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◇◆◇　経営革新！１００人のコンサルが語る事業成功の秘訣　　　◇
◆◇　　　　　　　　　　　　　第５７４号【11/03/09】　　　　　　　　　　◇◆
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《今日のCONTENTS》

１．『多発する災害と企業の防災対策』　　　　　　　　稲荷　誠

２．新サービス「コンサルタントによる商談紹介！商談ダイレクト」

３．編集後記

４．今週のおすすめセミナーのお知らせ


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『多発する災害と企業の防災対策』


２０１０年も異常気象が原因と思われるような災害がいくつか発生
しました。

奄美大島では、１０月２０日に記録的な豪雨が発生し、多数の建物
が損壊や浸水の被害を受けたほか、電気・電話・水道などライフラ
インも長期にわたり機能不全に陥りました。

また、１２月に入ると関東地方を中心に豪雨が発生し、神奈川県海
老名市では１時間降水量が７２mmと観測史上１位を記録しました。

皆さんも、最近やたら豪雨が発生しているように思われているので
はないでしょうか。実際、気象庁のアメダス観測データによると、
短時間に強い雨が降る回数（１時間降水量が５０mm以上）は、ここ
３０年の間増加傾向にあることが明らかになっています。

「自然災害は企業経営と直接関係ないのではないか」、「防災対策
は行政がしっかり行うべきものだ」と思われる方がおられるかもし
れません。しかし、国・地方自治体は予算不足により十分な防災対
策を取ることが年々難しくなっています。

また、今年発生した災害では、幸いにも民間企業への大きな影響は
ありませんでしたが、過去に発生した地震や水害では大きな被害を
受けたケースが見られます。

私は、過去に大きな災害に遭われた事業者の聞き取り調査を実施し
たことがあります。

その中には、防災対策を行っていなかったので復旧対応がうまくい
かなかったケースや、防災対策を実施していた企業でも、予想して
いたほどうまく機能しなかったケースがありました。

例えば、２００４年に発生した新潟県中越地震の際に、ある金融機
関では被害にあった店舗と本部との連絡を電話で行おうとしたが、
電話が混み合って輻輳し連絡を取るのが難しかったということがあ
りました。

また、ある病院では、地震発生後に停電したので自家発電装置を稼
働させて電源を確保していましたが、道路が寸断されていたため自
家発電の燃料補給が困難になったため、あらゆる手を尽くして何と
か燃料を確保したということを聞きました。

一方で、地域の電力会社では電話が通じないときは衛星携帯電話を
使って連絡を行うことになっており、電話が輻輳していても必要な
情報が取れたといいます。

このように、実際に災害が発生した場合には、適切な防災対策を行
っているか否かがその後の事業の継続や復旧に大きな影響を与えま
す。

事業が復旧できない場合、早期に事業を復旧した同業他社に顧客が
流出するといったことも考えられます。

では、どのようにして必要な対策を行えばよいのでしょうか。

近年、自然災害に加えて、火災や爆発事故、停電、情報システム障
害、新型インフルエンザなど多種多様なリスクを想定し、事業に重
大な影響が発生する場合の具体的対策や手順等を計画する「事業継
続計画（ＢＣＰ）」と呼ばれるものが注目を集めています。

これにより、実際に災害が発生した場合の損失を最小限に抑えると
ともに、早期復旧により同業他社への顧客流出を防止します。

また、平常時には、取引先等のステークホルダーに対してリスクに
強い企業として信用を獲得することができます。

一方、簡易的な方法として、ワークショップ形式で既存の防災マニ
ュアルや体制の課題を議論するものや、大判の地図等を用いて災害
対応を考える図上訓練などがあります。

これらは、時間や費用もかからず、少人数で実施することができる
うえ、参加者のレベルに応じて検討項目を変えるなど、幅広い対応
が可能です。

なお、日本政策投資銀行では、平成１８年度より企業の防災への取
り組みを評価し、その防災格付結果に応じた優遇金利で融資を行う
「防災格付融資」制度を実施しています。

