※『コンサルタント紹介業』という少し変わったビジネスの話を毎月1回 お届けしていきます |
《今回のテーマ》 『自信と成功報酬』 |
こんにちは!エージェント事業責任者の小林です。
1月は例年ゆったりした感じなのですが、今年はなぜかバタバタしております。
そして年始に考えた目標もすっかり忘却の彼方へ・・・
こうやって年をとっていくんだろうなぁとしみじみ思います(苦笑)
さて、新年1発目のテーマは「自信と成功報酬」について。
これだけではほとんどの人が“?”でしょうから、簡単に補足しますと、昨年末に続けて以下のようなお問い合わせをいただきました。
コンサルタントは成果を上げるのが仕事。
だから、報酬は成功報酬で然るべき。
成功報酬で受けられないのは自信がないからだ。
このご意見について書いてみます。
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■業界の現状 |
成功報酬については一部の領域では採用されているものの、総数としてはまだ少数派なことは前回のコラムでも書きました。
コンサルタント料は「単価×工数」で算出されるのが一般的で、ほとんどのコンサルタントはこの報酬体系を取っています。
一方で、成功報酬が取り入れられている分野としては
・資金調達
・M&A
・インターネット関係
があります。
比較的成果が明確で成功報酬の設定がしやすかったり、金融系では昔からその体系が取られているという事情があります。
コンサルタントの多くは「ノウハウ提供」が主業務で、実務の請負ではない、つまり
「そのノウハウを使って成果を出すのは依頼主」というのが基本な関係です。
成果が出たとしたらそれは「依頼主の努力のおかげ」になるので、成功報酬は受け取らないということになります。
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■依頼主の主体性が大前提 |
当社では様々な企業のご支援をさせていただいておりますが、成功報酬という話はほとんど受けたことがありません。もちろん問い合わせは少なからずありますが、合意に至ることは稀です。
それはなぜか?
私は「ビジネスに対して主体的が原因」だと思っています。
主体的な方は失敗してもあくまで自分のせい。そしてその失敗から次の打ち手を考えます。
コンサルタントの使い方も任せっきりではなく、方向性が違っていたら直しますし、気に入らなければ契約解除もします。
逆に成功報酬型を希望される企業には、どことなく「コンサルタントが成果を出してくれる」という依存心を感じるのです。
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■自信がないから受けないのか |
さて、冒頭で書いたコメントについてですが、
自信がある人=成功報酬型
自信がない人=単価×工数
という主張になります。
ここで重要なのが「誰がやるのか」ということです。
「自分達でやるからノウハウを教えて欲しい」
「報酬は成功したらお支払する」
という話なら十分あり得ると思います。
しかしながら成功報酬を希望する企業は「やってくれ」というタイプが多いのです。
ノウハウ+役務の提供となると話は変わってきます。役務の提供なのでそこには人件費が発生します。
この人件費は成果とは関係ありません。誰かがやらなければならないのですから。
このあたりの意識が抜けて、「成果を出すのがコンサルタント」という主張をしても説得力に欠けます。
それなら「金がないからうまくいったら払う」と言ってもらう方がよっぽどスッキリします(笑)
「自信があるなら成功報酬」という意見は一理あると思います。
が、一方的な主張では納得は得られないでしょう。
・誰がやるのか?
・出た利益のどのくらいを支払う意思があるのか?
までキチンと考えた上でオファーをしないと、リスクはわかるがリターンがわからないので、大抵の人は「割が合わない」という判断をするでしょう。
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■それでも成功報酬型は増える |
ただ、この先は成功報酬型は増えてくると思っています。
現在は移行期なので、条件設定が旧来の方式をベースに考えられてしまいがちですが、徐々にスタンダードができるのではないでしょうか?
振り返ってみると2008年にも成功報酬をテーマにしたコラムを書いていましたが、あれから2年半経っても大きな変化はありませんでした(笑)
さて、この先2年半後はどうなっているか?
楽しみです!
ではまた来月にお会いしましょう!
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過去にコンサルタントに関するコラムを寄稿しています。よろしかったらこちらもご覧下さい。
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