おはようございます。
本多泰輔です。
気温は高いのに、株価は低いこの頃です。
北海道の土産の定番「白い恋人」でも、賞味期限改竄がありました。賞味期限は、食品の安全とは直接関係ないのですが、上品な企業イメージだっただけに、痛恨の不祥事だと思います。
夏休みに北海道へ行って買ってきた人、あるいは土産にもらった人、多いんじゃないでしょうか。
ちなみに、食品の安全に直接影響するのは品質保証期限です。それだけはちゃんと確認して食べましょう。
消費者は、買うときには賞味期限を気にするが、一度買ってしまうと品質保証期限さえ気にしないで食べてしまい、お腹を壊してからメーカーにクレームをつける人もいるそうです。
こうした問題が多発する背景には、賞味期限という品質劣化とは無関係の何だかわからない中途半端な表示に対する、業者と消費者で大きく異なる認識の違いがあると思います。
賞味期限というのは、新鮮重視の生鮮食品と干物、塩辛のような加工食品をいっしょくたにした考えですからね。
さて、今回の樋笠インタビューは、テレビショッピング業界のインサイダーに迫る本のようです。
■まだまだ少ない、テレビショッピング業界の情報
樋笠:ビューエルさん、この度は第一作目の出版おめでとうございます。テレビ通販は、まさにご専門分野ですね。
【なぜ、テレビショッピングで買ってしまうのか?
−4兆円マーケット「通販」のしかけと舞台裏】
BUELL:私は業界の中で仕事をしている者なので、最初お話をいただいた時には、いったんお断りしたんですよ。
正直、どこまで書いていいのか含めて、恐かったといいますか、関係者にご迷惑がかかるのが心配でしたので。
それでも編集者の方から、業界を暴露するような意図でなく、公明正大にテレビショッピングの業界について知ってもらうような本にしましょう、と説得されまして・・・。
樋笠:なるほど。確かにインサイダーのお一人だけに気を遣いますね。そもそもこの企画になった経緯をお聞かせ戴けますか?
BUELL:私自身の疑問で、2011年に地デジへの切り替えが決まっている中、果たしてテレビショッピングの業界はこれからどうなっていくのか。その将来についてより突っ込んで調べてみたかったのが、そもそもの動機なんです。
実際に私自身、あらゆる文献や国会図書館で、テレビショッピング業界について調べてみたんですが、過去の断片的な調査データはあるものの、今後の将来展望について書かれたものは、ほぼ皆無だったですね。
それじゃ著書という形でまとめるという大義名分があれば、業界キーマンの方々への取材やリサーチもできますし、出版という形をとったというのが経緯です。
樋笠:中経出版さんとは、何かご縁があったのですか?
BUELL:実は、最初は違うモノを出版しようと考えていたんです。
女性企業家として私が経験してきたことをまとめようと考えていたんですが、そのお話を持ち込んだ中経出版の編集者の方に、テレビ通販の専門であることに非常に興味をもっていただいて。
それで色々と質問にお答えしているうちに、ぜひテレビ通販のテーマでお願いしたい、と説得されたんです。
■なぜ、奥さんはテレビショッピングに夢中なのか?
樋笠:そうでしたか。私が編集者でも、やっぱりテレビ通販の企画で書いて欲しい、と言うと思いますよ。最近もビリーのDVDがブレイクしましたし、やっぱりすごく勢いがあって、気になる業界ですからね。
BUELL:みなさん、そういうご関心があるようですね。
身近な体験として、男性のみなさんは、なぜ奥さんが次から次へとテレビショッピングで買い物をするのか?よく実物を見ないでモノを買えるな・・・と素朴な疑問があるようですね。
それで、私が業界の市場規模や、専門会社の売上などを少しお話しますと「そんなに!」と大概びっくりされるんですよ。
例えばカタログ通販の千趣会さんは、売上1000億円規模ですが、何十年の歴史で積み上げたものです。
一方、テレビショッピング専門会社の中には、浅い歴史の中で、1000億円近くを売り上げているところもあります。
樋笠:それはすごい規模ですね・・・。そういったお話は意外と業界関係者にしか知られていないんでしょうね。
BUELL:そうかもしれません。
この本の企画をスタートさせるときに、まず中経出版の編集者の皆さんから、テレビショッピングについて知りたいこと、聞きたいことを、挙げていただきました。
そうして集まった質問の中から、答えられるもの、ちょっとこれは無理だな・・・というものを選別して、目次を決めていったんです。
ですから一般の方がテレビショッピングについて疑問に思っていらっしゃる内容も多く盛り込んでいると思いますよ。
例えば、テレビショッピングってお金を払えば何でも宣伝してもらえるの?という疑問であったり。実際はそうじゃないんですけど。
それから、よく「注文が殺到しています。残りわずか!」っていうのはヤラセじゃないの?と思った事だったり。
テレビショッピングの中でも、キー局のもの、24時間専門チャネルのもの、時間枠を買っているもの、など、それぞれ全く違うのですが、そういった業界事情についてもわかりやすく説明しています。
樋笠:それは面白そうですね。やはりビューエルさんご自身でも実際に番組に出演されていますし、リアリティがあります。この本、新書というのは何か理由があるんですか?
