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製品性能と商品価値 |
コンサルティングの現場や身近なトピックスからマーケティングのヒントをお届けする
『マーケティング小咄』。今回のテーマは『商品価値』。
先日、ある消臭除菌剤メーカーの社長からご相談いただきました。
「当社製品は大手有名企業A社やB社の製品より明らかに優れているのです」と。
「しかしながら、A社やB社のようネームバリューはありませんし
大きな広告費をかけることもできません。何とかならないでしょうか」。
A社やB社の製品に比べ優れている点を、具体的にご説明いただけますか。
「性能分析表を見てください。数値的に、有効性は明らかなのです」と自信満々。
なるほど、確かにこのグラフを見れば、効果はありそうですね。
「そうでしょう。だから、広告だけで売れている商品に負けるはずはないのです」と。
「この優位性を消費者に伝えることができれば
50%以上を占める両社のシェアを奪うことができるはずです」と意気軒高。
ちょっと待ってください。果たしてそうでしょうか。
確かに分析データを比較すれば、性能は勝っているかもしれません。
でもそれはあくまでも製品性能の話であって
『商品価値』が優れているというわけではないのですよ。
こう指摘すると、きょとんとしている社長。
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伝わらなければ意味は無い |
性能を数値で比較できれば、商品価値を高める要素の一つにはなるでしょう。
でも、商品価値を決めるのは消費者であり、その基準は千差万別です。
会社の知名度や、広告による認知度もまた商品価値の一部なのです。
性能だけで覆すためには、圧倒的な技術差や目に見える効能が必要です。
「使用テストの結果では、皆さん当社製品の方が効くと仰っています」と
やや不満顔の社長。「だから使ってさえもらえば・・・」。
何人の方に、どんなテストをされたのでしょうか。身内や知人に、性能の高い
新製品を開発したから試して欲しいといって、正確なデータが得られますか。
もともと消臭効果の判定は人の嗅覚が頼りであり、基準が曖昧で
臭気判定士という専門職でさえ判断は難しいものなのですよ。
仮に消臭効果が10%アップしたとして、それを判定できる人は皆無でしょう。
臭いも、菌やウィルスも目に見えません。
むしろ、効果を視覚的に演出するために、反応することで色が変わったり
空間の除菌を表現するために煙を発生させる工夫をしてみてはいかがでしょうか。
例え話として、こうお話しすると、「そんなことは効果とは何の関わりもないですよ。
そんなムダな開発はできません」と憤慨気味。
どうやら話の意味をご理解戴けていないようです。
研究開発出身の社長に多いのが、自社製品が一番という思い込み型。
優れた製品を作るのは自己満足。お客様の視点で商品価値を高めることを
考えるのがマーケティングであり、経営者の役割です。
今日の一言: 優位性、伝わらなければ商機無し
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