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2012年07月25日
日本コストプランニング株式会社  間舘 正義
工場廃液の減量化について コンサルタント写真
カテゴリー:生産・技術・物流   


新しいものが生み出されるとき、廃棄物も生み出している
近年の環境意識の高まりは、環境ビジネスに注目が集まり、これまで以上に様々な分野
からの参入が進んでいます。
 
これは、今年の国際環境展を見ても、出展企業が国内、海外を問わす企業が増えている
ことや見学者も多く、盛況であったことから判断できます。
 
それでは、環境ということについて、製品を作っている工場に目を移してみましょう。
 
工場では、製品を作るとともにその際に不必要になる廃棄物も生み出しています。

金属加工工場では、製品や部品が出来上がるとともに、切粉や端材などが出ている
ことが最初に思いつきます。
 
これらは、産業廃棄物業者によって回収され、材料として再利用されることになります。
これに対して、再利用されることなく、廃棄されるものがあります。
 
その代表的なものが、廃油や廃液です(水と油分の混ざったもの)。

切削油廃液は、やっかいなもの
機械加工で使われる切削油は、近年水溶性切削油(水と切削油をブレンドした)が主流
で使われるようになっています。
 
この水溶性切削油は、水19に対して切削油1のように希釈するケースもあり、ほとんど
が水なのですが、切削油という油が含まれているため、廃液として処理されることにな
ります。
 
そして、この水溶性切削油の廃液は、リサイクルされるのではなく、焼却されることが
ほとんどです。
 
その一方、太陽光パネルの製造工程では、シリコンのスラッジ(研磨カス)が発生しま
す。それが、廃棄物です。
 
しかし、シリコンのスラッジの場合、加工時に使用した油と混ざっている状態から、油分
を分離し、廃棄物を減量化することが進められています。
 
このように新しい商品を作り出す過程で、廃液などの廃棄物を生み出していることを知
らなければなりません。
 
そして、それらの廃棄物を増やさないように環境への配慮が必要であるということです。
 
これが、環境循環型社会へとゼロエミッション活動が推進される理由であり、廃棄物に
ついての3R(リデューズ、リユース、リサイクル)が、積極的に進められてきている
わけでもあります。

廃油・廃液の減量化の意識を持とう
付加価値を生む製品を作り出す一方で、廃油・廃液のように生産量に応じて排出される
ものがあります。
 
とくに切削油廃液は、製造企業からすれば、お金を払って引き取ってもらっているので、
そのための処理費用も発生しています。
 
一方、産業廃棄物業者では、水溶性切削油の廃液はリサイクルが難しいこと、厳しい価
格競争から採算性に合わないことなど、積極的に取り組みたいものではないのです。
 
そして、ゼロエミッション活動の中で、もっとも取り残されやすいのが廃油・廃液です。
 
廃油・廃液は、大手企業のように大量に発生量していれば、装置を導入しても採算性に
見合うのですが、中小企業の場合には、量の少ないこともあって、産業廃棄物業者に依
頼したほうが手間が無く、効率がよいと判断されています。
 
しかし、環境意識の高まりは、排出する廃油・廃液が多い少ないではなく、減量化を進
めていく必要があります。
 
それは、たんに廃油・廃液を排出し、産業廃棄物業者に委託するということではなく、
採算性の取れる減量化への検討が求められているのです。
 
以下に、廃油・廃液の減量化を進めるにあたって、水と油などを分離・抽出する具体的
な処理について、私がクライアントとともに検討いたしました方法を紹介します。
 
当然、採算性も加味して検討したものです。

廃油・廃液減量化の方法
1.凝集剤による分離処理
2.フィルターによる分離処理
3.UF膜による分離処理
4.油水分離剤による分離処理
5.特殊な油水分離装置による分離処理



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