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経営を変えるマネジメントコーチ入門
第2回 「ビジネスの楽しさを思い出しました」        

株式会社すごい会議 大橋 禅太郎 


某上場企業の取締役から「ビジネスの楽しさを思い出しました」とメールをいただいた。
いろいろな感謝状をいただく中でそのメールを素直に嬉しかった。
 
多かれ少なかれ、日々やらなければいけないことに時間を費やすことはビジネスをやっていく上でどの会社でも起こることだ。だがあまりにも多くの経営幹部が「現状の被害者」となっている。 

彼ら(現状の被害者)は必ずこのフレーズを言う:「○○なので△△出来ないのですよ」
(例:営業に力がないので売れないのですよ)

ビジネスコーチとしてすぐさま経営者の方にお願いするのは、「△△」の部分を「どのようにすれば〜〜出来るだろうか?」という文章にして、口に出してもらえますか?

例:「どのようにすれば売れるようになるだろうか?」

そこで、最初の言い方「営業に力がないので売れないのですよ」と次の言い方 「どのようにすれば売れるようになるだろうか?」ではなにがどう違いますか?と質問をさせていただく。

ある企業で総務部長殿が「会社がおもしろくないんですよ」とおっしゃられたので、同様に「どのようにすれば〜〜出来るだろうか?」の形にしていただけますか?とお願いした。

総務部長: 「どのようにすれば会社が面白くなるだろうか?」
コーチ: 「なにがどう変わりましたか?」
総務部長: 「そんなこと考えたことなかったです」
コーチ: 「そうですね、クイズの形にすると自然と考えてしまいます。で、もっと面白いクイズにしたら、もっと沢山の人が答を考えてくれると思います」
総務部長: 「どうすればいいんですか?」
コーチ: 「それが起きたら素晴らしいという状況を思い浮かべて、どのようにすれば〜〜出来るだろうか」の文章を創ってみてください。
総務部長: 「なるほど、では、どのようにすれば渋谷一魅力的な会社が築けるだろうか?」
といった具合である。 コーチは、言葉の微妙な使い方を明確にし、かつ「深刻でなく真剣に」問題を対峙する機会を与える。
 
これらは全て短期間に学習可能な能力なのである。

前述の取締役の方は、今までどうしても立ち上がらなかった新事業を、これらの技術を使い90日間で、千万円単位の発注を得るチームへ変革された。
 
途中当然思うほど上手くいかない場面にこれでもかというほど遭遇する。

それが「おもしろい」と思えるようにするのがマネジメントの重要な役割であり、コーチングはそれを実現するための具体的な方法と勇気を与える。



■バックナンバー 

第1回 「経営には実証済みの手順を使う」

第2回 「ビジネスの楽しさを思い出しました」
第3回 「問題解決」

■大橋 禅太郎/株式会社すごい会議 代表取締役
http://www.managementcoach.com/
1999年に当時僕がシリコンバレーで起業していたガズーバというベンチャーで、マネージメントコーチのサービスを受け、チームに、そしてなによりも自分自身の中でブレークスルーが起きました。2001年、今度は僕がコーチになることにしました。根っからのビジネス好きで、小学校5年生の時には、同級生に株券を発行していました。日本や、米国でビジネスをスタートし、マネージメントコーチの一つ前が、ガズーバ(2002年コラボラシスに売却)というシリコンバレーのインターネットベンチャーでした。ビジネスをスタートしていく中でのいろいろな喜び、苦悩、発見、おちこみ、青空、台風を経験していく中で、マネージメントコーチに出会いました。当時10数名で、才能とエネルギーに満ちた集団でしたが、マネジメントとしては空回りしていた僕達が、一つの方向に向けて、数々のチャレンジをぶちのめしながら進んでいけるようになったのです。結果会社は約半年で60人を超える組織となり、1000万ドルを超える出資を受けることが出来ました。2000年の秋に、日本で講演をさせていただく機会があり、シリコンバレーのベンチャーの中で面白いと思われる、マネージメント・コーチの話をすると、経営者の方々から「あなたがやってみれば?」というコメントをいただきました。それがきっかけとなり2001年1月から日本でパイロットプログラムを始め、リクルート、プライスウォーターハウス、ネットイヤーといったお客様から、当時日本でほとんど実績の無かったサービスにご理解をいただき、サービスを開始することができました。
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