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◇◆◇ 経営革新!100人のコンサルが語る事業成功の秘訣 ◇
◆◇ 第48号【03/10/03】 ◇◆
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《メニュー》
1.『技術の経営〜顧客志向だけでは勝てない』 生島 一司
2.今週のおすすめメルマガ「会社にケンカを売った社員たち」
3.おすすめメルマガ2「技術の経営−顧客志向だけでは勝てない」
4.「経営コンサルタントをネットで検索!?」
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《今週のテーマ》
『技術の経営〜顧客志向だけでは勝てない』
技術戦略マーケティングの分野でコンサルタントをしています。
この「技術」「戦略」「マーケティング」という各コンポーネンツ
を業務プロセスの中でどのように連携させていくかが中長期的に見
て企業の将来性、収益力を大きく左右することになると考えていま
す。
企業・組織の活動プロセスは、一番深いところに「理念・コンセプ
ト」があり、これに沿って「戦略」が立てられ、市場に対して「ビ
ジネスモデル」が作られ、収益を得る構造が作られるのです。
私はビジネスを次のような3層の階層モデルで考えています。
┌───┐
│表 層 │ビジネス、お金が回るところ。
└───┘<ビジネスモデル、商品、サービス 等>
↑↓
┌───┐
│中継層│深層と表層を中継するところ。
└───┘<戦略、人・組織、アライアンス、ライセンス、教育等>
↑↓
┌───┐
│深 層 │コンセプト、理念に相当するところ。
└───┘<経営理念、基礎技術力、社風、意識 等>
この全てを自社で完結できれば、それはその企業にとって強みにな
ります。
しかし、全てのビジネスにおいて自社で完結できなければ事業が成
立しないという訳ではありません。
逆にどことどうアライアンスを組むか、必要なものをどこから調達
してくるか、その独自のコネクションを持つことがその企業の強み
になる場合もあるのです。
これらのプロセス連携の仕組みの構築が最も重要なのです。
最近は、この表層の一部分だけを捉えたビジネス手法や考え方が支
配的になっています。お金にダイレクトに直結した考え方です。
それは尤もな考え方ではありますが、中長期的にはどうなのでしょ
うか? 問題はないのでしょうか?
以下、例を挙げて考えてみましょう。
〜ITバブル時代におけるビジネスモデルの真相〜
数年前のITバブルを振り返って見て下さい。
投資の神様と言われたウォーレン・バフェットはITには投資しな
かったというのは有名な話ですが、結局彼は自分が分からないもの
に投資しないというだけのことだったのです。
尤も、ITという言葉の定義も今だに不確かなのですが。
製造業の延長の技術として捉えるのと表層のビジネスモデルから捉
えるのとではまったく異なるものなのです。
しかしITバブル時代には、多くの人が自分の分からないものに投
資していたのです。
結局このITバブル期のビジネスモデルは、多くの人にとって企業
のプロセスの流れの中で捉えられていなかったのではないでしょう
か?
多くの企業が、自社のコア部分との連携を考えずに、乗り遅れては
大変という恐怖心でツールに飛びついてしまったと考えています。
しかし、今だに「我社をIT化したいのだが」という相談を受けて
話を伺うと、何のためのIT化か目的と目標がまったく設定できて
いない企業が多いのが現実なのです。
〜流行りの言葉に惑わされていませんか?〜
最近の流行り言葉、ビジネスツールを考えてみましょう。
IT、インターネット、ブロードバンド、ナレッジマネジメント、
e-Learning、ユビキタス、アウトソーシング、BPR、ERP…。
数え上げたら切りがありません。
これらの言葉は表層のオペレーションでのサービスやツールを販売
する手段となっています。
勿論これらのツールは、今やビジネスにとって必要不可欠なものと
には違いありません。しかし、ツールや手法だけ取り入れれば安心
という訳ではないのです。
〜ツールだけで解決しようとしていませんか?〜
お金はこの表層を流れます。従ってここのサービス、ツール等の商
品が溢れかえることになります。
しかし、企業のコンセプトや条件に合わせて戦略が立てられ、これ
らに沿ってビジネスは回さなければなりません。
いかにも競争優位を獲得するというような謳い文句に誘われて、い
くら高いツールやサービスを導入しても、戦略や各プロセスとの連
携無しでは効果が出ないことが多いのです。
〜各プロセスを連携させる戦略〜
これまでに述べたように、各プロセスの連携が大事なのです。
深層の部分で何がその企業にとってコアとなるのか?技術ならそれ
はどんな技術か?基礎技術なのか?
アプリケーションの開発力なのか?組織力は?特許は?優秀な技術
者が満足できる環境で働いているのか?社風は?
表層のビジネスモデルを組み立てるために必要な中継層の戦略はど
うでしょうか?
開発の方向性は?アライアンスは?ライセンスは?人事マネジメン
トは?特許戦略は?教育は?
更に、これらを収益に結び付けるための表層のビジネスモデルは?
