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◆◇　　　　　　　　　　　　　第４０４号【07/10/03】　　　　　　　　　　◇◆
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《今回のCONTENTS》

１．『アメリカで人を雇うということ』　　　　　　春山　貴広

２．今週のおすすめ情報「スタッフブログのご紹介」

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『アメリカで人を雇うということ』

私がアメリカで顧問をしている某日系医療機器メーカーの創業時の
話です。

新会社の柱となる営業部長の採用ということもあって、少々お金は
掛かるが人材紹介会社を利用することにした。

この場合は複数の会社に依頼し、採用が決まった段階でその紹介先
に成功報酬を支払うことになる。

業界の経験者が必要という事と、その他の条件を伝え、人材紹介会
社は自分たちの持つリストやネットワークから近い人物を探し出す。

数週間も経つと何名かの候補者が出てくるが、日本から来たこの会
社の社長もなかなか“これだ”という気になれない。

営業部長がいないということは、モノを売り始められないというこ
とで、一日も早くほしいのが本音ではあるが、だんだんと条件を甘
くしていくと、採用できてもお互いが長続きしない。

ここはしっかりと腹を据えて長期戦に挑むようアドバイスをした。

結局は人材会社でも手をこまねき、最終的にはヘッドハンターを利
用することを提案、その費用はざっと車一台分だ（といっても私の
ではない、お金持ちのだ）。

まずは業界内で活躍する５０名くらいのリストを作成し、ここから
プロの口説き屋が甘〜い言葉でひとりずつ誘惑する。

大体はいま活躍している人たちであるから、余程の理由がなければ
面接すら受けてくれない。

プロのヘッドハンターはリストにある５０名への電話インタビュー
の後、１０名くらいをこの会社にふさわしい経歴があると判断し、
彼らに猛烈にアタックをかける。

何せ日本では老舗のこの会社も、アメリカに来れば設立間もなく将
来の保証もない零細企業だ。

最近の日本では創業したばかりの会社を“ベンチャー”と呼び、あ
たかも夢の実現の場のごとくもてはやす傾向にある。

私が世話をするある大学の研究室でも、今春の卒業生の２０名のう
ち、約三分の一はこの“ベンチャー”を出発地に決めた。

話はずれたが、アメリカ人はリスク管理と権利意識だけはしっかり
持っており、このような新規の立ち上げの会社にはなかなか見向き
もしないし、そのリスクに見合った待遇を要求される。

ようやくこぎつけた最初の面接は、ニッチ分野でナンバー１のシェ
アーを持つメーカーの女性営業部長。

業界団体の中でも顔が利く彼女は、業界の規制や安全基準制定委員
会のメンバーにも入っており、こちらの事情に詳しくない社長にと
っては、ものすごく欲しい人材である。

最初の面接は業界最大の展示会の期間中、会場近くの高級ホテルで
朝食を食べながら行った。

社長は、この会社の長い歴史や、日本では業界ナンバー１であるこ
と、財務体質もしっかりしているなど、まさにナンパ？のごとく口
説きまくった（といっても私が通訳しているので、実際には私がナ
ンパ口調だった？）。

とりあえずお見合いは成功し、次に二次面接として会社を見たいと
この候補者から言われ、翌週にはこの会社を訪れた。

意見順調だと思われたこの見合い話も、その後ヘッドハンターから
連絡が入り、やっぱり辞退したいとの事。

給与やその他の条件もかなりの背伸びをし、大幅に譲歩していただ
けに腑に落ちない。

正直、ここまで詰めていたのに何故？という疑問が残った。

結局はオフィスまで来て自分の居場所のイメージが沸かせられなか
ったではないかと私は指摘した。

この会社の事務所は、日本風にアレンジされ、社長といえども他の
社員と机を並べている。

アメリカ人も営業部長という肩書きになれば、会社に個室があるの
が当たり前の世の中で、『日本ではこうなんです』では通じない。

肩書きにふさわしい対応が必要なのである。その後は顧問先と相談
し、システム家具を導入し迎える営業部長の部屋も用意した。

この投資こそ大した金額ではなかったが、採用が遅れればその分売
上げもないので、そうとわかればさっさと行うべきであった。

その後次の候補者にも同じようなプロセスの後、無事に採用を行う
ことが出来た。

相手のニーズを理解することは外国と限らず仕事をする上で大切な
ことだ。まして海外となれば想像の域を超えることも多く、柔軟性
がなければなかなか理解もしがたい。

ともあれ知らぬでは済まされないことも多く、まさに郷に入っては
郷に従えという姿勢がとても大切である。


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《今週のコンサルタント》
春山　貴広（はるやま　たかひろ）
株式会社グロービッツ　代表取締役

１９６８年生まれ。大学にて貿易を専攻後、９１年シチズン時計入
社、国内営業として流通最大手の本部担当としてセールス表彰多数、
９３年海外商品企画（アジア・大洋州担当）、９４年アラブ首長国
連邦シチズン時計副支配人、９８年米国シチズン時計（ニューヨー
ク支店）会長秘書役執行役員、０１年米国シチズン時計（カリフォ
ルニア支店）財務担当執行役員。０３年ロヨラメリーマウント大学
大学院にてエグゼクティブＭＢＡ（企業経営者コース）を取得。退
職までに世界４０カ国以上へ出張する。０５年米国ロスアンゼルス
にて日本企業の海外事業への投資をサポートするグロービッツ社を
仲間数名で創業しＣＥＯに就任。０６年日系医療機器メーカーと共
同投資にて合弁会社設立し社長に就任。

