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◇◆◇　経営革新！１００人のコンサルが語る事業成功の秘訣　　　◇
◆◇　　　　　　　　　　　　　第２１４号【05/05/24】　　　　　　　　　　◇◆
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《今回のCONTENTS》

１．『ブームに捉われない経営革新を！』　　　　　　横田　宏信

２．今週のコンサルタントインタビュー

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《今週のテーマ》


『ブームに捉われない経営革新を！』


数年前に一大ブームとなったサプライチェーン・マネジメント、今
や本も出なくなり、あまり話題にも上らなくなってきましたね。

大手企業がこぞって何十億円、何百億円とお金を使って巨大ＩＴシ
ステムを構築しようとしていたのが嘘のようです。

でも、その多くが事実上の失敗に終わってしまったようですね。ま
ったく、とんでもないお金の無駄遣いとしか言いようがありません。

世の中のブームに便乗して稼いでやろうというコンサルタントやシ
ステムインテグレーターやソフトウエア会社、そして便乗出世を目
論む顧客企業側の野心家たちの狂想曲だったんだなあ、あれは、と
いう感じです。

そもそもサプライチェーン・マネジメントは、市場に合わせて製品
やサービス等の商品を的確に供給して行きましょう、ということで
すから、市場も変れば商品もどんどん変る中、もうこれでいいとい
うことはないのです。

永遠の経営課題と言えます。ブームに乗ってどうこうという問題で
はありません。あの頃の数々の失敗例は、人間の邪心が生んだもの
（ちょっと大袈裟かも）ではないかと１人分析している次第です。

そんな中、不肖私メが手掛けたプロジェクトは、なんとか成功裡に
終わりましたね。ＮＨＫが特番で取り上げてくれたほどです。

番組の撮影の時には、私もお客様の制服と名札を付けて撮影用の擬
似会議に臨みましたが、結局そのシーンは放映ではカットされてい
ました（ツライ・・・）。

その会社は今や飛ぶ鳥を落とす勢いでして、まさにコンサル冥利に
尽きるというものです。

でも私がそのプロジェクトに入った時点では、ご他聞に漏れず大失
敗への道を歩んでいまして、崩壊寸前でした。

そこから何とか引き上げ切ったわけですが、その原動力は、古巣の
ソニーでの大成功経験とプライドだったと思います。

ソニーでは１９９０年に新しい仕組を稼動させたわけですが、ブー
ム到来が１９９８年頃でしたから、大変に早くやってしまったと言
えます。

もちろん、ソニーの中でも初でしたし、サプライチェーンなどとい
う言葉もなかった時代ですから、世界に先駆けた事例なんだと思い
ます。

やったことを煎じ詰めれば、約５ヶ月先１ヶ月分の販売量を確定し
て材料を買い始めるといったことを止めさせ、４週間後の１週間分
にした、ということなんですが、その後ソニー中に広まりましたし、
他の多くの企業がそれをターゲットとしてくださいました。

今でも思い出すのは、新しい仕組を稼動させてしばらくしてから、
工場の経理部長（イギリス人。新しい仕組はまずイギリスの工場で
スタートさせたました）が青い顔をしてすっ飛んで来たことですね。


　 「オマエ、一体何をした！倉庫が空っぽだし材料の注文は出てな
　 いじゃないか。それでキャッシュがどんどん余り始めているのは
　 いいんだが、これで本当に生産を続けられるのか？何か大きなミ
　 スをしたんじゃないのか？えーオマエ！」


いやはや、エライ剣幕でしたよ。

しかし結果としては、銀行からの借金が工場創設以来初めて完済
となり、売上も３年間で倍増しましたね。勢い余って、隣に倍の規
模の新工場さえ建ってしまいました。

ただ、私が帰国してしまってからは更なる仕組の進歩は全く無くな
ってしまったようで、今はビジネスの勢いは衰えてしまったと聞い
ています。

大企業の話はこれくらいにしておき、中小企業のお話をしましょう
か。実は私、ソニーを辞めた後の３年間、中小・零細企業専門のコ
ンサルティング事業をやっていました。

１，０００件以上は飛び込み営業かけてましたね。便利屋的になん
でもやってましたが、やはり中小・零細と言えども看板がないと仕
事をくれないんですよね、あたりまえですけど。

それで苦戦しましたね。コンサルティングなどという言葉もまだま
だ世の中で定着してませんでしたし。

ま、私の苦労話なんぞはどうだっていいのですが、逆に、今はコン
サルという言葉が定着し過ぎて、なんでもかんでも、誰でも彼でも
コンサルコンサルと言うようになってしまいましたが・・・。

それで、サプライチェーンについて大企業と中小企業とで何か違う
かというと、やはり何も違わないんですよね。

ただひたすらに、市場（顧客）の需要の変動に的確に付いていくこ
とだけを追求しなければならない点は、まったく同じです。

本来、とてもとても地味で継続的なものなんですよね、サプライチ
ェーンの改革は。単なる在庫減らしでもないですし、ＩＴシステム
を構築することでもありません。

現に、ソニーでの大成功の時には、ＩＴシステムなんて殆どいじっ
てませんもん。ＩＴシステムの外側で、業務を徹底的に凝縮するこ
とこそ肝要です。

下手にＩＴに頼った改革を進めようとすれば、本来は不要な業務が
山のようにシステムの中で固定化されてしまいます。

業務担当者が自分の仕事を守るために、これをやらかしてしまって
いる例は、枚挙に暇がありません。

というわけで、なにもサプライチェーンに限った話ではありません
が、一大ブームになるような経営革新手法などというものは、全て
眉唾です（キッパリ）！

経営革新というものは、地道に人間というものと真剣に向き合いな
がら進めていくものだと思います。

先のソニーの例も、私は執念に燃えながら周囲の人間の無理解に苦
しみながら仕込みに７年以上はかけましたし、ＮＨＫ特番の例も、
お客様側の事前の長期にわたる努力が既にあってこそだったと思い
ます。


