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◇◆◇ 経営革新!100人のコンサルが語る事業成功の秘訣 ◇
◆◇ 第35号【03/07/04】 ◇◆
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《メニュー》
1.『カネの苦労は買ってでもしろ!』 前田 健二
2.今週のおすすめメルマガ「技術の経営」
3.連載コラム<粋なオトナが遊ぶ京都・今日はちょっと番外編>
西田 恵
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《今週のテーマ》
『カネの苦労は買ってでもしろ』
〜ベンチャー企業に見られる無駄遣いの諌め〜
先日、FTTH回線の再販を行う創業3年目のベンチャー企業のM
社のJ社長が、資金調達を支援して欲しいとの相談で来社した。
話を伺ってみると、同社は大手商工ローン会社から巨額の借入を行
い、運転資金にあてているという。
私は、開口一番、社長に苦言を呈さざるを得なかった。「社長、な
んでいきなり商工ローン会社から借入なんかしたんですか?」
社長は、「いえ、以前にいた会社で付き合いがありましたし、それ
に何と言っても(商工ローン会社が)一部上場企業ですし、また、
銀行とかと違って比較的簡単に貸してくれるものですから」
それを聞いた私は、しばらく開いた口がふさがらなかった。商工ロ
ーン会社と腐れ縁になった会社で、繁栄している会社などあるわけ
ないのだ。
さらに詳しく事情を伺うと、同社の商工ローン会社からの借入には
知人の上場会社役員数人が連帯保証人になっており、数千万円の根
保証にサインをさせられているという。
まったく、大企業の重役にはこういう世界と無縁の人が多いのか、
この手の話ではいとも簡単に商工ローン会社の手玉にされてしまう
ようだ。
さらに、この借入には、社長の妻の実家も担保にがっちり取られて
おり、さらには、これも商工ローン会社がよくやる手だが、M社の
「保証手形」までしっかり取られているという。
よくもまあ、ここまで商工ローン会社の思うままに型にはめられた
ものだ。商工ローン会社にとっては、正にカモがネギを背負ってや
ってきたようなものではないか。
M社に限らず、今日のテーマに当てはまる企業には、注目すべき共
通点がある。
第一に、いずれも赤字体質であるということ(それも、半端でない
額である)。
第二に、これはさらに重要な共通点であり、赤字体質の原因である
と思われるが、お金に対するありがたみを微塵も感じない、お金を
無駄にして平気の体でいられる社長その人の経済観念の無さである。
私は、ベンチャー企業の業績とその会社の社長の金銭感覚とは正比
例すると考えている。
日頃、実に色々なベンチャー企業の社長達にお目にかかるが、深刻
な苦境にあえいでいるベンチャー企業にほど、その会社の社長によ
る「無駄遣い」が多く見られるのだ。
K社は某大手電機メーカーから独立したスピンオフベンチャーであ
る。メーカーの中枢部門たるマーケティング本部の主要スタッフが
こぞって決起し、顧客管理ソフトのASP事業を立ち上げるべく二
年前に起業した。
ところが、同社が創業年より大幅な赤字を計上、借入による資金調
達の支援をしてくれないかとの相談である。
K社の帳簿を拝見してみると、売上に対する販売管理費の大きさに
まず驚かされた。
売上がろくすっぽ立っていないのに巨額の「交際費」と「会議費」
を毎月計上しているのである。大企業時代はマーケティング本部長
であったK社社長に話を伺うと、次のような答が返ってきた。
「いえね、僕らみたいなビジネスをする上では大企業の大物を頻繁
に接待しないといけないんですよ。特に、メーカー時代の付き合い
相手はそれなりにもてなさないといけないですし・・・」
「それに、いいじゃないですか、こっちだって毎日プレッシャーが
凄くて大変だし、たまには銀座で息抜きをしたって・・・」
なるほど、大企業時代の「経費感覚」を今もなお引きずっておられ
るようだ。
「無駄遣い社長」は、上のK社のような「大企業スピンオフベンチ
ャー」や、二代目ボンボン社長による「新規事業立上ベンチャー」
などに、とりわけ多く見られるが、彼らに言わせると、彼らの出費
はいずれも正当で、「合理的な根拠」に基づくものなのだそうだ。
例えば、巨額の役員報酬や福利厚生費、設備投資等の出費について
も、いずれも「必要経費」であり「先行投資」であり、将来利益を
約束するものなのだそうだ。
しかし、私の知るところでは、上のような無駄遣い社長率いるベン
チャー企業で着実に利益を上げているケースは、残念ながら周りに
ひとつも見当たらない。
利益を上げている会社は、いずれも社長が陣頭に立って厳しいコス
ト管理をし、一円たりともおカネを無駄にしていない会社である。