《経営堂・詳細プロフィールはこちら》

《私のお薦めビジネス書》

中小企業の経営者の方々にお勧めの本で、簡単に読破できるものと、
ちょっとまじめなもの、あわせて二冊選びました。

（１）『早朝会議革命〜元気企業トリンプの「即断即決」経営』
著者：大久保　隆弘　　出版社：日経ＢＰ社

トリンプ・ジャパンの吉越元社長の会議スタイルを紹介した本です。
社長になると会議の場は打ち合わせをする場であると知りながらも、
自分の感情を表現する時間になってしまう事はありませんか？本来
はみんなで納得する答えを出す場である事を強く印象付けられます。
１時間で読み終える“社長の会議指南書”と思って試してください。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4822243516/consulgent-22/ref=nosim

（２）『ＭＢＡ社長の「ロジカル・マネジメント」』
著者：山田　修　　出版社：講談社

かく言うこの私も会社の社長です（現在は２社）。毎日志を高く保
ちたいと思っているものの、所詮社長も人の子です。時には“人の
振り見て我が振り直せ”という時も必要です。この本は落下傘社長
としていくつもの会社を変革させた山田氏の、当たり前のことを繰
り返していることの重要さをリマインドしてくれます。
http://amazon.co.jp/o/ASIN/4062111756/consulgent-22/ref=nosim

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《今週のコンサルタント・インタビュー》

●コンサルタントになったきっかけはなんですか？


　 世界中を飛び回るビジネスマンにあこがれて社会に出てそれを実
　 現で出来たこと。

　加えてアメリカの会社で経営に加わり、日本のビジネス習慣や価
　 値観の違いが外国企業のアメリカでの成否に大きな影響があると
　 気が付いた事。
　
　 さらに大学院にてその経験を体系的に整理することが出来たこと
　 で、“経営のプロ”を目指したいと思ったから。


●コンサルタントとして一番心掛けていることはなんですか？


　 我々は相談者の「困った！」を解決するのが仕事である。
　 結果にこだわり、相談者の「成功」をゴールとして共有すること。


●コンサルタントを活用する企業にアドバイスを！


　 コンサルタントを利用する目的を明確にし、それをきちんと伝え
　 ることが大切です。
　
　 そのコンサルタントに何が出来て何が出来ないのか？それがわか
　 っていれば、依頼後の社内への効果もはっきりとし、期待値がわ
　 かります。

　同時にコンサルティングの費用対効果にも納得感が沸いてきます。

　自身の症状を自覚し、適切な治療を行える医者を探すことは、患
　 者が病院を選ぶのと同じ行為です。コンサルタント探しでもそう
　 いうアプローチが必要です。


●ＰＲ


　 アイデアがあってもそれを実行できないのが多くの中小企業の課
　 題です。短期間でのコンサルティングはきっかけ作りで終わるこ
　 とが多く、定着せずに長期的な効果につながりません。

　グロービッツの特徴は、経営者の視点でものを考え、アイデアを
　 実行に移す作業までを請け負います。お互いが信頼し合える関係
　 作りから始めていきたいと思っています。


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☆☆今週のおすすめ情報☆☆

　　経営コンサルタントを紹介するエージェント会社、
　「経営堂」と「研修堂」のスタッフによるブログです。

当社提携の中より厳選したおすすめコンサルタントの紹介や各エー
ジェントの商談現場など、日常を綴ります。ぜひ遊びに来て下さい！

　　　　▼▽コンサルジェント・スタッフブログ▼▽
　　　　　　　http://blog.consulgent.co.jp/

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《編集後記》
今週のコンサルタントは、アメリカのカルフォルニア州で開業され
ている春山貴広さんの登場です。春山さんは日本企業の海外進出、
特にサプリメント、健康食品など米国ＦＤＡ（厚生省）への認可の
申請やその後の米国市場展開などを得意としており、現在も日本の
某製造業トップメーカーの米国進出を支援中です。彼はシチズンの
米国法人で会長秘書や財務担当執行役員を歴任された経験から、若
き実力者といった感じでもあり、とても芯の通った方だと思います。

実は今回のコラムも一度当社へご入稿頂いた後、「うちのスタッフ
から社長の良さが全く出ていない！」と叱られたので、書き直しま
す・・といった真面目な一面にもお人柄を伺い知ることが出来ます。

そんな彼から先日、国際電話をもらいました。実はその２日前に、
「今週はラスベガスに来ています。もちろん仕事です！」というメ
ールを頂いていたのですが、私の返信が遅れた事でシビレを切らさ
れたご様子。スイマセン…。急な電話に嬉しいやらビックリするや
らでしたが、国際電話って雑音も入らずクリアなんですね。スグ近
くで話しているかのようで、ちょっとドギマギしました(*^▽^*)ゞ

ちなみに日本へは年間１０回ほど帰国されるそうですが、今までに
海外出張は４０カ国以上経験し、まさに世界をまたにかけて活躍中！

仕事とはいえ、色々な国に行けるのは羨ましい〜。私も隠居したら
世界旅行が待っていると思って頑張る毎日ですヽ(^▽^)ノ（にしだ）


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