■はじめに |
同じものを売っているのに、ある一部の人は売れていて、その一方では売れない人が多くいます。
確かにそこには「トーク」や「スキル」などの差はありますが、それらよりもっと重要なこと・営業が売れるための「心理メソッド」が「欠けている」から売れないのです。
このことはPCで言えばwindowsのようなOS(プラットフォーム)に該当します。 このOSがしっかりしていないとどんなにいいスキル(アプリケーション)があってもうまく活かすことはできないのです。
このOSがなくては、「ロジカルシンキング」や「問題解決手法」などのアプリケーションは起動しません。
また最近では営業担当者の「モチベーション」の低下が企業の中でも多く言われるようになり、そのモチベーションアップを研修でお願いされるケースも非常に増えています。
どちらも大事な「思考」や「心」がないからだと私は考えています。
そしてこれらを心理メソッドが繋ぐ役割を果たすのです。
普段、中小企業のコンサルティングや研修を精力的に行っている私なりの視点で、誰でも実践が可能で、すぐ効果が出やすく、そして実際の成功事例を踏まえて、分かりやすく説いていきます。
また行動心理学・行動特性(コンピテンシー)や心理メソッドも使いながら、経営者や営業管理職、営業担当者まで活用できるコラムにしていきます。※このコラムはあえて語り口調で書いています。
よくいろいろなコンサルティング先で、営業担当者の方が「今月の目標達成に向けて、がんばります!」という言葉を、耳にタコができるくらい聞くことがあります。(この言葉を聞くと「あぁ、またこの人は今月末成績で苦労するんだろうなぁ」と思ってしまうのです)
確かに本人自身にとってその言葉にウソはないでしょうし、本気で「がんばろう!」と思っているかもしれません。しかしここがまさに営業にとっての売れない「ワナ」なんですね。言う方もそれを聞く方もそのワードがワナだとは気付いていない方々が多いのです。
「がんばる」とは何をどうがんばるのでしょうか?(がんばるのはあたり前のことですよね?)「がんばる」という言葉ですべてが分かった気でいるところが危険なんですね。
「がんばる」「がんばっている」自分に満足してしまって、目標達成が二の次になっていることは決して珍しいことではありません。
もっと簡単にいえば、「がんばる」という「自慰行為」(これをマスターベーションと言います)で満足してしまって、その自慰行為で目標達成という「本番」をできる気になっているということなのです。
また「がんばる」と言う言葉だけでは、極めて「抽象的」かつ「曖昧」なのです。曖昧だから「言い切り」ができないんです。
売れない営業の全てと言ってもいいくらい、皆この「曖昧言葉」を言います。この曖昧言葉は責任の所在をはっきりさせたくない、言えない弱い自分がいる表現なんですね。
この曖昧言葉の例として・・・ |
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「僕的には・・・」「私的には・・・」
「○○って感じです」
「私が好きな食べ物は○○?(語尾があがる)ですね」 |
どれも言葉に余計な「修飾語」が付いていますよね?
この言葉を言いながら、交渉力を勉強しても実戦では何ら使い物にならないです。
営業の言葉・交渉シーンではかなりの部分「言い切り」が必要です。上記のような言い方をされると言われた側の内心では、「お前の好きな食べ物なんか、俺が知るわけないだろ!」と思ってしまい、もうモノを買うとかという意識に向かなくなるんですね。
一方成績のいい営業担当者はこれも同じような行動特性(コンピテンシー)を示します。
つまり言い方としては、
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「絶対目標を達成する」 |
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「この仕事をヤリ切る」 |
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「売上は○○○万円達成する」 |
と言い切っています。
これは確かに自分に自信がある証拠といえますが、もう一方では自分で自分に「発破をかけている」んですね。これはどの業界の営業担当者も共通しています。
売れるためには「言い切りができる」ことが大切なんですね。
ですから、「がんばります」ではダメなんです。言うなら「ヤリます」という言うべきです。それも多くの人の前で言うことが大事です。これがなかなか言えないんですね。
例で言えば、
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(A)「私は今月の売上1000万円行くよう、がんばります!」 |
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(B)「私は今月の売上1000万円、やります!」 |
確かに同じことを言っていますし、同じ目標を言っています。
しかしこれを100人の社員を前に言えますか?(5人でもいいですよ)
これを習慣化していけば、すぐ結果はそれなりに出ます。一度試してみてはいかがでしょうか?
ちなみにあなたの近くにいませんか?
「今月は絶対に目標成績を死守します!!」とか「今月は死ぬほどがんばります!!」とか・・・
ではその月末に何人の営業担当者が亡くなられましたか?
ちなみに私は、この言葉を宣言して亡くなられた方を一人も見たことがありません(笑)。
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コラム執筆者・高橋剛氏による【営業実践型セミナー】開催のお知らせ・in東京(3/8)
『“売れない理由”がこれでわかった!〜売れる営業人材の行動特性〜』 ※終了しました
“売れる”人材の行動特性=営業コンピテンシーを客観的かつ短期に見極めるのは難しいものです。どのような行動をすれば「売れるのか?」どうすれば営業チームの「業績が上るのか?」
◎講師:高橋 剛(有限会社タカハシパートナーズコンサルティング代表取締役)
◎日時:2004年3月8日(月)東京都中小企業振興公社にて
◎参加費:15,000円(税込)※コンピテンシー診断付。(診断なしは10,000円)
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■バックナンバー
第1回 「 “がんばります!”という言葉が、 あなたを売れなくしている」
第2回 「“最初に「お客様のために!”なんて思うから売れないんです!〜ジコチューのすすめ」
第3回 「売れないのは“なぜ?”・・・“なぜ?”がない営業マンは売れません」
第4回 「営業の極意〜“なぜ”の意識〜“尋問”にならない処方とは?」
第5回 「“うちの値段は高いんだよなぁ〜”と言う営業ほど売れない!」
第6回 「売れない営業マンを製造しない方法〜古参兵の活用(??)」
第7回 「昔の快感が今の行動を鈍らせる??」
第8回 「“私は○○です”と言えること・・・CIから考える」
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