明日から使える新規事業講座 |
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新規事業開発において「市場調査」は重要な鍵を握ります。
なぜなら、市場調査結果は、ヒットする企画を生み出せるか、または事業計画が市場に受け入れられるかどうかの試金石となるからです。
しかしながら、市場調査はお金がかかるもの、お金をかけなければ良質な調査結果や情報収集ができないという誤解が世間にはびこっていることも事実です。
ここではお金をかけずに市場調査を行う方法をご紹介しましょう。
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1.日々の情報収集が良質な企画づくりに大事 |
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市場調査には、大別すると「企画をつくる目的」と「企画を検証する目的」の二つの目的があります。
良質な企画は、日々の情報収集活動の中で、新しい気づきを得ることから生み出されることが多いため、まずは日々の情報収集を徹底的に行ってみましょう。
参考までに、企画をつくることを目的にした場合の、私の情報収集方法もここでご紹介したいと思います。
まずリアルの媒体では日経三紙と雑誌を月々30冊以上通読します。
新聞や雑誌は気になる記事を全て切り抜き、テーマごとに分けたクリアファイルを作って、整理して収納します。更に情報の鮮度を保つために三ヶ月に一回は入れ替えをします。
もちろん雑誌はビジネスからファッションまで幅広く目を通すことがコツです。
次にネット媒体では、メールマガジンを100誌以上毎日通読し、業界キーマンのブログを10サイト以上、業界レポートなども5サイト程度毎日目を通します。
実は、これだけでも良質な企画作りを行うための情報収集や事前調査は、手軽にお金をかけずに出来てしまうものなのです。
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2.検索エンジンに頼らず足で稼ごう! |
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次に、完成した企画が市場に受け入れられるかどうかの調査方法ですが、これはネットに頼り過ぎないことが大切です。
目標として、検索エンジンも、活用するのは30分以内にとどめましょう。
それよりも、現地や現場に行き、現物を触る中で肌で感じることです。
実は左脳的に市場を読み解いた後は、右脳的にお客さまの立場になって、皮膚で感じることが最も効果的な調査になることを覚えておきましょう。
どうも、検索エンジンに頼りすぎる方が多いようですが、同じことは競合企業もしていますので、注意が必要です。
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3.まずは身近な人から!
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市場調査というと、調査会社に高額な料金を支払って、モニタから意見を聞きだしてもらうというスタイルを思い浮かべる方が多くいらっしゃいます。
しかし、まずお客様と想定される層の意見や声を聞きたければ、自分の周りの身近な人、30人程度に聞いてみてください。
面倒くさがって、これを怠る方が多くいらっしゃいますが、実はこれが一番手軽でお金のかからない調査方法でもあります。
また、私の経験的には調査会社のモニタの意見と身近な人の意見は差がありません。
そのため、まずは身近な人を捕まえて意見を聞くことが大事なのです。
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4.自らの手足をフル稼働させることが大事 |
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私のクライアントには予算がなくて調査会社に委託できないという場合が結構あります。
そこで、私はお金のかからない調査方法を編み出し、提言してきました。
ところが、お金をかけない調査方法とは、特別に難しいものでもなく、とにかく面倒くさがらずに自らの手足をフル稼働させることに尽きるということが分かりました。
調査はお金をかけずに、まずは手足をフル稼働するところに、新規事業の成功も隠されていることを覚えておきましょう。
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■バックナンバー
第1回 「事業企画のための3つのレンズ」
第2回 「事業計画はビジネスモデルが鍵を握る」
第3回 「市場調査にお金をかけるな!」 第4回 「戦略はシンプルに考えよう!」 第5回 「損益計画は難しく考えなくてもいい!」 第6回 「新規事業の成功の秘訣は組織運営にあり!」 |