一人の人間は、この両方の面を持ち、どちらが強く出ているかで性格や資質の違いとなって現れています。
創業者として成功しやすい資質は、男性的資質ということになります。ゼロから事業を立上げ、拡大させていくためには、この行動的で外向的、猪突猛進とでも言うべき、周りに対する配慮よりもとにかく前進する資質が重要です。
最近は、起業家ブームで、男性的資質が主にもてはやされ、女性的な資質はあまり価値が無いもののように言われがちですが、とんでもないことです。
二代目として成功するには、この「女性的資質」が非常に重要です。
地道な改善や、お客様や社員の情緒的な面に対する配慮、古くからの幹部社員と協調しながら会社を成長させていくには、むしろこの女性的な資質が大きな力になるのです。
男性的、女性的、それぞれの資質を持つ人たちがともに仕事をしていくことで、バランスの良い、息の長い事業を発展させることができます。
何も無いところから、まっしぐらに理想を追って、事業を作り上げていく男性的な資質は、創業の時代に必要なものであり、形のできたものを維持し、改善し、発展させていくためには、
受容力に富み、柔軟に対応する女性的な資質が必要になるのです。
親の七光りや、親と同じものを期待され、それに悩んだ時代を乗り越え、二代目経営者として地に足の着いた仕事をされている方々のお話の中に、男性的な積極性の中にも、この女性的で大きな受容性を感じることが多いものです。
そのような方々は、事実を素直に受け止め、受け止めた事実から柔軟な言動を起こす、そんな高い受容性と柔軟性に富んでいます。
私が理想に思う二代目経営者とは、
親の七光りのおかげで仕事をしている自分自身を受容れ、
親と同じものを自分に期待する人々を認め、
さらに親や古くからの幹部たちを認め、包み込む、
高い受容性をもった経営者です。
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