普段は災害について考えることは少ないかと思いますが、一度、社
内の防災対策を見直す機会をつくってみてはいかがでしょうか。


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《今週のコンサルタント》
稲荷　誠（いなり　まこと）
稲荷技術士事務所　代表


「環境ビジネス・防災対策のコンサルティングを展開しております」


１９７６年、奈良県奈良市生まれ。京都大学大学院工学研究科環境
地球工学専攻修士課程修了。三井情報開発株式会社総合研究所、株
式会社建設技術研究所等を経て、２０１０年１０月、稲荷技術士事
務所を設立。環境・防災・経営に関するコンサルティング業務を展
開。



《経営堂・詳細プロフィールはこちら》



《私のお勧めビジネス書》

『フリーエージェント社会の到来
　　　　　　　　　　　　 ─「雇われない生き方」は何を変えるか』

著者：ダニエル・ピンク　　出版社：ダイヤモンド社

私が社会人になってすぐ（２００２年）に日本で発売された本です。
産業構造の変化やＩＴなどの技術革新とともに、企業と個人の関係
が今後どのように変化していくのかについて、様々な側面から描か
れています。私がフリーのコンサルタントを志すきっかけとなった
本の一つです。
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《今週のコンサルタント・インタビュー》


●コンサルタントになったきっかけはなんですか？


　 以前は民間シンクタンクや建設コンサルタントに勤務しており、
　 企業や官公庁を対象とするコンサルティングの仕事に携わってい
　 ました。

　 技術コンサルタントの国家資格である「技術士」を取得したこと
　 で、コンサルタントとして独り立ちすることを考えました。


●コンサルタントとして一番心掛けていることはなんですか？


　 コンサルティングを進めていきますと、クライアントの方が考え
　 ているものと異なる方向性を提案する場面というのが出てきます。

　 この時に、相手方と粘り強く協議を進めることにより、納得して
　 いただける結果となるよう心掛けています。時には、その協議を
　 通して全く新しい方向性やアイデアが生まれることもあります。


●コンサルタントを活用する企業にアドバイスを！



　 コンサルタントを活用するというと、まだまだ敷居が高いと考え
　 ておられる方も多いと思いますが、変化の激しい昨今を単独で乗
　 り切っていくことには限界があります。

　 コンサルタントという外部の知恵をうまく活用されることをお薦
　 めします。


●ＰＲ


　 防災分野やリスク管理のほか、環境に配慮した製品・サービスの
　 方向性、環境ビジネス市場分析など環境経営に関する支援も行っ
　 ております。ぜひお気軽にご相談下さい。


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【コンサルタントによる商談紹介！商談ダイレクト】
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《編集後記》
今週ご登場頂いた稲荷誠さんは、環境ビジネス＆防災対策コンサル
タント。京都大学の環境地球工学の修士であり、シンクタンクや建
設コンサル会社では中央省庁や地方自治体を始めとする幅広い業界
に対して、環境ビジネスや防災対策のコンサルティング業務に携わ
った実績をお持ちです。現在はその豊富な実績と技術士（環境部門）
の資格を生かして、「環境経営」という分野でも活躍されています。

特に環境ビジネスではトヨタ自動車のプリウス等の成功事例を分析
し、今後のエコプロダクツ（環境に配慮した商品）に求められる方
向性や市場拡大のポイントをまとめられたり、国内のみならず、欧
州（特にフランス）における環境ビジネスの最新動向を継続的に調
査したり・・・と、とにかく専門性が高いです。フリーで活躍され
ている若手コンサルタントの中ではとても貴重な存在だと思います。

また今回のコラムテーマでもある「防災対策」も経営において避け
ては通れません。自然災害といえば他国ですがニュージーランドの
地震が記憶に新しいです。我が国でも、大手・中小関わらず、イザ
という時の損失を最小限に抑え、早期復旧により同業他社への顧客
流出を防止する「顧客流出防災対策」も企業には必要だと感じます。
これを機会にリスクに強い企業として信用を獲得してみませんか？

最後に。パリに駐在経験があり、好きな季節である秋が年々期間が
短くなっているような気がして残念です、という稲荷さん。きっと
感性は繊細でロマンティストなんでしょうね〜(*^▽^*)ノ（にしだ）



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