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《今週のコンサルタント》
横田　宏信（よこた　ひろのぶ）
ソスピック株式会社　代表取締役

１９５８年生まれ。私の経歴などはご興味が湧くようでしたら、経
営堂サイトをご参照いただくとして、一言で言わしていただければ、
コンサルは「改革屋」でなければならず、私も多分その１人です。
黒子として頑張り、顧客企業のビジネスを通じて世の中を少しでも
良くできれば、と今でも青臭く仕事しています。ただ、コンサルと
いう言葉にはいまだに抵抗感がありますね。何かもっとこう泥臭い
言い方は無いものかと日夜考えてはいるのですが、これといった表
現にまだ辿り着けていません。どなたか、いいアイデアありました
ら、教えてください、是非！（あー、やっぱり自分を紹介するのっ
て、いまだに下手クソだ・・・）


《経営堂・詳細プロフィールはこちら》



《私のお勧めビジネス書》

『考える技術』

著者：大前　研一　出版社：講談社

大前さんも、間違いなく改革者なんだと思います。でなきゃ、損を
覚悟で都知事選なんか出たりしません。ビジネスでの本質は常にシ
ンプルで、かつ１つか２つしかない、と常におっしゃっておられる
ようですが、私も全く賛同いたします。是非、ご一読を！
こちら→　http://www.consulgent.co.jp/mag/book-amazon.htm

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《今週のコンサルタント・インタビュー》


●コンサルタントになったきっかけはなんですか？


ソニーに入って２年目から業務改善担当になったんですが、これが
無茶苦茶面白く、いわゆる病み付きになってしまったんですね。以
来、所属会社はともあれ、ずっとこの道一筋、早や２３年です。

もっとも、ソニー入社１年目の配属が部品受入検査部門だったので
すが、部品受入検査廃止の企画書を勝手に作って上司から「俺たち
の仕事を無くす気か？」って怒られてましたから、きっと生まれも
っての性分なんだと思いますね。

ちなみに、世の中は今どんどん部品受入検査を廃止する方向です。
検査なんかしなくてもどうすればもともと良いものを納入してもら
えるかに智恵を絞るようになってきている、ということですね。


●コンサルタントとして一番心掛けていることはなんですか？


本質に迫ることに執念を燃やしますね。そして、掴んだ本質をでき
るだけシンプルに表現するように心がけてます。文章は下手かもし
れませんが、チャートを書くのは上手ですよ、ハイ。

そして顧客企業を通じて社会に貢献できないと意味無いと思ってま
す。歳のせいか、今まで散々外資系会社にお世話になってきたにも
かかわらず（というか、だからこそ？）これからは日本を良くする
ために頑張りたいと思っています。

ですので、場合によっては、顧客個人の意向を尊重しない場合も出
てきますが、それもこれも顧客企業を良くして日本を良くするため
ですので、悪しからず・・・


●コンサルタントを活用する企業にアドバイスを！


まずはコンサルタントの志を確認すべきでしょうね。ただ仕事をこ
なす感覚のサラリーマン的なコンサルでは、何も改革できません。

次に、物事の本質を掴む力、それを紙の上で表現する力、そして人
間にそれを納得させる力、最後に、人間に実践させる力だと思いま
す。

高い志の下、これらの力を執着心を持ってふるえるコンサルは、そ
う多くありません。良く言われることですが、所属会社ではなく、
人で選ぶしかありません。

選ぶ基準は、申し上げたとおりです、あと、丸投げは、絶対に禁物
です。優秀なコンサルを厳選し、お客様も一緒になって改革に励ん
でいただければと思います。


●ＰＲ


最後に宣伝めいてしまい恐縮ですが、私は大前研一さん総監修の経
営管理者育成プログラム（ビジネス・ブレイクスルー社）でサプラ
イチェーン・マネジメントの講師を務めてます。

ｅラーニングなのでカメラに向かってしゃべったもののビデオなの
ですが、カメラに巧く微笑みかけ切れずに引き攣りまくりながらも
サプライチェーンによる経営革新の勘所をより詳細に訴えかけさせ
ていただいてます。

ご興味があればコンサルジェント社までお問い合わせください。


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《編集後記》
今週の横田氏のテーマは『世界Big-５のトップコンサルタントの力
を、日本の為に活かします！』です！！すんごいですねー。思わず
「ワオー♪」と声が出てしまいました。私は仕事上、多くのコンサ
ルタントと交流がありますが、これくらいビシッ（バシッ？！）と
カッコイイ決めゼリフが似合うコンサルは他には知りません・・・！

しかしご本人は意外と低姿勢で、コンサルティングの現場ではあく
までも「黒子」として徹して「出る杭」＝「本質の求道者」の意識
で今日も頑張っています。余談ですが、彼は自社サイト構築の際、
「非常に生産性の低い時間を送ってしまい、自分に腹を立てっぱな
し状態で何度も吐き気に襲われた」というデリケートな部分も持ち
合わせていますし、先日は「二日酔いで胃薬にお世話になりました」
と報告してくれて、お茶目な一面も見え隠れ＾＾。そんな彼にぴっ
たりな名詞？を募集中でーす。何かアイデアありますか〜（にしだ）

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