一般的に、企業の担当者(物流責任者や配車責任者)が配送業者を選択る際、まずは運賃を低コストに抑えなければならないという使命があるため(1)の条件に当てはまる業者を選択し、メインに据えます。
次に、延着等の事故のリスクを回避するため(2)と(3)の業者を選びます。また、荷主または配達先の指定便がある場合は(6)の業者を選びます。(7)を理由に運送事業者を選択している企業は、どんなに多くとも5社以下で切り回ししていると考えられます。
これらのポイントで選択していくと、企業が選択する運送事業者の数は多くの場合どうしても10社を超えることとなってしまいます。
それはなぜなのでしょう?
問題は(3)の業者選択の部分にあります。
例えば、東名阪近辺で営業しておられる物流センターであれば(3)の業者はおおむねその付近に事業所を構えている業者を選択しますので、それ以外の地域では、北海道はA運輸、関東はB運送、北陸はC運輸、沖縄はD運送という具合に、それぞれの地域に特化した運送事業者と取引をする必要が生じます。
地方別に業者を選定する場合、取引業者数は
平均で最低8社、最大で20社を超えてしまいます。
この(3)の業者選択方法は、配送に付きまとうクレームを回避する上では無難な配車であると思われているかもしれませんが、これは直接的物流費(運送費など)以外に間接的な経費(複数運送事業者を併用することでの事務処理の煩雑化、経理処理の複雑化など)が意外なほど発生しており、配送に関するクレーム自体もさほど少なくはないというのが現実です。
それでは、運送事業者を賢く選択し使い分けるにはどのような点を考慮すればよいのでしょうか。
業者を絞り込み、配送コストを低減させ、ある程度品質を保持させるポイントを何点か下記にまとめてみました。
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