これらを総合的に考えて初めてツールや標準化が活きてきます。
企業に内在している全プロセスを再認識し、その企業に合った戦略
を立てていく必要があります。
〜技術力をマネジメントする〜
例えば技術力。これは人が持っている能力に負うところが大きいも
のです。
これを具現化し共有する必要が叫ばれ、ナレッジマネジメントとい
うツール、手法が大きくクローズアップされています。
しかし、設計部門に入れるのか、研究部門に入れるのかでもはやア
プローチは異なってきます。
設計者と研究者の意識の差がそこにあるからです。また社風によっ
ても異なります。
意識と言うものについても考えてみましょう。問題意識を持つ、持
たない、持てないという3種類の社員がいます。
また、問題意識を持っても動かない方がその人にとって有利という
環境があるかも知れません。
失敗すれば減点される制度でチャレンジは難しいのです。人事制度、
マネジメント、社風にも大きく関わってくるのです。
技術の種類にも考慮しなくてはなりません。
基礎技術と開発ツールを用いてアプリケーションを作るすることに
は、当然大きな違いがあります。
また技術は人、組織に内在しています。これをうまく引き出す必要
があります。人は深層の部分です。
うまく引き出す部分は中継層の部分です。
上記のようにナレッジマネジメントツール等も騒がれていますが、
あなたの会社、組織のコンセプト、戦略に合わせ、各プロセスをう
まく連携させる形で使う必要があるのです。
その上で最終的な利益が出るように、マーケットに繋いでいくこと
が大事です。
更に、業の全プロセスを捉える戦略を策定し、中長期的に利益が出
るようにビジネスモデルの構築と修正を常に行っていくことも重要
です。
それには、マーケティングやリサーチが必要になってきます。この
場合、シーズ指向か、ニーズ指向かという問題が生じてきます。
短期的な利益誘導であるマーケットニーズ優先の競争原理だけでは
限界があります。
逆にシーズ指向のプロダクトアウト重視だけでも市場と乖離してし
まいます。
〜M社の例〜
200人規模の化学系のメーカーであるM社では、70人が研究者
です。この会社は創業当時から定年という制度がありません。
また、必ずその人が持っている能力に合う仕事がある筈という会社
の方針に沿って、その人を活用できる仕事を作るということを数十
年前から行っています。
最近、この企業は最近のグローバリズム、短期利益誘導一辺倒の時
代にあって、にわかに注目を集めています。
リストラ、コスト、収益性だけのモデルの限界が見えてきたという
ことでしょう。
M社は、市場を睨んだ独自のプロダクトアウト戦略を取っています。
その上で、この戦略を実現するための人事制度、社風等を流行りに
惑わされることなく、長期間かけて地道に独自の方法で作り上げて
きたのです。
最近言われているCANONとSONYの違いはこの辺りにあるの
かも知れません。
〜企業の独自性、コアコンピタンスを重視した戦略〜
以上述べたように、各プロセスをその企業の独自性に合わせて連携
させて、初めて各種の標準化手法、ツールが活用できるようになる
のです。
コンセプト、戦略がないところに表層のツールやサービスを導入し
ただけでは決して問題解決にはなりません。まず、企業の目的、目
標を明確にする必要があります。
このためには、企業理念、得意分野の技術力を自覚することが大事
です。
これらが明確になっていれば、そして市場が見えていれば、ビジネ
スのために何が必要かが見えてきます。
こうなって初めてオペレーションが活きてきます。
「深層」「中継層」「表層」の各プロセスの連携を見直し、有効な
技術マネジメント手法を導入することが、これからの技術の経営に
必要になってきます。
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《今週のコンサルタント》
生島 一司(いくしま かずし)
アイキット代表
1957年生まれ。大手家電メーカーの研究開発部門にて、ビデオ、
液晶等映像機器、地上波ディジタルテレビ等の研究開発、コンピュ
ータシステムに関する企画、開発等に取り組む。独立後、ベンチャ
ー企業や既存企業の技術、新規ビジネスモデルの評価及び構築に関
するアドバイス、講演等に携わる。大阪市立大学非常勤講師。
《私のお勧めビジネス書》
『真の顧客志向を生むプロダクトアウト戦略』
著者:伊藤 修 出版社:ダイヤモンド社
なぜ、顧客志向だけでは勝てないのか。「昔の」プロダクトアウト
との違いは何か。「真の」プロダクトアウト企業の実例には、どん
なものがあるのか。日本を代表する企業の幹部・若手社員向けに、
これまで筆者が行ってきた講演内容をベースとして、戦略論の本質
を見据えた上で解説しています。
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《編集後記》
生島氏は「第14号」のPM好川氏を始め、4人のお仲間とメルマ
ガを発行しています。専門性が高いのは勿論、個性的で“濃い”方
々です。下記に告知がありますので、ぜひ購読して下さいネ(^.^)!
彼は別のコラムで「遊び心・豊かな想像力・発想力」が結果として
“創造力”を高めていく!と書いています。こんなギスギスした時
代だからこそ“心の遊び”(余裕かな?)がないと、結果的にイイ
仕事には繋がらないのネ。なるほど!そうと決まれば真の“遊び心”
探しに、パワー全開で今日も京都で朝までコース♪おもいっきり飲
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(にしだ)
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