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◇◆◇ 経営革新!50人のコンサルが語る事業成功の秘訣 ◇
◆◇ 第009号【02/04/24】 ◇◆
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<今週のコンテンツ>
1.『労働時間を基準にした利益管理の指標』 森 昭彦
2.事業創造・起業セミナーのお知らせ
【人生の夢を大切にして自分で生きるための経営ノウハウ】
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<今週のコンサルタント>
森 昭彦(もり あきひこ)
もりシステムコンサルティングオフィス代表
システム・コンサルタント
1961(昭和36)年生まれ。大学卒業後、産業用機械の販売会社に18
年間在籍し、製品品質管理、製品修理、システム設計、営業支援、業
務管理、情報システム構築、情報戦略作成・進行、経営企画等の業
務に従事後、2002年1月に独立。保有資格は、上級システムアドミニ
ストレータ、中小企業診断士、システムアナリストなど。
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<今週のテーマ>
『労働時間を基準にした利益管理の指標』
〜利益管理の指標〜
■皆さんの会社では利益管理にどのような指標を使っていますか?
企業のホームページなどで公開されている代表的な経営目標とし
ては「ROE(株主資本利益率)」や「ROA(総資本利益率)」
などがあります。
■これらは、いかにうまく資本を運用しているかという資本効率を
示す指標であり、投資家の視点を強く意識した指標です。これに対
して内部の経営効率を見る指標として、「社員一人当たりの利益」
を指標にしている企業が特に欧米で増えています。
これは売上重視で膨れ上がった組織を反省した企業が、組織のス
リム化を実行しながら利益の確保を管理するといった場合に使わ
れる指標です。
■この「社員一人当たりの利益」はとても有効な指標ですが一つ問
題が生じています。それは最近になって社員の定義があいまいにな
ってきている点です。
■収益に連動して人件費を調節することができるように、多くの企
業がいわゆる人件費の流動費化に取り組んでいます。
そのための手段はパート社員、派遣社員、アウトソーサーの活用と
いうことになるのですが、これらの労働力をどのような形で指標に取
り入れるかという点が充分には検討されていません。
■社員の概念が大きく変わっている中で、今後もさまざまな人事政
策が進められていくでしょう。そのために人事政策の前後で共通に
使える指標が求められているのです。
〜労働時間を基準にした利益管理の指標〜
「総基準労働時間当たりの営業利益」という指標をご紹介します。
営業利益
・総基準労働時間当たりの営業利益 = ───────
総基準労働時間
■この指標の計算式は上記のとおりで非常に単純です。
総基準労働時間は、パート社員を含む雇用社員の基準労働時間の
合計です。派遣社員や外部に委託した労働力については、掛かった
コストが営業利益の減少につながっているため、総基準労働時間に
は含めません。
また時間外の労働時間についてもその分の手当てが支払われ営業
利益の減少につながるため、総基準労働時間には含みません。
少しわかりにくいと思いますので、数字を当てはめてみましょう。
(1)元の状態
・営業利益=売上−経費=600−400=200(万円)
・総基準労働時間=
フルタイム社員数×フルタイム社員の基準労働時間
+パート社員数×パート社員の基準労働時間
=4×150+4×50=800(時間)
・総基準労働時間当たりの営業利益=2,000,000/800=2,500(円)
(2)退職した間接部門の社員の業務を外部に委託した場合
社員に掛かっていたコストと外部委託コストの差額が分子の営業
利益の増減につながりますので、
・社員に掛かっていたコスト=1,000,000(円)
・業務委託コスト=1,200,000(円)
とすると、計算上の営業利益は20万円下がってしまいます。
・営業利益=200−20=180(万円)
また、フルタイム社員が一人減りますので、
・総基準労働時間
=3×150+4×50=650(時間)
従って、
・総基準労働時間当たりの営業利益=1,800,000/650=2,769(円)
■このように、営業利益が減っても指標の数値は上がる場合もあり
ます。利益の変化ではなく、指標の変化を見ることによって、企業
の経営効率が上がったととらえることができるのです。
(3) 退職した直接部門の社員の業務を外部に委託した場合退職した
社員が営業利益を生み出していた場合には、もう少し影響がややこ
しくなります。
社員に掛かっていたコストと外部委託コストは同じ額で、売上が50万
円下がったとすると、計算上の営業利益は50万円下がってしまいま
す。
・営業利益=200−50=150(万円)
また、(2)と同様にフルタイム社員が一人減りますので、
・総基準労働時間=3×150+4×50=650(時間)
従って、
総基準労働時間当たりの営業利益=1,500,000/650=2,307(円)
■このように社員が退職することによって指標が下がってしまう場
合もあります。
(2)と(3)の違いを数値で比較できることが、この指標の意義です。
この指標によって雇用形態の変化にとらわれることなく組織の経営
効率を管理することができるのです。
〜タイムレバレッジ効果〜
■またこの指標は、間接業務を外部委託し販売部門を強化するとい
った場合の経済的効果の予測にも使うことができます。
現在の指標の数値が時間当たりの外部委託費用よりも高い場合、
営業効率をキープすることができるならば、外部の力を利用するこ
とが指標の上昇につながります。私はこれをタイムレバレッジ効果
と呼んでいます。
■財務レバレッジ効果という言葉を聞いたことがあるでしょうか?
