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◇◆◇ 経営革新!100人のコンサルが語る事業成功の秘訣 ◇
◆◇ 第424号【08/02/27】 ◇◆
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《今回のCONTENTS》
1.『人の命を救っている現場に、よくない要求はやめよう』
青木 幹晴
2.コンサルタントの活用について検討中・お困りの企業様へ
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トヨタの工場でもラインストップは日常茶飯事だ。
少しの時間のラインストップは「チョッコッとだけ停止する」とい
うことで、「チョコ停」と呼んでいた。
1つ1つのチョコ停では、全体のライン運営に直接害は及ぼさない。
しかしこれが積もり積もれば、ラインへの影響だけには留まらず、
会社損益にまで毒がおよんでしまう。
この1つ1つのチョコ停に対して真摯に向き合って、
その1つ1つから問題点を見つけ出して、
その真因を追求して、
その真因に対して対策を打って、
その成果を評価してみる。
そして思うような成果が出ない場合は、もう1度今やった問題解決
のサークルをもう一度回してみる。
できるまで何度でも回してみる。これがトヨタ工場の日常だ。
さて、このチョコ停で終っていればいいが、そのチョコ停が長時間
停止したままで回復しなかったりする場合も当然ある。
これはドッカットした時間停止するので、「ドカ停」と呼んでいる。
もしドカ停が発生すれば一大事だ。
トヨタの部品メーカーも含めた全ラインの停止へと発展してしまえ
ば、それこそ何千人、何万人という作業者を遊ばしてしまい、会社
は意味のない労務費を払わなければならなくなってしまう。
もう全員必死だ。
保全作業者、製造部技術員、現場作業者、製造部係長、製造部課長
などが寄ってたかって復旧するために最善の努力を尽くす。
生産管理課は、このドカ停が長引いてしまう場合、前工程や後工程
をどのようにラインストップさせいくかのシミュレーションを大至
急行なって関係部署に連絡しなければならない。
被害が大きくなればその度合いにより、偉い人に連絡しなければな
らない。気が狂いそうな緊急事態時に、非常にわずらわしいと思わ
れるかもしれないが、トヨタの場合は簡単だ。
「こうこうこういう理由でラインが止まりそうです。すぐ現場に来
て下さい」
偉い人でも役員ほど偉くなってしまえば、現場なんかへ来たって付
加価値をつけれないだろうから、後で責任だけ取ってもらえばいい。
役員などの責務は、日頃から実働部隊の訓練にきちっと工数を割き、
怠りなくそれを実施させ、緊急事態発生時に彼らが最大の力を出せ
るようにしておくことではないか。
役員などは「緊急事態発生時に実働部隊100%を発揮できるか」
ということで結果責任を問われるだけだ。
実働部隊が緊急対応に精一杯で連絡する余裕すらない場合などいく
らでもある。
今回のイージス艦と漁船との衝突事故は人命救助という地球より重
い責務が発生している。
緊急事態発生時、特に今回のような人命救助が必要な場合は、現場
の人間で行うのは当たり前だが、それにも無理があるようなら、次
に考えるのは実際に働ける機器や人員を召集することだ。
その段階で大臣や総理へは自動的に一報が入るようにマニュアル化
しておけばいい。
今回、大臣や総理への連絡するのに1時間以上かかったからけしか
らんとどっかのマスコミが吼えている。
そんなことをあげつらっていると、幕僚長なりの指揮官はさらにト
ップへの連絡に全精力を傾注することになってしまわないか。
指揮官の頭の中は100%どのような実働部隊をどう稼動させるか
という思考が入っているべきではないか。
もしも敵が不意に襲ってきて、国民が犠牲になるような場合に、ま
ず敵を撃破することに全力を傾けるのは当たり前だ。
そんな時でもマスコミは自衛隊に対して、最低10分後に防衛大臣
に連絡を入れ、20分後には総理大臣に連絡を入れろという主張を
するのか。
まさに平和ボケもはなはだしい。
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《今週のコンサルタント》
青木 幹晴(あおき みきはる)
豊田生産コンサルティング株式会社 代表取締役
1955年、愛知県豊橋市生まれ。78年、早稲田大学商学部を卒業。
トヨタ自動車工業に入社以来、人事部(海外関係人事)、経理部、財
務部などの本社機能をへて、現場の本社工場・原価グループ、本社
工場・生産管理室、米州事業部、田原工場・原価グループおよび生
産管理室などを経験。一貫して、トヨタ生産方式の「石垣」ともい
える「生産管理・原価管理・要員調整」の実務を担当し、さらに、
「天守閣」としての「トヨタ生産方式現場改善」までを実践。トヨ
タ生産方式部課長自主研メンバー。「かんばんのフローラックラベ
ルへの活用」など、多数の表彰を受ける。2004年、基幹職のチャレ
ンジキャリア制度(転出促進制度)に応じ、40代でトヨタ自動車を退
職(退職時資格課長級)。関連会社を経て2007年より現職。
《経営堂・詳細プロフィールはこちら》
《私のお薦めビジネス書》
『逆説の日本史』
著者:井沢 元彦 出版社:小学館
大学受験で日本史を選択し、日本史についてはプロを自認していた
が、この本を読んでもろくも打ち砕かれた。常識と思っていたこと
が実は・・・、という体験は非常に貴重だ。この本は真実を見つめ
る目を養ってくれると思う。頭が柔軟になる。この柔軟さはビジネ
スに必携だ。
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《今週のコンサルタント・インタビュー》
●コンサルタントになったきっかけはなんですか?
トヨタで30年修行して、独立し、これからが本番と考えていま
す。
●コンサルタントとして一番心掛けていることはなんですか?
どのクライアントのところでも自分がどれだけの力を発揮できる
かを直視することにしています。もし力を発揮できなければ廃業
するしかないと思ってやっております。
●コンサルタントを活用する企業にアドバイスを!
あたらしい血を入れるにはコンサルタントがベストです。気に入
らなければハイさようならでいいのですから。コスト的にも安い
と思います。
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今までのところすべてのクライアントで非常に歓迎されていると
思います。要はクライアントさんのやる気がどのくらいあるかど
うかです。
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《編集後記》
青木さんのことは、とても印象に残っています。トヨタ関連企業で
お勤めになっていた頃から、私のところへ訪ねてきて、コンサルタ
ントとして独立するにはどうしたら良いか、とアドバイスを求めれ
ました。それから着々と準備を進められてて、助言の通り著書も出
版されて万全のデビューでした。さすがに用意周到だと思いました。
その反面、もし独立して食えなかったら・・・という不安が大きか
ったようで、その不安を打ち消すためにもできることを最大限準備
されたのだと思います。起業してまだ半年も経たないと思いますが、
すでに著名な経営者大会での講演もされたり次々とクライアントの
依頼を受けたり、ご活躍の様子を私もうれしく思っています!
(発行者:樋笠)
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