マーケティング戦略を策定する上で、最初に為すべきことは、自社製品が市場においてどこに位置付けられているのかを明確にすることです。新規事業であれば、どこを目指すのかということです。
分かりやすく且つ有効な方法として、競合比較とマッピングをご紹介しましょう。
競合比較とは、価格、品質、デザイン性、テイスト、サービスレベル、ブランドイメージ、顧客層など、考えられるあらゆる項目につき競合(比較対象)を設定し、自社製品との比較することです。
この際、重要なポイントは2つ。
第1は、可能な限り多くの項目について比較すること。
第2は、競合を決め付けず、幅広く設定することです。
なぜならば、この作業を通じて、自社製品の強みや弱みが明確化され、誰をターゲットとしてどのようなアプローチをすべきかというマーケティング戦略の指針となるからです。そのためには、先入観を持たずに取り組むことが重要なのです。
可能であれば、企画部門、デザイン部門、営業部門等の関係部門が集まり、ブレインストーミング(※3)を実施するのも有効です。特に、自社の「強み」(セールスポイント)を探すことを意識すると進めやすいかもしれません。
例えば、平均客単価1万円のフレンチレストランにとっての競合(比較対象)として考えられるものは何でしょうか。
「フレンチ」という切り口であれば様々な客単価のフレンチレストランであり、「客単価1万円」という切り口であればそのレベルのイタリアンや中華レストランが対象となるでしょう。
しかしながら、少し視点を変え、「1万円で過ごせるエンタテイメント空間」として位置付けると競合は全く別なものになってきます。他にも、顧客の大半がカップルであれば「デートスポット」として、夜景がウリであれば「夜景スポット」としての比較が必要かもしれません。
競合は、必ずしも『飲食店』とは限らないのです。
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