結局、会社の利益を最大化させるには「入るを量りて出ずるを制す」
という万古普遍の哲理に帰らざるを得ないが、「出ずるを制す」に
際してもっとも重要なのが社長その人のカネの使い方なのだ。
おカネを大切にしない無駄遣い社長が、果たしてどのようにして会
社に利益をあげられるものなのか、逆にこっちが教えてもらいたい。
では一体、どのようにすれば社長がおカネを大切にするようになる
のであろうか。それはズバリ、カネの苦労をするのが一番だと思う。
一度、じっくりとカネの苦労というものを骨のズイまで味わってみ
ることが大事だと思う。
戦後の食糧難を経験した人間が食べ物に対する執着心を異常なまで
に持つようになるように、カネの苦労をしたことがある人はしたこ
とがない人よりもはるかにおカネを大切にする。
今、世のベンチャー企業の社長達に声高に言いたいことはこのこと
である。
特に、人のおカネを預かり、また利益を生む責任を負っているにも
かかわらず無駄遣いを続け、結果的に赤字を垂れ流し続けているベ
ンチャー企業の社長達よ、いい加減に目覚めよ!
そして、カネの苦労は買ってでもせよ!
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《今週のコンサルタント》
前田 健二(まえだ けんじ)
株式会社ケイズ・コンサルティング・
ベンチャー企業再生コンサルタント
1966年生まれ。明治学院大学卒業後渡米し、現地にてレストラ
ンビジネス、M&A、ヴォイスメールビジネスを立ち上げ、帰国後、
父親の創業した海運会社社長に就任。複数のFCと不動産関連新規
事業を立ち上げる。95年インターネットマーケティング会社ウェ
ルコム・ジャパンを創業。業界大手企業へ売却するまで経営を行い、
Eコマース、検索サービス、オンラインリサーチ等の多くのビジネ
スを立ち上げる。(株)ビジネスカフェジャパンを経て、現在、株
式会社ケイズ・コンサルティング・ベンチャー企業再生コンサルタ
ント。ベンチャー、中小企業を対象に事業立上げ、事業再建を指導
している。著書に「インターネット商売で成功する法」などがある。
《私のお勧めビジネス書》
『マーケティング戦略論―実践パラダイムの再構築』
著者:上原 征彦 出版社:有斐閣
我が国マーケティング学界の大重鎮、上原征彦先生の最新著作。ポ
ストモダンマーケティングの戦略基盤を需給者間の情報格差に置き、
そこから展開される各種理論は絢爛たる珠玉の集合。碩学上原先生
の頭脳から湧出されるアウトプットは、マーケティングを表面的に、
または付け焼刃的に論ずるだけの表層居士、口舌居士の跋扈する我
が国ビジネス界において、真のマーケティングとは何かを本質的に
悟らしめるものである。マーケティング研究者、理論家、実務家、
いずれも必読の大著作である。
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《編集後記》
前田氏は、経歴から見ても波乱万丈な方です!まだお若いですが、
コンサルタントの立場からだけではなく、その経験豊富で色々な視
点からお書きになるコラムや著書は、大変興味をそそります。(私
はもう、彼のタッチにメロメロで〜す♪)執筆活動に余念がない事
は、容易に想像出来ますね。今回のコラムは、そんな彼の「ベンチ
ャー支援コンサルタントの徒然日記 Vol.2」から、抜粋致しました。
本当はもっと面白い事例も盛り沢山で、カットするには忍びなかっ
たのですが・・・これが編集者のツライところぉ〜(T_T) byにしだ
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☆☆今週のおすすめメルマガ☆☆
『技術の経営』〜顧客志向だけでは勝てない〜
インターネットの普及とそれに乗じた「絶対」ともいえる顧客主義。
これがこの10年間のビジネスの主役でした。その結果、多くの企
業に残ったものは「顧客の声は聞こえるが、求めるものが作り出せ
ない企業能力の疲弊」。そんな中で、真の勝ち組はしっかりと企業
能力を確立し、他にはマネのできないものを提供しています。まだ
間に合います!企業力の革新に取り組みましょう!そんな企業を支
援するメルマガです。⇒ http://infoscape.jp/tms/magazine.htm
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《連載コラム「粋なオトナが遊ぶ京都・今日はちょっと番外編」》
西田 恵(にしだ めぐみ)
東京都生まれ。中学卒業と同時に単身で京都に乗りこみ、花街の置
屋さんの門をたたく。芸事の専門学校で学び、舞妓としてデビュー。
のちに芸妓となり10年間修行の末、芸妓業(自営業)を廃業。そ
の後、東京、大阪でOLを経て現在(有)コンサルジェントに勤務。
〜とある小説と私〜
皆さんは、ミステリー小説なんてお読みになりますか?
