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第106号 出版に成功したコンサルタントに聞く〜加藤正彦氏』

おはようございます。
本多泰輔です。

暖冬です。このまま気温が底上げされ夏が猛暑になるのでしょうか。
ちょっと憂鬱です。

映画「不都合な真実」では二酸化炭素による地球温暖化は地球の危機ということですが、以前、地球の温暖化で食糧生産量が上昇するという話も聞いたことがあります。

あんまり暑いのも困りますが、関東地方でも2毛作ができるようになれば食料は増えますね。アメリカ穀物市場の一番のお客様であるロシアおよびその仲間の国々も、自国の作物で賄えるようになるかもしれません。

沖ノ鳥島は海中に没するでしょうけど。

またまた環境問題が注目されるか、と期待している向きもいるのでしょうな。しかし、環境ベンチャーは99年以降あれほどたくさん法律ができたにも関わらず、どれも上場にまで至りませんでした。

環境ベンチャー華やかなりしころは、いろいろトンデモ商品が飛び出してきて結構面白かったのですが。もはや「夢は枯れ野をかけめぐる」状態です。

今回インタビューしてる著者の加藤さんは、実は私も知っている人で、この度ソフトバンク・クリエイティブから発行された本とは別の企画をしばらく預かり、何社かに声をかけていたのですが私のほうは上手くいきませんでした。

幸い自力で出版に至ったということでホッといたしました。
加藤さん、おめでとうございます。


■編集者の退職でボツ。そして再チャレンジ


樋笠:加藤さん、本日は出張の合間にありがとうございます。インタビューよろしくお願いします。

いまちょうど、東京駅の大丸の本屋さんで著書を買ったところです。赤でけっこう目立ちますね!マンガや事例写真もふんだんに入っていて、すごく読みやすい印象です。


【すごい部隊のつくり方
―集団を強い組織に変える、55のなるほど!ポイント】



加藤:ありがとうございます。タイトルはね、自分の案じゃなくて出版社の人が考えてくださったものなんだけど、この燃えるような赤は気に入っています。熱く燃えるような、熱血のイメージが売りなので(笑)。まだおととい初めて自分で見たばっかりです。


樋笠:いつ頃から出版をしようと?


加藤:3年前に積水ハウスを辞めて、独立した時でしょうか。ハローワークへ 通いながら、時間があったんで300枚くらいしたためいた。それがベースになっています。ただ独立してから3年、いろいろ変化もあったんで、半分くらいは書き直しました。顧問会社での成功例も考慮しています。


樋笠:なるほど。出版に至った経緯を教えてくださいますか。


加藤:独立してから、いろいろ雑誌には取材されました。PHPさんとか、日 本実業出版さんとか、商工にっぽんさんとか、住宅産業新聞さんとか。それでそろそろ本を出そうと、ある出版社に電話して会いに行ったんです。

そこで面白そうだと企画が通って、ライターさんも入って進んでいたんですが、結局、編集者が退職して、全てパーになりました。その後、紹介でお会いしたソフトバンクさんで最終的に決まったんです


樋笠:なんと!そんなこともあるんですね。ライターさんとおっしゃいましたけど、書くのは苦手だったんでしょうか。


加藤:自分でも書けるとは思いますが、やっぱりプロがいいと思いまして。 慣れてみえるし。書いてもらったものを自分でチェックしました。

ライターさんとは、何度か一緒にホテルでカンヅメになって打ち合わせしたり、時には、平日の昼間からカラオケボックスを借りて、そこで打ち合わせしたりしました。

実は、私の弟が編集関係なんですが、構成段階で弟に原稿を見せると「アニキ、こんなんじゃダメだよ」ときつく言われました。著作権や肖像権など、チェックしていないところもあって。 だいぶアドバイスに助けられました。


樋笠:そうですか。色々と苦労の末に生まれたんですね。


加藤:せっかくの機会でしたし、宣伝の紙も1枚5円で挟み込んでもらいました。それからホームページもいま、頼んで作り変えてもらっているところです。


■自分のアイデアには自信がある


樋笠:この本を書こうという動機は、何だったのですか。


加藤:うーん。自分自身のこれまでの総括といいますか。成功体験や仕 事の歓び・楽しみを伝えたかったから、でしょうか。私がいろんな会社に行って、いろんな人に会った感覚では、最近『日本人の勤労意欲は、確実に落ちている』ということを強く感じています。

もっともっと、上司が部下に対して、燃えて、愛情を持って語りかけたり、時には叱ってやることも大事だと伝えたかったんです。私が積水ハウスで現役だった頃の当時の話は、今では残念ながら、遠い昔の伝説のようになっています。

夜討ち朝駆けを奨励する訳ではありませんが、効率だけを追い求めてスマートに仕事するなんて、ちょっと違うんじゃないか?と思います。

組織のチームリーダーの立場にある人は、部下に対して、もっと燃えて、自分らしさや、生きがいや、働きがいを感じてもらえるような指導が必要ではないでしょうか。


樋笠:やはり加藤さんらしいと言いますか、熱いですね!


