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コンコルドの誤謬 |
コンサルティングの現場や身近なトピックスからマーケティングのヒントをお届けする
『マーケティング小咄』。今回のテーマは新規事業。
公務員住宅建設計画の凍結が話題となっています。八ツ場ダムや諫早湾干拓など
公共工事推進の立場で必ず用いられるのが既に投下してしまった費用の話題です。
ここで中止してしまったら、既にこの事業に対している巨額の費用が無駄になると。
採算性を問われると、着工を目的に作成された、風化した計画書が持ち出される。
これは、行動経済学においてサンクコスト(埋没費用)と呼ばれるもので
別名「コンコルドの誤謬」とも称されます。
かつて、超音速旅客機コンコルドの開発過程で、当初予算を遥かに上回る
コストが発生し、採算割れが予測されたにもかかわらず
既に投下したコストを惜しむあまり計画を続行し、結果的として
莫大な商業的損失を招いたことに由来します。
もちろん、公共事業の是非については、一概に収支の損得勘定だけで
論ずることはできません。
しかしながら、民間企業において採算性を無視してしまっては
たちどころに経営危機を招くことになります。
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進むべきか、退くべきか |
過日、ご相談を受けたのが、まさにこのような状況でした。
社運をかけてスタートした会員制サービスを提供する新規事業。
サービス開始から、既に2年半を経過したものの、システムの開発費用がかさみ
一方、会員数も計画の30%程度にとどまっており、毎月赤字の垂れ流し状態。
担当役員は、システムの開発が予定より遅れているのが原因であり
システムさえ改良されれば会員数は計画通りに推移するとあくまでも強気。
今、プロジェクトを中止したら、これまでの投資が無駄になるので
得策ではないと、お決まりのセリフ。
果たしてそうでしょうか。新規事業の進退を判断するためには
事業計画の見直しから始めなければなりません。
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判断基準は現在の評価 |
事業計画を作成した3年前と現在とでは、当該事業を取り巻く内外の環境は
異なります。現在の状況に合わせて作成し直さなければいけません。
会員の獲得数、売上見込み、投下資金とランニングコスト。
全ての要素を、ゼロベースで見直しします。
その上で、継続した場合の1年後、3年後の収支見込み。
単月黒字化と累積損失解消時期。中止した場合の累積損失。
中止した場合の社会的影響や、社内のモチベーション低下など
継続させたいという意識が過大評価されがちです。
ここでは、事業に対する思い入れや、費やした労力に対する感情は禁物。
あくまでも収支見通しだけに注目し、判断しなければなりません。
経営判断を誤れば、より大きな損失を招き、存亡の危機に陥りことさえあります。
経営者としての、冷徹な意思決定が求められます。
因みにご相談戴いた一件、事業を売却することとなりました。
当初計画時には無かった競合が出現し、提供サービスの優位性が低下。
採算性が見込めないと判断し、損失を最小限に抑えるため
既に会員組織を有する事業者に、会員向け追加サービスとして売却することに。
まだまだ事後処理は残っていますが、差し当たり最大の危機は回避しました。
今日の一言: 進退の評価は常に時価基準
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