さて、このようにして作った企画は、普通は「プロジェクト憲章」と呼ばれる企画書としてまとめられます。そして、そのプロジェクト憲章に従って、実際の計画に落としていきます。
計画でまず、行うべきことは、「範囲」の決定です。
過去の顧客の中から優良顧客をピックアップしてアプローチするといっても、10年前からの顧客と、20年前からの顧客では作業量はぜんぜん変わってきます。そこで、まず、この点を明確にする必要があります。
その上で、まず、成果を達成するために何をしなくてはならないかを明確にします。ここでは、「WBS(ワークブレークダウンストラクチャー)」という手法がよく使われます。
これは、成果物を分解していき、分解された成果物を得るための具体的な作業を決めていくという方法で、もれなく作業を行うには有効な方法です。
そのようにして、行うべき作業を洗い出したら、それぞれの作業をいつやるかを決めていきます。つまり、スケジュールです。スケジュールを決める場合に問題になるのが、何人でそれぞれの作業をやるかです。
つまり、100社の顧客へのアプローチを1人で行えば300日かかったとしても、100人でやれば3日で終わります。ただし、費用も100倍かかるわけで、予算が許す範囲と、いつまでにやらなくてはならないかという制約(納期)の中で、その作業にかけるべき人数を決め、その人数でやる場合の実施時期を決めるのがスケジューリングという作業です。
ここでは、最適なスケジュールを求めるために「PERT」という手法が良く使われますが、これについては詳細は省略します。マイクロソフト Projectなどのプロジェクトマネジメントのツールの中には、自動的に使えるように組み込まれており、このようなツールを使えば、自動的に最適なスケジュールを決めることができます。
これで終わりかというとそうではありません。
「リスク計画」を作っておく必要があります。詳細は次回に説明しますが、要するに作成したスケジュール通りに、作業ができない可能性があるとすればどんなものかを洗い出しておき、その対策を予め立てておこうという計画です。
|