月収200万、上場企業の役員級の額になります。
しかも役員には責任が発生しますが、コンサルタントには原則責任はないので、より一層割高に感じるでしょう(せいぜい契約を解除されるだけです)。
その投資以上に成果が出るのなら喜んで払うでしょうが、成果が出るかどうかはやってみないとわからないので、コンサル費用の捻出が難しい中小企業からしてみれば二の足を踏むのは当然です。
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ミスマッチが解消されれば |
ということで、コスト面では完全にミスマッチが発生しており、多くの需要が潜在化したままとなっています。コンサルタントも中小企業だけをお客さんとして食べていけるのは少数派で、どうしても大手を向きがちになってしまいます。
「需要側と供給側との金額面でのミスマッチ」が解消されない限り、中小企業にとってはいつまでも割高な(もしくはリスクの高い)サービスとなってしまいます。
では、どのくらいが費用感として適切なのでしょうか?
これまでのマッチング経験から申せば「日当2〜3万」くらいでしょう。
商談で予算をお聞きするとそのくらいの金額を言われる経営者も多く、現時点ではビジネスとして成立しないものの、そこまで下がれば業界が変わるような気がします。
何が正解かはわかりませんが、そんなことを考えている今日この頃。
それではまた来月、お会いしましょう!
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過去にコンサルタントに関するコラムを寄稿しています。よろしかったらこちらもご覧下さい。
「失敗しないコンサルタント利用の秘訣」@IT
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