いやぁ、本は、もっぱらビジネス書しか読まないヨ!という方も、
今日は、ちょっとだけ、お付き合い下さいね。
以前、私はある有名小説シリーズにはまってしまい、お稽古もそっ
ちのけ(うわ〜)で、その人の作品を全部、読破した事があります。
その主人公は探偵なんですけど、これがまた、めちゃくちゃ男前で
(勝手な想像!)今では、映画化やドラマ化も沢山されています。
そんな(架空の)彼のファンクラブが設立されたので、もちろん、
入会しました。現役バリバリの20代の頃でしたので、職業欄には
何のタメライもなく、“芸妓”と記入。
少しでも、彼に近づけた事が嬉しくて、浮かれ浮かれて毎日を過ご
していました。(私もそんな純情な時があったのネ〜♪)
しばらくたって、自宅の電話が、ピロピロ〜。
彼「恵サンですか?」
私「はい。そうですけど」・・・(誰???)
彼「○△ですけど」
私「あの〜すいません。どちらの〜????」
(全く記憶にない名前。あら、私の大好きな彼の事を書いている小
説家の方と同じ名前だわっ!まったく、誰なの〜?)
彼「・・・○△ですが・・・」(それしか言い様がないように)
私「えっ?!ひょっとして、あの○△サン?まさか?」
彼「そう。僕です!」
きゃ〜!!びっくりしたのなんのって、家中飛び回りましたね〜。
聞けば、あの大御所のヤマムラ大先生に「そろそろ○△クンも、京
都のこと、書いてもイイわよ!」と言われたそうです。
それまで京都がテーマの小説は、山村美沙さんが専売特許のようで
したので、恐れおおくて(?)書けない時代でした。
彼「お許しが出たので、京都に取材に行くんです。恵サンが、ウチ
のファンクラブの会員で、芸妓さんと知りまして。京都弁も書きた
いので、校正などに立ち会ってくれませんか?それにお食事でも!」
私「何があっても行きます、案内します!校正でも何でもやります。
やらせて下さ〜い!!」(やった〜ばんざ〜い!嬉しすぎる〜!!)
そんなこんなで、彼は無事に一冊の『京都旅情ミステリー』を書き
上げました。小説の最後には、スペシャルサンクスで、私の名前が
刻まれています。
それにその小説が好評で、京都編ミステリー第2弾がすぐに企画さ
れました。もちろん、その取材の時も参加しました。
おまけに今度は、私という人物を“芸妓さん&芸名”で、登場させ
てくれたのです。しかも、大好きな彼と2人っきりで!\(^O^)/
その思い出は、私の一生の宝物です。先生、有難うございま〜す!
こんな特殊な職業についていると、思いがけない事が、毎日たくさ
ん、あるのです。
・・・えっ?その小説はヒットしたかって?
もっちろん、大ヒットでございますヨ。
だって私が一人で、ン十冊、まとめて買ったもの〜(*^_^*)
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