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				|  | 円滑化法利用数と倒産数 |  
金融庁によると、金融円滑化法の申込件数はこれまで313万件あるそうです。
1社あたりの金融機関数を5行と仮定すると、約60万社が円滑化法を利用して、
 返済条件の変更(リスケジュール、リスケ)をされているということになりますね。
 
 日本の中小企業数は約180万社ですから、
 全体の3割がリスケ中ということになります。すごい数です。
 
 金融機関数を10行としても約30万社が円滑化法を使っていることになり、
 中小企業全体の約1.5割がリスケ中という計算になります。
 
 また、円滑化法利用後の倒産件数は2012年11月までで延べ416件。(TSR調べ)
 残念ながら返済条件の変更では再生に至らなかった、もしくは潰れてしまった会社さん
 の数です。
 
 これを多いとみるか少ないとみるか意見が分かれるところではありますが、
 私としては少ない(60万社がリスケ中とすれば0.07%、30万社で0.14%ですからね。)
 と思います。
 
 新聞などでずいぶんと円滑化法利用企業の倒産が増えたと騒がれていますが、
 誤差の範囲だと思います。
 
 
		
			
				|  | なぜリスケジュール? |  
ところで、なぜ円滑化法を利用してリスケを申し込むのでしょう?
 売上の低迷などで当初の約定通りの返済が難しいからですね。
 単純に言えば返済額だけのお金が足りない、無い。
 
 1)返済できるほど儲かってない、または赤字である
 2)減少するキャッシュを鑑みると手許資金が早期に枯渇する
 
 まとめるならばこの2点でしょうか。
 
 返済額が大きすぎるのか、はたまた儲けが少なすぎるのか。
 事業で得たお金より出ていくお金の方が多いわけですから、
 手許資金はグングン減っていきます。
 
 こわいですね。
 
 普通の神経であれば、このままでは潰れるんじゃないかという心配で、
 夜も眠れない状況に陥ります。
 
 たしかにそのまま資金が枯渇するまで放置すれば会社は倒産します。
 
 
		
			
				|  | ほっと一息? |  
どうすればいいのかわからないまま時が過ぎていきます。
手許資金もどんどん減っていきます。
 
 もう無理、という段階で銀行に相談して返済条件の変更を願い出ます。
 (円滑化法下では、とりあえず金融機関に申し出れば、たいていの場合、
 リスケに応じてくれます。)
 
 返済条件の変更をして、返済猶予をしてもらうと、
 とりあえず返さなくて良いわけですから、返済資金が足りない、
 という悩みからは一時的に解放されます。
 
 ホッと一息です。
 多少はゆっくり眠ることができるでしょう。
 よかったですね。
 
 しかし、ここで注目して欲しいのが返済猶予の「猶予」という言葉。
 はい、お金の心配は「猶予」されているだけなのです。
 
 
		
			
				|  | リスケは根本的な解決にならない |  
返済が「猶予」されることで、「一時的に」資金の流出が食い止められる。
つまり、リスケでは基本的に何も解決していないのですね。
 
 短期的な資金繰り難という課題はリスケでクリアできます。
 しかし、根っこの部分を改善しなければ状況は変わらないのです。
 
 重要なのは、なぜ資金不足に陥ったのか、ということ。
 その理由を探し、改善策を練り、実行し、問題を解決しなければ、
 真の意味で悩みから解放されることはありません。
 
 たとえばそれが売上の減少なら、商品力や営業力の低下や市場の縮小、
 価格競争、はたまた脆弱な営業体制など様々な要因が考えられます。
 
 商品力を上げようにも資金が無い中では新製品の開発が可能とは思えません。
 市場が縮小し、価格競争になっていれば自社だけが抗うのは難しいでしょう。
 脆弱な営業体制の改善は一朝一夕にできるわけではありません。
 
 できない理由はすぐにあがります。
 
 
		
			
				|  | ではどうすれば? |  
そのなかで何ができるか。
それを考え、実行すること。
 
 それはコストの削減かもしれませんし、
 企業文化を変えるようなことかもしれません。
 また、それに抵抗する人たちもいるかもしれません。
 
 できれば目を背けたい現状と課題から逃げず、これを直視し、改善策を打っていく
 ことが将来の安心、社員や経営者の幸せに繋がります。
 
 やらなければならないことが分かれば、それをやるだけ。
 
 リスケは再生への手段の一つであって、目的ではありません。
 
 再生ステップの1合目として倒産を回避する、そのための手段です。
 
 目的はあくまで会社や事業の再生。
 
 やらなければならないことは山ほどあります。
 とはいえ、千里の道も一歩から。
 
 安心せず、狼狽えず、冷静かつ気概をもって取り組んでまいりましょう!
 
 
 
 
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