明日から使える新規事業講座 |
第6回 『新規事業の成功の秘訣は組織運営にあり!』
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新規事業開発において事業計画以上に大切なもの、それは大前提となる組織運営にあります。
組織運営が正しくなされていなければ良い企画も宝の持ち腐れになってしまいます。
そこで、今回は組織運営面から新規事業の成功の秘訣を探ってみたいと思います。
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1.新規事業を聖域扱いに! |
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多くの企業は新規事業の扱いを、他の事業部と同じ扱いにしてしまう場合が多くあります。例えば、新規事業の業務も他の事業部の事業と同じような扱いで評価してしまう場合。実績や人事評価も他の事業部と同じような査定基準で見てしまう場合などです。
しかし、ここで間違ってはならないのは、新規事業は他の事業とはまったく別の業務であることを経営者は理解しなければなりません。なぜなら、未知なる新しい取り組みは、その業務のスピードも、業務の内容もまったく既存事業とは異なるからです。
ゼロから企画を作って、事業計画を作成し、経営資源を調達して、実行していく。しかも壁にぶつかってばかり。こんな難しい業務に他の事業部や既存事業の基準は何も通じないわけです。
したがって、私は新規事業を担当しているメンバーにだけは、聖域扱いして「社内経済特区」を設けるべきだと日々説いています。
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2.社内経済特区は、トップの姿勢から |
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前述したように新規事業は社内でも聖域扱いされるべきですが、問題は聖域に対して社内で不公平感が生まれてしまうリスクがあることです。実は、経営者はこれを一番恐れてしまいます。
しかし、新規事業は将来の本業を作ることに他なりませんので、他の社員にどう思われようと、意地でも推進し、新規事業を担当している社員を守らなければなりません。
言い換えれば、経営者が新規事業担当者を最後まで守りきれるかどうかが、成功の鍵を握るとも言えるのです。
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3.片手間か?本気か?
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新規事業支援に携わっていると、経営者が本気でやる気があるのかどうか疑わしいと思うことがよくあります。実は、突き詰めて考えていくと、経営者の多くの本心は、「新規事業がうまくいけばいいなぁ〜・・・」、「社員が良い企画を出してくれたら嬉しいなぁ〜・・・」などとどこか他人事のような気持ちを持っていることが多いのです。
または、願望ばかりで本気で成功を考えてないというケースもよく見受けます。つまり、「新規事業が必要なことは分かるけど、本気で取り組むのが怖いので、少し号令はかけるけど、様子を見よう」という考えのようです。
これでは、成功などするはずがありませんよね。片手間や受身ではいけません。組織運営の以前の問題ですが、よく見る光景であることも困りものです。新規事業のプライオリティを上げて、是非全力で取り組んで頂きたいものです。
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4.缶詰研修で本気創出と優良な企画創出を! |
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さて、最後になりますが、私は本気で新規事業に取り組み、優良な企画を創出するには、缶詰研修が一番いいと思います。研修中に、必要なスキルを習得しながら、企画の目標設定を行って、社員には期間中に必ず企画を提出してもらう。そして、そこには必ず経営者も参加する。
こうすることで、社員は経営者の本気度を感じ、更にスキルアップと企画創出の一石二鳥が図れるわけです。缶詰研修は、実は効果的な組織運営をするためのトリガーにもなりえますので、一度導入してみることをお勧めします。
新規事業開発における組織運営の秘訣は、社内経済特区と経営者の本気度にあることを覚えてお
きましょう!
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■バックナンバー
第1回 「事業企画のための3つのレンズ」
第2回 「事業計画はビジネスモデルが鍵を握る」
第3回 「市場調査にお金をかけるな!」 第4回 「戦略はシンプルに考えよう!」 第5回 「損益計画は難しく考えなくてもいい!」 第6回 「新規事業の成功の秘訣は組織運営にあり!」 |