実践!マーケティング戦略の着眼点 |
第1回 『毎日がケーススタディ、実践、実践、また実践』 |
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〜マーケティング思考を身につけよう〜 |
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はじめに |
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『マーケティング』とは何でしょう。
いろいろな定義はありますが、企業におけるマーケティングの本質とは、
(1)誰に
(2)何を
(3)どうやって売り
(4)いくら儲けるか
という仕組み作りということができるでしょう。換言すれば「ビジネスの仕組み作りとその運用」ということであり、事業活動そのものです。
ですから、知識としての理論や小手先のテクニックを学ぶのではなく、仕組み作りのための思考法を身につけ実践して行くことこそ重要です。
100のビジネスがあれば、100通りのマーケティングがある。
100のケーススタディを学んでも、次のビジネスに通用するとは限りません。
ケーススタディはあくまでもトレーニングであり、戦略策定の参考にはなりますが、それ自体が目の前のビジネス課題を解決してくれるわけでは無いのです。マーケティング思考で考え、自ら切り拓くより他に道はありません。
本コラムでは、6回に渡り、実践のためのマーケティング戦略のヒントを提供して参ります。
或いはよくご存知の内容もあるかもしれません。でも、果たしてそれは実践されているでしょうか。
実践してこそのマーケティング、「知っている」と「やっている」では天と地ほどの差があり、その差は日々拡大するものです。ですから、実践のための手引きとしてお読みいただければ幸甚です。
どうぞ、よろしくお付き合いください。
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マーケティング思考とは |
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先程、マーケティングの本質を「誰に、何を、どうやって売り、いくら儲けるか」と定義しました。
マーケティング思考とは、この4つの要素を意識して考えるということに他なりません。
所謂、経営感覚といわれるものの要素でもあり、無意識に実践している方も居られます。
でも、多くの場合、意識して取り組まない限り身につきません。
例えば、自社の状況をマーケティング思考で分析すると、以下のようになります。
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「誰に」・・・ 当社製品の顧客は誰なのか、他の市場では売れないか
「何を」・・・ 当社顧客(市場)のニーズは何なのか、既存商品に満足しているのか
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これらの分析が充分に為された後に具体策を検討します。
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「どうやって売るか」・・・ 商品、価格、流通、広告・販促
「いくら儲けるか」・・・ 費用対効果、収益性検討
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内容的にはマーケティングの4Cとか5P(※1)といわれるものですが、これは知識でも技術でもなく、習慣化されるべき思考プロセスなのです。
社内会議等で当たり前に行なわれていることであり、何も特別ではありません。
しかしながら、これが習慣化しているか否かでは物事の見方が全く異なり、情報収集能力と応用力において大きな差が生じてきます。
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実践の場はいたるところに |
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マーケティング思考を意識して見ると、日常のあらゆる場面がケーススタディの場となります。
自宅で見る新聞の折込チラシやダイレクトメール、移動中目にする電車の中吊りや街頭キャンペーン、ビジネスレターの数々や小売店のディスプレイ。
それら一つひとつに何らかの意図、即ちマーケティング戦略や戦術が込められている(或いは何も考えられていない場合は反面教師として)と考えると、いろいろな仕組みや仕掛けが見えて来ます。
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街頭で新発売の菓子を配っていたら、試食により味とブランドを覚えてもらい、それ自体を購買リストに加えてもらうことが目的だろう。
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一方、シェービングホルダーを配っているのは、収益の源泉が替刃にあるため、本体の普及こそが最大の販促手段であり目的と考えられる。
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小売店の店頭はアイデアの宝庫。中でもエントランスは店の顔であり、コンセプトが表われる。目玉商品で購買意欲を刺激するか、はたまた最高級品でブランド価値をアピールするか。
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階段の設置や守衛の配置により敷居を高くするか、ドアを開放してグリーター(お客様お迎えスタッフ)がにこやかに入店を促すのか。店の狙いはどこにあるのか。
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100円ショップに200円、300円の商品が並んでいるのは「ワンコイン」から「価格の割に優れた商品」へのコンセプト転換だろう。顧客ニーズから生まれた発想か。
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「100人に1人タダ」と「もれなく10%割引」(※2)、コストはほぼ同じでもインパクトは異なる。
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いかがですか。言われてなるほどというのではなく、自ら考えてみる。
この仕組みはどうなっているのか、自分ならばどうするか。
算数で言えば、「a + b = ???(単一の解)」ではなく、「Y = ???(無限の数式)」という考え方です。
この場合、結果が真実かどうかは二の次、三の次。
マーケティング思考で自ら考えることでのみ、観察眼が養われ、分析力、発想力が磨かれるからです。
そして、それが習慣となって無意識化されるようになれば、あなたのビジネスセンスは飛躍的に向上していることでしょう。
実践あるのみです。
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(※1)一般的な3C、4PにCo-operator、Profitabilityを加えたもの。
4CとはCustomer(顧客) Company(自社) Competitor(競合先) Co-operator(協力者)というマーケティング活動を構成する当事者。
5PとはProduct(製品) Price(価格) Place(流通) Promotion(販売促進)Profitability(収益性)というマーケティング活動の主な構成要素。
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(※2)例えば、顧客の平均購買価格を1万円、当選金額の上限額を10万円とした場合の、顧客100人当りの販促コストは下記の通り。
もれなく10%割引のコスト = 1,000円(1万円の10%) × 100人
= 100,000円 = 100人に1人タダの上限コスト
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■バックナンバー
第1回 「毎日がケーススタディ、実践、実践、また実践〜マーケティング思考を身につけよう」
第2回 「マーケティングは弓矢の如く〜ポジショニングとターゲティング」 第3回 「お客様は語る〜データベース・マーケティングの実践〜」 第4回 「広告宣伝費を4倍有効に使う方法〜基本を押さえてコスト半減、効果は倍増〜」 第5回 「ブランディングにまつわるエピソード〜顧客主導のブランディングもありです〜」 第6回 「失敗しないマーケティング戦略〜お客様の立場で考える〜」 |