今回は、実務からのクレーム事例、またその対応・対策についてお話させていただきます。 通販物流を行われている企業様は下記のようなクレームの際、購買者に対してどのような対応をされておりますでしょうか?
1.「商品がまだ届かない」「指定日時を過ぎたが届かない」などの、未着クレーム
2.「届いた商品が汚れていた・壊れていた」などの汚損破損クレーム
3.「注文した商品と違うものが届いた」などの誤配送クレーム
ありきたりの内容ではありますが、この3つが通販上にて最も多いクレームかと思います。それぞれについて、考えられる原因とその対応について触れて見ます。
1.「商品がまだ届かない」「指定日時を過ぎたが届かない」などの、未着クレーム
宅配会社での配送上の遅れや(稀ですが)商品紛失、もしくは出荷の遅れによる納期遅延が上げられます。まず、確認するのは宅配会社の問合せホームページにて該当する送状番号をもって貨物の動きを確認します。
該当貨物に動きが見られれば、出荷日と配送状況が分ります。
(佐川急便例)
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2004年06月22日 世田谷店から配達に出発しました。
2004年06月21日 20:41 荒川店を出発しました。
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例えば上記の場合ですと、配送途中ではあるが配達は完了していない事が分ります。
出荷が正常に行なわれているのであれば、宅配会社での配送上の遅れとして、購買者には説明出来ますが、該当する送状番号が未登録の場合もあります。
このような場合には、担当倉庫にて商品欠品や作業指示の不達など何らかの理由にて出荷が行なわれていない事も考えられます。また、九州地方の翌日配達指定など、購買者側の指定日時が配送には不可能な場合もあります。
購買者への対応としては、状況を説明の上で理解を頂くか若しくは近郊であれば、直接お届けするなど、その内容と状況によって幾通りかの対応が出来るかと思います。
弊社提携倉庫でも、宅配会社への引渡しが正常に出来ていなかった事があり、近郊であった購買者宅へ直接商品をお届けにあがった事もあります。
こういったクレームを防ぐ方法のひとつとして、「宅配会社では時間指定にお届けできない場合がある」「注文から○○日後に出荷をする」等の日時指定の配送について、注意事項を販売ページに記載する事も効果的です。
2.「届いた商品が汚れていた・壊れていた」などの汚損破損クレーム
「商品の初期不良」が考えられます。
しかしながら、認識の違いやサービス面も考えると、購買者に商品状況を細かく確認するのではなく、先に交換商品をお届けし、クレーム対象の商品を同時に引き取る事が最善の方法と思います。
商品引取については、宅配会社にて着払いでの引取集荷を行ってもらえます。
商品の引取りが完了し、倉庫若しくは荷主企業に届いてから破損原因の確認をし、配送上なら宅配会社、初期不良なら(卸または)メーカーと補償について相談することが良いと思います。
通常の販売店のように直接商品を手にとって確認することが出来ない為か、購買者の中には購入した商品をシビアに確認する方もいらっしゃいます。
交換引き取りには再送分の送料と引き取り分の着払い費用が必要になるため、サービスレベルと費用対効果を考慮した上で対策を考えます。
未然防止を考えるのであれば、クレームとなりうる商品を出荷前に発見出来る様に入出庫の検品や、配送上で破損しないように十分な梱包を行なうことが重要です
また、破損時の対応方法について販売ページ上に記載することも購買者を混乱させない為の方法と思います。
3.「注文した商品と違うものが届いた」などの誤配送クレーム
「注文した商品と違った」とのクレームの場合は出荷を依頼する際の誤り、または倉庫での出庫作業上の商品誤認が原因と思われます。
この場合も、上記に挙げた商品交換の手順にて正しい商品の送付、誤った商品の引き上げを行ないます。
購買者にとっては、原因の説明よりも迅速な対応をすることが安心感へと綱がる事になりますので、原因の解明は交換手配を行なった後でも良いかと思います。
また、交換に掛かった費用については、誤配送の原因により荷主様にて負担するか倉庫にて負担するかも事前に話し合っておく事も大切です。
現在通販業務を行なっている企業様にとっては当たり前の事と思われると思います。
しかしながら、この当たり前の事をいかに積み重ねて行けるかが、店舗評価の向上にも繋がる事と思います。
上記にて未然防止の対策例も書きましたが、どのような対策を講じたところで、全ての問題を防げる訳ではありません。
購買者からのクレームにいかに迅速確実に対応できるかもサービス品質には重要な要素だと思います。
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