加藤:私はコンサルタントとしても自分がやってきたことに自信をもっています。6年間ずっと年商30億円止まりだった会社を、翌年から43億、次の年に60億と伸ばしてきた会社もありました。

また、1年間で年商を2.4倍に伸ばした会社もありました。おかげさまでこの1年は150回くらいホテル住まいを経験しました。


樋笠:すごい生活ですね。バイタリティのある加藤さんですから、もうすでに 次回作の構想もお持ちなんでしょうね。


加藤:はい。ひとつは顧客満足(CS)です。私が積水ハウスの支店長だった当時、営業利益をはじめ主な指標は全国1位でした。ところが顧客満足(CS)は92位。

最初は、営業利益1位なんだから文句ないだろう、と思ったんですが、悔しいので大々的に『CS大改革』というスローガンを掲げて、徹底的にやりました。そしてとうとう全国1位となりました!

その体験から、いま企業が行っているCSアンケートの内容がいかに甘いか、いかに会社側のエゴで行われているか、よくわかります。もっと顧客の立場になるべきではないでしょうか?

それから、人材育成。新入社員を1年間でトップ営業マンにする、というテーマです。これも実際にやっていましたから。


樋笠:なるほど。さすが「住まいの参観日」を発案したアイデアマンですね。すごく面白そうな企画だと思いますよ。

それでは最後に、これから出版を目指す方々へのアドバイスをお願いできますか。


■まずは、当たって砕けろ!


加藤:ご自身のやってきたものに、自信がおありなら直接出版社に持っていけばいいと思います。当たって砕けろ、でしょう。10社くらい回れば1社くらいOKが出るんじゃないでしょうか。あんまり深刻に考えすぎず、仕事もゲームのように楽しんだらいいと思います。


樋笠:加藤さん、本日は色々と楽しいお話をありがとうございました!


■あとがき


再び本多です。

私が加藤さんにお会いしたときも、ある出版社で本づくりを進めているということでした。担当者がいなくなったから出版が取りやめになったというのは今回知りました。ご苦労なさったのですね。

しかし、ライターを立てて原稿をつくっていながら、出版をやめるというのはずいぶんお金に余裕のある出版社です。まあ、いろいろ社内の事情があったのでしょうな。

普通、出版の決定は企画会議で行われるものですから、個人の事情で決定が覆されることはありません。不運な事情が重なったとしか思えません。

加藤さんは若者の心に火をつけることのできる人ですから、その辺が「3年でやめる若者」の育成に悩む30代の読者に届けば、著書もよい動きをするのではないかと思います。

がんばってください。

では、また来週。

………………………………………………………………………………
◆◇今週のおすすめビジネス書◇◆

【すごい部隊のつくり方
―集団を強い組織に変える、55のなるほど!ポイント】

著者:加藤正彦 出版社:ソフトバンククリエイティブ ¥1,365

〜業績アップ間違いナシのすごい組織の作り方〜「参観日、参観日、住まいの参観日〜♪」というフレーズでおなじみの販促策のアイディアや数々の業績アップの施策を生み出し、実践してきた元・積水ハウスのトップ支店長である著者が明かす、業績アップ確実のすごい組織運営の方法。


《著者プロフィール》
加藤 正彦(かとう まさひこ)
有限会社CAP 代表取締役

1951年、岐阜県飛騨にて教職の両親のもと出生。父は校長後、大学講師。岐阜県立関高校卒業。生徒会活動と吹奏楽に注力。その後大阪万博をはじめ数々の職を2年の間経験(今でいうフリーター)。 ヒッチハイクで日本一周。中央大学入学、法律家に挫折し中退。法政大学社会学部に編入学。学生時代、数々のアルバイトと、広告、音楽を中心に活動。ゼミは『コミュニケーション論』卒論のテーマ
は『消費者心理』法政大学卒業後、積水ハウスへ営業職として入社。3年間苦労するが、その後、トップ営業となる。44才、当時全国最年少支店長として岡崎支店長に就任。その後首都圏強化の命を受け東京多摩支店長へ。2004年3月独立。



    《編集後記》
 


加藤さんはお写真(プロフィール)のようにガッツポーズの似合う方です。バイタリティだけでなく抜群のアイデアマンですから、コンサルタントは天職かもしれませんね。

サラリーマンからいきなり転身しても(特別なコンサルタント経験はなくとも)、一流のビジネスマンであれば十分通用することを身をもって証明されていると思います(発行者:樋笠)



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出版プロデューサー/本多 泰輔(ほんだ たいすけ)

プロデューサー・本多泰輔氏は、ビジネス出版社(版元)で20数年の経験をもつベテラン編集者から、出版支援プロデューサーに転身した人物です。その考え方について詳しく知りたい方は、本多氏編集のメールマガジン『コンサル出版フォーラム!本はあなたをメジャーにする』のバックナンバーをご一読下さい。

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