BUELL:中経出版さんの考えです。私はよく分かりません。
樋笠:おそらくビジネス書の範疇というよりは、広く一般の読者に読まれることを狙っているのかもしれませんね。それとも、何らかの特殊事情があるのかも・・・。いずれにしても、多くの人に読まれると良いですね。
■コンサルタントなら、実体験に基づいたテーマを!
樋笠:では最後に。これから出版を考えていらっしゃるコンサルタントの読者の皆さんへ、アドバイスをお願いできますか?
BUELL:私自身、コンサルタントと呼ばれるのが正直、あまり好きじゃないんですね。といいますのも私の会社でも過去にコンサルタントを実際に依頼して、ガッカリした経験が何度もあったんです。
なぜなら、教科書に書いてあることや、もっともらしいセオリーを語るばかりで、実際の現場や、経験に基づいているかというと、そうでなく、本当に役に立たなかったんです。真剣勝負のビジネスですから、それじゃ困るんですね・・・。
プロのコンサルタントなら、ぜひ、実体験に基づいた、現場で本当に役に立つ内容を書いて欲しいと願っています。
そういった方が一人でも多くなれば、世の中のコンサルタントに対する認識も良くなっていくのではないでしょうか。
樋笠:私も業界関係者のひとりとして、そういうご意見をしっかり受け止めたいと思います。ビューエルさん、本日はありがとうございました!
■あとがき
再び本多です。
テレビショッピングというと、各民放の深夜に延々と放送してますが、だれが見てるんでしょうね。わたしは見てますけどね。
最近までは、ロディオマシーンというのが欲しいなあと思っていました。あと、鷹の目を持つサングラスというのも印象的でした。
そういえば絶対に真っ直ぐ飛ぶドライバーという魅力的なグッズもありました。万能レンチとかガソリンに混ぜるとエンジンの調子がよくなる魔法の液体とか、微妙なものもありましたね。
けっこうなつかしいですね。結局買いませんでしたけど。
インタビュー中に新書とありますが、中経出版、新書はまだやってないはずですから、新書サイズの軽装版ということだろうと思います。
ただ、ゆくゆくは新書シリーズに発展させるつもりかもしれませんが。最近はコンビニに展開している出版社が多いので、今後、軽装本が増えていくのかもしれません。
ペーパーバックはすでに出尽くしてますから、サイズに変化をつけるのでしょう。
ではまた来週
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◆◇今週のおすすめビジネス書◇◆
【なぜ、テレビショッピングで買ってしまうのか?
−4兆円マーケット「通販」のしかけと舞台裏】
健康器具、電化製品、調理器具、ダイエット商品―。最初はその気はなくても、テレビショッピングを見ているうちに、思わず電話の受話器に手が伸びてしまう。ついつい買ってしまうのはナゼ?
「1時間で1億円」を売り上げるといわれるテレビショッピングの魅力と舞台裏をのぞいてみませんか?ビリーズブートキャンプはなぜバカ売れしたのか、その理由も解明します。
著者:芳子ビューエル 出版社:中経出版 価格:798円
(目次)
第1章:つい今日も買ってしまう!テレビ通販
第2章:なぜ見るたびに買いたくなってしまうのか
第3章:テレビ通販業界の舞台裏をのぞく
第4章:テレビ通販のキープレーヤー
《著者プロフィール》
芳子ビューエル(よしこ びゅーえる)
株式会社アルト 代表(コンサルに特化したメーカー支援プロ集団)
株式会社アペックス 専務取締役
「マスメディア通販参入支援、BtoB、商品企画コンサルティング」
群馬県の高校卒業後、カナダに渡り公立ダグラスカレッジにてジャーナリズムを専攻。卒業後カナダ、ブリティッシュ・コロンビア州のBenndorf-Verster Ltd.にて女性初の営業マンとして採用される。帰国後89年に専門商社アペックスを設立。01年、テレビ通販事業を開始。主に北欧を中心に寝具、生活雑貨の輸入販売を行う一方、商品をテレビ通販、カタログ通販で世に出す業務を行う。また自らもゲストとしてテレビショッピングに数多く出演。97年からJETROの輸入専門家として活躍。日本市場にまだ紹介されていない商品を発掘、メーカーを招待して日本市場への理解と相互交流の促進を図る等、日本企業と海外企業のマッチングの場を提供し続けている。現在、通販コンサルタントとしても活躍中。夫はカナダ人。
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