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いくら返せるの?本当に返せるの? |
さて、いくら借りていて、いくら儲けているかがわかりましたので、
ここで簡単な割り算をしてみましょう。
借入れ総額÷生み出したキャッシュ、はいくつになるでしょうか。
たとえば、1億円借入れがあって、生み出すキャッシュが1000万円ですと、
1億円/1000万円で10、10倍ですね。
これを有利子負債対キャッシュフロー倍率(CF倍率)といいます。
この倍率が1倍なら1年で返せる借入額、5倍なら5年、10倍なら10年という
ことになります。
1000万円というのは年あたりの額ですから、この10は10倍ということにな
ります。つまり、この会社にとって1億円とは10年で返済できる借入額だ、
ということですね。
長期借入れの返済期間はかなり長くて10年、普通は5年〜7年ですから、
CF倍率が10倍とかですと、通常約定通りには返せないような財務状態に
あると言えます。
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約束通り返せないかもしれない場合 |
言い換えれば、借りた当時の経営体力はすでにもうない、ということ
ですね。
となるとかなり経営にテコ入れしなければならない状況かもしれません。
手許現金資金が薄ければ、倒産の目もありえます。
銀行から新規の融資も得られづらい状況です。
ついては、新規の設備投資資金は自己資金で賄わなければならないかも
しれません。自己資金が薄ければ、設備投資や開発のための資金が不足し、
将来の事業投資がままならない状況となることが予想されます。
支払猶予や返済期間の延長等リスケジュールなども考慮しないといけない
状況であれば、再生計画、経営改善計画なども作成せねばなりません。
財務諸表を知ることで、つまりは、連帯保証を引き継ぐリスクはそれ相応にあ
る、ということがわかるわけですね。
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後を継ぐ覚悟と知る努力 |
後を継ぐなら継ぐで、それを分かった上で継ぐ。
後を継ぐにはリスクを背負う覚悟が必要です。
そのリスクの大小、遠近は財務状況により様々です。
財務状態を知ることができれば、どのくらいの覚悟をしておかなければなら
ないか、がわかります。また、継いだ後、何をしなければならないか、経営
課題も明確に意識できるようになります。
後継者となる、またなることに悩まれている方は、決める前に会社の財務諸表
を見てください。詳細に分析できる必要まではありませんが、ざっくりでも知
ることができれば、のちのちの動きが変わってきます。
最低でも総借入額と儲け額は自分のためにも把握しておきましょう。
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