これは、高度成長期の利益率が借り入れ利息率を上回っていた時
代に、借り入れを増やすほど利益が増えていく状況を示していました。
レバレッジとは「てこ」のことです。借り入れがてこになって利益を増
やしていたのです。同様にタイムレバレッジ効果がプラスに働いてい
る状態とは、外部を力の利用することによって経営効率が向上する
状態を示します。
外部の力がてこになって経営効率を向上することができるのです。
■以上、文字で読むとややこしく感じるでしょうが、「総基準労働
時間当たりの営業利益」はきわめて単純な指標です。ここでは少し
でもその意義を感じて頂ければ幸いです。
「時は金なり」、昔から言われてきたことです。タイムマネジメントは、
「時間が利益に変わっている」かを把握するための管理手法です。
■メール・マガジンで管理手法の内容を理解して頂くことは難しい
のですが、他にタイム・ポートフォリオ・マネジメント(TPPM)やタ
イムコントロール手法などの独自手法を研究しています。機会が
あればその概要をご紹介していきたいと思います。
<私のお勧めビジネス書>
『ビジョナリーカンパニー2 飛躍の法則』
著者:
ジェームズ・C・コリンズ 出版社:日経BP社
偉大な企業に変革するための成功の法則を、実証的な研究によって
洗い出し紹介しています。所属する(もしくは経営する)企業を、そし
て自分自身を見直すきっかけになる1冊です。
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★★編集後記★★
先週号でコンサルタント湯浅哲彦氏のプロフィールに誤りがありま
した。(誤)1975年生まれ→(正)1957年生まれ です。
不正確な情報発信となってしまい、謹んでお詫び申し上げます。
読者の皆様方からもご指摘を頂き、ありがとうございましたm(__)m
さて、今週号を執筆した森さんは、システムコンサルタントながら
専門用語を多用しない、分かりやすい語り口が特徴です。著作には
「メーリングリスト&メールマガジン活用法」編著・日本実業出版
社、「インターネット営業術」共著・PHP研究所、「図解サプラ
イチェーンマネジメント」共著・日本実業出版社、「よくわかるデ
ータウェアハウス」共著・日本実業出社、「図解でわかるビジネス
モデル特許」共著・JMAM、などがあり活動領域も多彩です。
来週号は、京都にオフィスを構えるコンサルタントの高橋美幸さん
を予定しています。専門は社員研修、サービス・CS向上等です。
また違った切り口のコラムになるかと思います。お楽しみに!
(ひがさ)
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★★セミナーのお知らせin大阪★★
弊社提携コンサルタントで当メルマガでも執筆いただいたビジテッ
ク東さん主催のセミナーです。連休明け・水曜日の夕方からですの
で、アフターファイブに、ぜひご参加ください!ご参考:バックナ
ンバー http://backno.mag2.com/reader/Back?id=0000085773
【テーマ】
事業創造・起業セミナー
「人生の夢を大切にして自分で生きるための経営ノウハウ」
【日時】
5月8日(水) 午後6:00〜午後8:30(2時間半)
【会場】
大阪産業創造館6階 研修セミナールーム A/B室
(地下鉄 堺筋本町駅 下車 徒歩10分)
【内容】
1.人生の目的設定と事業創造・起業の着眼点、そのリスク管理
2.事業経営で必要な財務経理の知識・ノウハウと営業の仕方
3.事業創造における戦略の重要性と行動面での対応の仕方
【講師プロフィール】
東 一夫(ひがしかずお)
現在、ビジテック株式会社と有限会社経営企画コンサルティング
の2社を経営。社員は僅かだが効率経営を指向。「人を愛し人の
ために生きる。」を理念として「明るく、楽しく、朗らかに」を
モットーに自分の人生の目標に向かって事業推進。NEC・国際事業、
シティバンク・法人営業、三和総研・経営コンサルタントを経て
1997年4月独立。関西大学工学部、ミシガン州立大学MBA卒業。
【参加料】
3,800円 (消費税含む)
【お申し込み・問い合わせ】
ビジテック株式会社 研修担当 水口宛て
〔FAX連絡先〕06−6495−3152
〔Eメール連絡先〕mizuguchi@busitech.co.jp
〔電話問合せ先〕06−6495−3151
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