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内憂外患 |
コンサルティングの現場や身近なトピックスからマーケティングのヒントをお届けする
『マーケティング小咄』。今回のテーマは企業組織。
以前、経営再建をお手伝いした工場用設備メーカーの「前社長」と久々に再会。
昨年度、過去最高益を達成したとの嬉しいご報告でした。
元々優秀な技術者だった彼は、独自の設備機械を開発し創業。
その独創性により、市場を作り上げました。
ところが創業から10年余の時を経て、次第に競合他社に市場を奪われ
最盛期には30億円規模だった売上が、ご相談いただいた当時は1/3以下に。
正に会社存亡の危機でした。
早速現状分析をしたところ、かつての商品力に依存した放漫経営によるムダや
矛盾が至る処に。
整理してみると、課題は内外にそれぞれ一つずつ。
外部要因は、市場における競争力低下でした。競合他社は、類似商品の開発に加え
顧客の要望に応じたカスタマイズ対応を実施していました。
顧客にとっては、多少のスペック上の差を差し引いても、当然ながら
カスタマイズによる利便性を重視します。
同社もカスタマイズ対応を余儀なくされるのですが、如何せん開発者である
社長でなければ設計ができず、対応が遅滞しがちでした。
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見事な英断 |
今一つの課題はマネジメントの問題です。
全ての決裁業務が社長に集中し、設計業務に追われて意思決定もままならず。
しかも、営業や調達業務などのマネジメントも殆ど放任状態。
それぞれがバラバラで、組織としての機能は全く果たしていない状況でした。
それから様々な改革案作りに着手して2ヶ月、私は社長にある決断を迫りました。
「社長に退任して戴き、外部から新しい社長を招聘しましょう」と。
これは、社内各部門を掌握し、会社を経営していくというトップマネジメントの
果たすべき役割において、必ずしも当時の社長が最適とはいえないこと。
そして、顧客ニーズへのカスタマイズ対応が会社再建に不可欠であり
それを実行できる技術者は、社長をおいていないという理由からです。
流石に「考えさせて欲しい」と仰った社長は、週末を挟んで3日後に決断。
外部から社長を招聘し、ご自身はファウンダー兼取締役技術開発室長として
設計部門を陣頭指揮。金融機関を含めた取引先からの信頼も維持しました。
もともと超一流の技術者である彼にとって、新しい環境は水を得た魚。
カスタマイズのレベルも競合の追随を許さず、瞬く間に市場を回復して行きました。
翌年度には早くも黒字化を果たしたのを見届け、私との契約は終了しました。
あれから5年、好業績を背景に現社長から社長職交代の申し入れが
あったそうですが、もう1期務めて戴くよう慰留したとのこと。
「顧客にとって、会社にとっての最善を尽くすのが創業者としての務めですから」
と爽やかに語る前社長は、後継技術者の育成が、今、一番の課題だそうです。
今日の一言: 役割を果たせる人が 適任者
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