中国ビジネス 進出ガイダンス |
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ノートパソコンはDELL製(アメリカ企業で中国生産)
携帯電話はLG製(韓国企業)
時計はスウォッチ(スイス製)
ボールペンはフランス製(知人からの土産)
Yシャツはタイ製、靴下は中国製
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という具合に、身の回りに海外製品が溢れています。
どうせスーツも駄目になるものだからと某大手スーパーの売り場で並んでいたスーツを見ると・・・なんと、北朝鮮製ということもありました。
個人の生活環境の中にこれだけ、外国製がある、つまりは、外国企業で作られた製品が溢れているということは、好むと好まざるを別にして、自然に外国企業との競争に立たされているということでしょう。
私自身、転職とビジネススクールを経て、日本国内での創業・事業再生の経営コンサルタントをはじめたものの、一生ずっと日本国内にいるつもりでしたが、顧客からの要請や紹介などから海外ビジネス(主に中国)支援をはじめ、中国・上海の駐在を経験し、周囲の方も含めて中国・韓国・ラオス・サウジアラビアのビジネスなどに触れる機会が出て来たものです。
これからの経営者は、海外ビジネスとはどんなものか、海外での会社経営やそれと比較した日本での経営、海外での経営のリスク対処を考えていかなければなりません。
ということで、これから中国進出を検討するという場合を主眼にしながら、皆さんと一緒に海外ビジネス・経営とは何かを考えていきましょう。
まず、海外での経営をする理由は見えていますか?
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1.売上の拡大を目指したい
2.生産拠点として、コスト削減での生産を目指す
3.海外に取引先(系列会社)等が進出し、自社にも呼びかけられている
4.海外に輸出しているが、需要が高いので現地生産化する
5.「中国での日系○○企業の第一人者」を目指す
6.自社のPRや宣伝の材料にしたい
7.経営幹部の養成として海外法人を任せる
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など、いくつか考えられると思います。
この目的は、複数のものが重なっているかもしれませんが、中でも一番重要な海外経営を選ぶ理由は何かを考えておきましょう。
一言に中国、といっても国土は日本の20倍以上。中国人従業員の国や地方政府が発表した2005年の月給を見ると、
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北京 2,734元
天津 1,683元
上海 2,235元
広州 2,820元
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と、首都の北京と天津では車で片道2時間程度ですが、工業地帯としても有名な天津との給与格差が何と約1.6倍。
天津と広州は共に日系大手自動車会社が中国企業と合弁会社を作っていますが、自社の所属する系列がトヨタ系列ならば天津、ホンダ系列ならば広州を選べばよいのか。
あるいは今までの系列外での売上を目指して、両方に設立、生産拠点としてコストを安くしたいのか。
など、目的によって、設立場所が大きく異なってくるのです。
そのために、まずは
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・日本も含めた企業全体での経営戦略と海外進出の目的
・目的に適した進出場所の検討
・その目的を遂行する人材の人選
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を確実に行う必要があるでしょう。
近頃は、海外進出のコンサルタントが大勢います。現地に行っても日本人のコンサルタントを名乗る人が多くみられますが、実は日本で仕事がなかった為に、海外に出ている弁護士や税理士もいます。
そして海外進出の場合でも、日本の税金・規制・法律も関わりますし、日本での海外進出支援策を行っている日本の行政機関や金融機関も多くあります。
そのために、コンサルタントなど外部機関の支援を受けるなら、その当事国に詳しいだけでなく、日本の経営にもある程度通じているコンサルタントを選ぶことが、海外経営を成功させる上での大きな成功要因ともいえるでしょう。
次回はさらに、中国の地域事情なども含めた進出場所についてのお話しをしてまいりましょう。
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■バックナンバー
第1回 「中国進出の目的は?」
第2回 「進出地域の決定」 第3回 「現地法人管理者の選考方法」 第4回 「海外事業は経営管理人材の育成機会・総業と心得る!」 第5回 「貴社の海外戦略とグループ戦略は明確ですか?」 第6回 「先入観を捨て、情報収集を確実に!」 |