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信頼の新基準 |
コンサルティングの現場や身近なトピックスからマーケティングのヒントをお届けする
『マーケティング小咄』。今回のテーマは消費者の価値基準の変化。
前回、新しい価値観の下で生き残るためには、お客様に安心を提供し
消費者の信頼を勝ち取らなければならないというお話をしました。
そのためには、表面的な対応ではなく、企業ポリシーから見直し
行動指針として全社に徹底させる必要があります。
拙コラム(79)でもご紹介しましたが、同じ業界の企業であっても
片や自社の業績低下を嘆くばかりの社長。
一方は、先ずお客様、従業員そして取引先に目を配り
継続的なサービス提供に支障は無いかと配慮する社長。
自己の立場で、自社の周りのことしか考えられない企業と
あらゆる関係先に思いを廻らし、相手の立場で考える企業。
これは、謂わば企業の文化であり、社長の考え方や行動が指針となって
社員やスタッフにも伝播するものです。
そこに生じる微妙な差は、お客様にとって些細なものかもしれません。
価格に対する相対的価値が評価の基準であれば、考慮されない範囲でしょう。
しかし、今は違います。消費者は、信頼できる製品やサービスを
「誰が」提供してくれるのかを探っているのです。
そこには、品質、価格、安全性、環境性能など製品に対する信頼に加え
それを提供する企業に対する社会的信用も含まれるのです。
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信頼されるのには理由がある |
企業の社会的信用というのは一朝一夕に得られるものではありません。
日頃からの地道な活動により築き上げて行くものです。
大掛かりなものではリサイクルシステムや植林事業などの環境への取り組み。
企業文化活動や福祉事業への協賛などがあります。
そのように大規模なものでなくとも、お客様の信頼を勝ち取る方法はあります。
例えば生鮮食品を扱っているのであれば、産地、生産者情報の提供。
単なる産地表記のみならず、生産者のプロフィールやメッセージ
農薬の使用状況や生産過程の写真などを添えているケースも有ります。
安全にこだわるのであれば、独自に放射線量計を用意して測定値を表示したり
店頭に置いて、お客様自身で計測して戴くというサービスも考えられるでしょう。
しかしながら、日頃から築き上げた信頼関係があれば
そんな演出すら必要ありません。
実際、ある鮮魚店では、原発絡みで海洋汚染が報道された直後でも
仕入れ量が減少しているにもかかわらず、客足は以前と変わりませんでした。
「この店で売っているものであれば、安全性に問題は無い」という信頼感。
日頃の、店頭で鮮魚を捌く丁寧な仕事ぶりを、お客様は知っているのです。
目利きの店主が仕入れた魚を更に選別しながら、一つひとつの魚の状態を説明し
産地から調理方法に至るまで、事細かに情報提供しているのです。
同様の現象は、生産現場の豊富な写真情報と共に、近郊の契約農家から
毎朝運ばれて来る新鮮野菜を販売する食品スーパーでも見られました。
あてにならない政府発表や、根拠の無い不評被害とは全く無縁。
店自身による情報こそ、最も信頼できるものと評価されているのです。
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信頼獲得のポイントは |
ポイントは顧客とのコミュニケーション。ここでは生鮮食品の、店頭における
実例を挙げましたが、これはあらゆる業種に共通の課題なのです。
提供者の顔が見えることによる安心感。豊富な情報提供による安心感。
接触頻度による安心感。そこには、共感を呼ぶ語りかけがあります。
品質へのこだわり、安全への配慮。環境への取り組みや顧客への保証。
これらを「当社は実施しています」という、独りよがりな情報発信ではなく
その結果として、お客様や社会にどのように貢献しているのかということを
具体的にイメージできるように伝えなければなりません。
例えば、リサイクル資材を使っているのであれば、それを使用することで
お客様がどれだけ資源の削減に貢献することになるのか。
天然素材を使用することで、お客様の健康リスクを軽減させるばかりでなく
環境にも貢献することになる。
様々なメリットを、お客様主体で表現します。方法は広告、DM、チラシ
メールマガジンからツイッターまで、あらゆるメディアを活用すればよいのです。
お客様にとって、そして社会的に有益か否か。
それが成否の分かれ目です。
(つづく)
今日の一言: 信頼の新たな基準、社会性
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