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アイデアはどのように伝えるのか |
以前にアイデア力に優れ、多くの特許を保有する中小企業の社長さんと仕事をすることが
ありました。
その会社では、アイデアを生かした特許を取得し、具体的な商品を販売しており、業績も
順調です。そして、新たな製品の開発を進めているところでした。
当初は、その製品の販路開拓に協力することで進めていました。
ところが、販路として打合せを進めておりました会社に提出するサンプルが、遅れ遅れに
なってしまい、開発している製品そのものの支援をすることになりました。
最初の頃からその製品の構造についての説明は、聞いておりました。
製作は、すべて外部に依頼しておりましたので、その段階では、製造を受注している企業
が、部品の製作に関して、少し知識が不足しているなあと感じている程度でした。
しかし、製造委託先の企業は、一つ一つ丁寧な確認をしながら製品を作り上げようとして
いましたので、大丈夫だろうと判断していました。
ところが、予定よりも3ヶ月過ぎてもメドが立たない状態だったのです。
これでは、この製品の検討をいただく企業(顧客)に対しても信用を失うことになるた
め、こちらでも製作を検討することにしました。
このときに、製品の構造は理解できるのですが、図面上に公差が入っていないこともあっ
て、製作するうえで何が大切なのか、どこに注意を払うべきか全く分からないものでし
た。
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図面には要件が記載されている |
その製品は、真空の環境を作るものでしたので、密閉性が求められます。
理論的に考えると、部品同士の組合せ部分にスキマ、ピンホール(0.01?のような極小の
穴)があると漏れが発生して、真空ではなくなってしまいます。その場合、製品の性能を
発揮しなくなります。
このようなことが発生しないようにするためには、部品の組合せや平面度、表面あらさな
どある一定以上の品質が要求されます。
このため、製作する板金メーカーの方とその打合せを行い、図面上に表現されていない公
差などの条件を設定しました。
溶接部分に関しましては、材料が非常に薄いこともあって、YAGレーザー溶接を用い、
ピンホールが発生しないように溶接の仕方も詳細に詰めました。
また、検査方法も溶接後の密閉性を確認するためにヘリウムディテクターを採用しまし
た。
さらに、真空環境は、内部に水分や油分が存在すると時間とともに真空度が下がってしま
うため、その対策も加えました。
そのうえで、もっとも経済的な加工方法は、どうあるべきかでという原価面の検討です。
この結果、最初のアイデアを具現化した製品を製作することができました。
また、納めた会社で実際の製品の性能を測定したデータをみても、
理論に近い値が出たようです。
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設計者にも、ものづくりのノウハウが必要 |
これは、優れたアイデア力があっても、ものづくりに関するノウハウが不十分であれば、
具現化した製品はできないということです。
近年は、円高の影響があり、人件費の安価な海外でものづくりを進められ、ものづくりを
見る機会がなくなってきています。
しかし、アイデアから具体的な製品を作るためには、そのものづくりのノウハウを設計者
が必要としているのです。
単純に安価であるということだけで海外生産を考えるのではなく、設計者や技術者のもの
づくりのノウハウを育成するために製造現場を残すことも必要ではないでしょうか。
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