こんにちは。
先日、ある人と新宿歌舞伎町で飲んでおりましたら、西武新宿駅から100メートルと離れていない店なのに、客がわたしたちしかいないという現象の遭遇いたしました。まだ9時(もちろん午後のです)過ぎだというのに。
店の人は、別に珍しいことでもない風な様子で、最近は土曜日だけは3時までやっているけど、それ以外は早めに店じまいするとか。あの歌舞伎町でもそのような状態なのですね。
このところ新宿は通過することが多かったので、やはり頻繁に行かなければ情勢判断に劣るようになると痛感した、今日この頃の本多泰輔です。
映画「沈まぬ太陽」が、3時間10分という大作ながら、ヒットしているようです。角川グループ各社のみなさま、おめでとうございます。歌舞伎町でいっしょに飲んでた人も「見た」と言ってました。出張先で見たそうです。
出張先で、3時間10分も時間があるなら、もっと仕事するか、さっさと帰ればいいのにと思いましたが、そうは言わずに、文化度が高いと感心したふりをしつつ、日航の再建問題もあって観客動員につながったのだろうね、などとぼんやりした感想を語っていると、もう一人の人が「えっ!あの映画は日航がモデルだったの?」と思わぬ方向から発言。
こういう人もいるのですから、JALは執拗に映画の中止など求めず、静かにしていれば映画もここまでヒットしなかったかもしれません。JALは、なんかやることが裏目裏目に出てますね。間が悪いときというのはそういうもんですけど。
お世話になった会社がJALの仕事をしているので、JALはどうなってもいいのですが、旅客も貨物も飛行機だけはちゃんと飛ばして欲しいと思っています。
ところで、映画「沈まぬ太陽」の感想で一番面白かったのは、元日航職員の人が語ったという「映画は事実に反するところも多い。もし、本当に恩地のような男が一人でもいたなら、会社はあそこまでひどくはならなかった」というコメントでした。
日航もOBはけっこうウィットが効いてますな。
■どんなテーマが売れるやら
今月は2週続けてプロデュースした本が出たのですが、いずこの版元も慎重路線ですね。
まあ、別に冒険して欲しいとは露ほども思いませんけど、あつものに懲りてといっても、あつかったのはもうだいぶ昔のことなんだから、いつまで昔のことを憶えているんだよ、いいかげん忘れてもいいんじゃないの、という気がします。
とはいえ、出版社の倒産は多いし、だいたいつぶれたのは冒険的出版をしていたところが多かったですから、もって他山の石としているのかもしれません。ま、しかたありません。
しかし、刷らなきゃ売れないのが本ですから、そんな状況では印税も渋いわけで、本が出て行かないことにはプロデュース業も干上がってしまいますので、なんとか数を出すべく日夜、というか夜は歌舞伎町にも行かなくてはなりませんので、もっぱら昼間に呻吟しているわけです。
で、ま、いろいろと思いつきで企画をあげるのですが、自分で書けるわけじゃないので、どこかに書ける人はいないかと目を配っているのですが、諸般の事情で渡りに船というのはなかなかありません。
いま、こういうテーマが書ける人がいないかなあと思っているのをざっとあげると、
1.『在庫はこうして増えていく!』
2.『情報鑑定力』
3.『会話が下手だと思ったら読む本』
4.『自分の中の鏡を磨く技術』
5.『社会人基礎力をつける本』
6.『生涯デフレの時代に生まれた人のライフプラン』
てなところですか。いかにも思いつきっぽいものばかりですが。
■思いつきが本になることはけっこう多い
そうはいっても、いままでプロデュースした本は、すべてはないですが、ほとんど思いつきのテーマでしたから、私自身思いつきで生きてるようなものです。
それぞれちょっとだけ説明を加えます。
(1)の在庫管理の本は、類書がたくさんありますけど、在庫が増
えていく原因をシステム寄りから、組織の人間寄りに捉えてみたい、
つまり社長の企画だから捨てられない本みたいなものが、たぶんほ
かの業界にもあるんだろう、という発想からスタートしています。
ほかにも上司と取引先の人間関係とか、上司の面子とか、俎上に上
げると藪蛇になるからといつの間にかアンタッチャブルな在庫になってしまうものというのが、組織にはきっとあるんだろうなという推測から、そのへんに切り込んでみたいという思いつきです。
在庫は結局人が増やしていると。
格別、珍しいテーマでもないので、光る実例があるかどうかが鍵なのだろうと思います。難点は、いま在庫が増えるような経済状況ではないので、すぐに出るタイミングではないということですね。
(2)の情報鑑定力は、まあ、そのままです。
ネット上に氾濫する情報の真贋を見分ける技術といいましょうか。
だいぶ前からの思いつきなんですが、なかなか著者にめぐり合いませんね。この本が出ていたら結婚詐欺で犠牲になった人も救われたかもしれません。
(3)は、もうどこかの出版社でやっているかもしれません。というか、やってるでしょう。類書はすでにたくさん出ていますから。
本企画からして、お分かりのとおりすばる舎のパクリです。これはもう早い者勝ち、すでに遅いかも知れません。出尽くす前に出して逃げ切った人の勝利ですね。
(4)は、いわゆる自己啓発書です。絵画の初心者は、人物画を描いていくと、次第にモデルの姿形から離れどんどん自分に似て来るということがあります。
人は自分に似せてものを見る。いったん自分の中の鏡に映った形が外の世界と見ているのです。したがって鏡にゆがみやくもりがあれ
ば、外界の認識も誤ったものになる。
なんか『鏡の法則』っぽいですが、あれから3年くらい経つし、そろそろもう一回いけるんじゃないかという、柳の下のどじょうをねらったものです。
■最後の企画はハイリスクハイリターン
(5)は、経産省お墨付きなのですが、いまいち世間の認知度が低い「社会人基礎力」を、就活力アップの道具に仕立て上げようという目論みです。
しかし肝心の企業が「社会人基礎力」に対し感度がよくないので、企画者本人もどうなのかなあと思っています。
最後の(6)、生涯デフレ時代というのは、バブル崩壊後に生まれた人は、ひょっとすると一生インフレ経済を経験することがないかも・・・、という思いつきからの発想です。
バブル前に生まれた人でも、もの心つくころにバブル崩壊していれば、やはり一生をインフレの記憶なく終えることになるかもしれません。
デフレ時代のライフプランというのは、類書がありますが資産運用の本ばかりなので、切込みが浅い。しょせん金融商品への誘いですから。
しかし、本企画では、もはや住宅ローンなど組んで家を買うの止めよう、借金返済があれば競売でもかけて整理し、賃貸に住んでお金を残せ、車もレンタカーでいい、という超ラディカルなライフプランを提案したいという衝動に駆られております。
生涯デフレならそのほうが得ですから(たぶん)。
これはひょっとすると相当売れるか、あるいは大顰蹙になるか、どちらかだと思います。
そんなわけで、もし書けるよというかたがいらっしゃったらご一報ください。
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