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第185号 『出版社は著者をどうやって探しているのか』

もうすぐ師走、みなさまいかがお過ごしでしょうか。3カ月のごぶさた、本多泰輔です。

まさかその師走に国政選挙があろうとは、夢にも思っていませんでした。諸事に見通しが悪いのは昔からですが、ことに選挙がらみだとほぼ例がなく間違えます。都知事も辞めるとは思いませんでしたし。

アメリカ大統領選は現職が勝利、中国のトップは交代、果たして次の選挙で日本のトップは替わるのか、たぶん替わるでしょうね。

さて、意味のないイントロは短縮しまして本題です。

本メルマガ、スタートのころにやったテーマですが、もうだいぶ経ちますので忘れてしまった方もいらっしゃるでしょう。

そこでもう一度、取り上げることにいたしました。そんなわけで本メルマガ、しばらく継続して発行します。

■昔ながらの探しかた

出版社、実際に著者開拓を行っているのは編集部ですから、編集部
はどうやって著者を探しているかといいますと次の3つです。

1.書店(ネット書店を含む)で探す
2.だれかに紹介してもらう
3.書籍以外の媒体から探す

いまも昔も1と2が主力で、たぶん全体の9割を超えるのではないかと思います。

メルマガ、ブログがスタートしたころは、ネットで著者探しというのが増えましたが、いかにネットとはいえ、無尽蔵にけっこうなタレントが現れるわけではなく、やっぱり実績のある人のほうがという具合に、著者探しは先祖がえりしたように見えます。

書店といってもリアル書店に脚を運ぶ人は減り、ネット書店を利用する人が多くなったのは間違いありません。

基本は売れてる本の後を追いかけるのですから、テーマで絞り込めばネット書店のほうが類書は探しやすい。そうして何冊か実物を取り寄せ読んでみて、さてどうするか判断するわけです。

この方法だと本を出していない人にはチャンスがやって来ない。圧倒的に、本出した人のほうが著者になりやすい、本を出すために最初の本が必要と言うのは難儀な話ですが事実です。

では、まだ1冊も著者がないという新人の本がヒットすることもあります。出版社は著書のない人をどうやって探しているのか。圧倒的に多いのが2の紹介です。

著者から紹介されることもありますし、印刷会社の人から紹介されることもありますし、実は他社から紹介されることもあります。そういえば税務署から紹介されたこともありました。

要するに出版社周辺の関係者、ステークホルダーから縷々紹介を受けるわけです。紹介されたからといって、必ず何か書いてもらうということはありませんけれども、紹介者とは頻繁に顔を会わす仲ですから忘れられることはありません。

紹介者の顔を診るたび自然と機会があったらという意識になります。


■ネットは有効な手段か

著者がない、紹介者もいないという場合は、3のその他のメディアで探すということになります。

実際、ほとんどの場合1と2で決着がついてしまいますが、そうはうまく行かない時には他のメディア、つまり新聞、雑誌、テレビ、ラジオ、講演会などを渉猟いたします。ほとんど有名人しか見つかりませんが、たまに大学教授で意外に現場に詳しい人、狭い範囲で活躍しているけど潜在能力のある人、そして極めて稀に埋もれた逸材などに行き当たることがあります。

ただし、あまりにもメディアの数が多いので、見つけるほうも見けられるほうも確率の低さは織り込んでおかなければいけません。

この他のメディアの範疇にネットも含まれるのですが、いまネットで著者を探すという編集者はどのくらいいるのか、正直言うとよくわかりません。

知る限りでは、ネットは著者探しのメディアというより情報の絞込み、または確認で使っている(いままでどんな本を出している著者なのか、あるいは著書はないがネット上に文章がある時はそれを読んでみるなど)人しかいません。

それでも時々ブログから発掘したりしていますから、ネットが無効ということはありません。ただ、ま、何かを探そうとするには数が多すぎますね。


■もちこみ企画はどうなる

もちこみ企画、もちこみ原稿は3の次に位置します。3でもあまり有力なポジションとは言えません。その次ですからこれはかなり厳しい位置です。

もちこみが陽の目を見るのは、1%ないと思います。

陽の目を見ないと著書は出ない、著書が出ないと出版社者の目にとまるチャンスがない、さりとて紹介してくれる人もいない、一体どうすりゃいいんだ! というわけでこのメルマガを始めたのですが、実際のところすっきりとした解決策があるわけではありません。

