■前回は、集客についても「仕組作り」が大切で、そのためには「業務規則集」を作って、全社員が共有することの重要さについてお伝えいたしました。
ランチェスター経営の竹田陽一氏によると、経営の目的は、
「お客様創り」=「新規にお客様を作って、その数を維持しながら、拡大していくことだ」
と言われております。
そして、そのためには
「お客様に好かれて、気にいられて、喜ばれ、忘れられないようにすることだ」
とも言われております。
■多くの会社が新規の「お客様創り」に苦労をされていますが、一方で知らない間に既存のお客様が失われていっております。
特に、中小店舗や独立間もない会社ほど、「強い競争相手」の影響で、厳しい状況におかれております。それは、会社の力関係がある局面に投入される「経営力の2乗」に比例するからです。
たとえば、大手企業が「TVCM」や「大判チラシ」で安売り等を行うと小さな店舗は大きなダメージをこうむります。
そのダメージを受けずに済む方法はあるのでしょうか?
■実は、大手企業にもいくつか「弱点」があるのです。それは、私自身が「大手家電量販店」にいたのでわかりますが、実は「大きな弱点」があるのです。
その一つ目は、ほとんどの大手企業が「性悪説」でお客様に接している事です。
「性悪説」?
企業が大きくなっていくと、店舗が大きくなり、支店が増え、従業員も増えてきます。お客様もいろんな方がおみえにようになるので、社長は「ロス」をなくす為にお客様に対して、「取調べ」をするようになります。そして、それを「マニュアル」として徹底を図ろうとします。
そのときに一般的には、「守り」に入るので「性悪説」を取るようになるのです。
つまり、「このような場合(クレームや不正)に備えて、このような対処するように。」と会社が被害を被らないように対策を打つのです。
■このような対策は、小さなお店で創業したときには必要ないのですが、会社が大きくなると、どうしても必要になってきます。そして、大きな会社に入ってくる社員は、「目的と手段」を間違えて、「手段」を「目的」と勘違いをするのです。
本来は、「お客様創り」が「目的」なのに、「マニュアル」を守ることが「目的」になってしまうのです。そして「お客様創り」は手段になってしまいます。
これはある意味仕方のないことですが、放っておくとこの傾向はますます強くなり、次第に「官僚的な組織」に変わっていくのです。
■このような「性悪説」で守りに入った大手企業に負けないようにするのは、意外と簡単です。
そうです。「性善説」でお客様に対処することです。
そして、「顧客戦略」を徹底することです。「顧客戦略」とは、「お客様に好かれて、気に入られて、喜ばれて、忘れられないようにする」ことです。
「営業戦略」が、「売り」が100%なのに対して、「顧客戦略」は「売り」が0%で、「真心」100%です。
■具体的には、次の3段階を踏んで行きます。
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