せめて1%を1.2%くらいに上げる方法を模索するか、経済力で近道をつくってしまうか、その辺はまた次の機会に。

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◆お知らせ◆
2年ぶりに「出版セミナー」を開催します。
今回はダブルテーマで講師もダブルキャストで行います。

第1部は「いまビジネス書の出版社が求めている著者」で、中堅ビジネス書出版社、ベストセラー『日本で一番大切にしたい会社』の記憶が新しいあさ出版の佐藤社長にお話をいただく予定です。

第2部は「自費出版の効果と限界」で、実際に自費出版の現場にいる日経BPコンサルティング・カスタム出版部の今野プロデューサーと安藤プロデューサーにリアルな情報を提供して頂く予定です。

http://www.keieido.net/publish-seminar.html

コンサル出版フォーラム主催
『ビジネス出版セミナー 2013』

日 時 2013年2月13日水曜日13:20〜16:50
会 場 ちよだプラットホームスクエア(竹橋)
千代田区神田錦町3−21

講 師 第1部「いまビジネス書の出版社が求めている著者」
佐藤 和夫氏(あさ出版代表取締役)

第2部「自費出版の効果と限界」
今野旬一郎氏・安藤かおり氏(いずれも日経BPコンサルティング・出版部プロデューサー)

参加費 10,000円(税込)※先着順に受付

第1部「いまビジネス書の出版社が求めている著者」の講師、あさ出版の佐藤社長はビジネス書の出版に40年以上携わってこられ、そして今日も第一線でご活躍中の、ビジネス書のことなら知らないことがない超ベテラン編集者です。

あさ出版の出版物には、ベストセラーとなった『日本で一番大切にした会社』のほか、いま話題となっている『新幹線 おそうじの天使たち』『夢に日付を! 夢をかなえる手帳術』など多くのヒット作があります。

また、あさ出版は優れた新人著者を次々と発掘することで業界でも定評のある、著者開拓型の出版社です。新人著者とは、過去に出版の実績のない人のことを言います。

では、実際にどのようにして著者を探し出してるのか、どのような規準で著者を選んでいるのか、編集現場のリアルなお話を期待したいと思います。

さらに、持ち込み原稿や持ち込み企画の運命や出版社へのアプローチはどんな形がベストなのかなどなど、細かい情報もさることながら、40数年にわたりビジネス書業界の中心にいた佐藤社長には、これから著者と出版者の関係についても多くのサジェッションをいただけることと思います。

第2部の「自費出版の効果と限界」は、なぜ出版セミナーで自費出版なのか、お金を払ってまで聞く話か、と訝しく思われるかもしれません。

しかし、現実に企業家やコンサルタント、士業の人たちで自費出版をしている人は多く、また、自費出版のお誘いを受けて迷っているという人のお話もよくうかがいます。

自費出版といえど、いまや書店に流通するのが当たり前で、外形的には通常の出版と区別がつきません。自費出版からベストセラーになるというのも一つや二つではなく、自費出版はすでに無視できない出版の形態となっています。

それなら、自費出版のメリット、デメリットについて、しっかりした情報をしっかりした人に提供してもらうことは重要であろうと、信頼できる日経BPコンサルティングの今野プロデューサーと安藤プロデューサーにお話いただくことといたしました。

通常の商業出版であれ、自費出版であれ、いかなる形の出版であろうと著者にとって最適であれば、それが最善の出版であるということは間違いありません。このセミナーでは、その点を追究してみたいと考えています。(本多)

●お申し込みはこちらまで
http://www.keieido.net/publish-seminar.html

 



   《編集後記》
 
かろうじて廃刊を免れるペースで発行を続けるコンサル出版フォーラムメルマガですが、このたび、2年ぶりの出版セミナー開催が決定しました!過去にもセミナー参加者から数多くの著者を輩出しているセミナーです。すべて本多さんのプロデュースという訳ではないんですが、それだけ意識の高い方が参加されている証拠だと思います。来年こそは出版、という方はぜひご参加を!(発行者:樋笠)





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